2007年03月12日
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今日のまとめ

1.最適な課金方式は何か?という点では未だ模索が続いている
2.オンライン・ゲーム産業自体は順調に成長している
3.ザナインが最も充実したパイプラインを擁している
4.中国のゲーム株は米国のそれに比べて割安に放置されている

課金方式の模索

オンライン・ゲーム企業の株式が上場されてからほぼ3年が経過しました。これらの企業が登場した当初は全く新しいタイプのサービスだったのでそれらのビジネスがどういう風に発展するかに関して未知の部分が多かったです。しかし3年の年月を経て明らかになった事というのもあります。そのひとつが人気ゲームタイトルの寿命はウォール街の投資家が考えていたよりもかなり短命であるという点です。

ゲームのライフサイクルが当初予想より短かった

上の図はゲームのライフサイクルを示したものですが、長期に渡って安定的に収入を上げられると思われていた人気タイトルの凋落が思ったよりも早い時期に到来しました。また、ユーザーの離反も当初予想より急速でしたので投資家のこのセクターに対する投資熱は急激に冷めました。ゲームの運営会社は古くなったタイトルの延命策を考えなくてはいけなくなりました。そのひとつの方便が無料化というやり方です。人気が峠を越えたタイトルを見切り良く無料化することでユーザーをつなぎとめるとともに課金の方法をゲームの中で販売されるアイテム(例えば武器など)の販売に依存する方式に移行するわけです。この課金方式をアイテム課金と呼びます。

アイテム課金

この無料化→アイテム課金という課金方式変更で運営会社の売上高の推移がどう変化するか?ということを示したのが上の図です。一昨年から去年にかけて無料化に踏み切る企業が続出した為、業績の下方修正が相次ぎました。その後、無料化に踏み切ったゲームの多くが目論見通り顧客のつなぎとめに成功し、アイテム課金による売上高もどうやら上がり始めていることが確認されたので今はこれらの運営会社の株価は出直りつつあります。また、最近は似たようなゲームが次々に濫造されており、ヒットする見込みの薄いタイトルも数多くあるのですが、それらの多くは最初からいきなり無料化され、アイテム課金に依存するケースも見受けられます。この一方で昔ながらの有料方式にこだわる運営会社もあります。例えばザナイン(ティッカー:NCTY)はその例です。ザナインは次々に話題のゲームの中国における運営権を高額の契約金を払って獲得し、それらを矢継ぎ早にリリースしてゆくことで売上のモメンタムを維持する戦略をとっています。

矢継ぎ早に大型タイトルをリリースすることで売上高を伸長させる

このように現在の中国のオンライン・ゲーム業界は最善の課金方式は何か?という命題に関して意見の一致をみておらず、試行錯誤が続いています。このようなビジネス・モデルの模索はオンライン・ゲームに限らず新しいビジネスの黎明期にしばしば起こることです。オンライン・ゲーム業界全体で見るとゲーム人口やトータルでの売上高の成長のペースに大きな鈍化は見られていません。従って、課金方式を巡る混乱はオンライン・ゲームそのものが曲がり角に来ているという風に受け止められるべきではないと思います。

主要銘柄の近況



シャンダ(SNDA)は一足先に主力タイトルが凋落の憂き目に遭い、ユーザーの離反を食い止めるため無料化への移行を積極的に進めました。これが上手くゆき現在同社のユーザー数は順調に伸びています。同社は一昨年に業績が良かったときにシナ(SINA)の株式を大量取得したり、『EZコンソル』と名付けられたエンターテイメント・ハードウエアのビジネスに進出したりといろいろ多角経営に手を出し、これらがことごとく不首尾に終わりました。現在シャンダはシナの株式の大部分を処分し、『EZ』事業も大幅に縮小しました。シナの株式の売却により手にしたキャッシュで自社株の買戻しを行なっています。このように同社はより本業にフォーカスした経営になっておりこれは投資家に歓迎されています。ネットイーズ同様、シャンダの新作のパイプラインも貧弱です。

ザナイン(NCTY)は課金開始2周年を迎えた『ワールド・オブ・ウォークラフト』一本に収益の大半を依存する体質です。『ワールド、、、』は去年の秋に若干モメンタムの衰えが見られこれが投資家の不安を招きました。しかし、拡張パック、『バーニング・クルセード』がリリースされ、これが当初の予想を上回る成功を収めたため『ワールド、、、』の寿命がこれで伸びたと考える投資家が増えています。同社は『ワールド、、、』で成功した大作主義路線を今後も踏襲すべく、前評判の高いタイトルの運営権をどんどん取得しています。パイプラインとしては:

『ギルド・ウォーズ』現在βテスト中 正式サービス開始は6月
『SUN』現在クローズドβテスト中 正式サービス開始は6月
『ヘルゲート・ロンドン』第4四半期にクローズドβテスト開始
『ハックスレー』2008年以降
『ラグナロク・オンライン2』時期未定
『エミル・クロニクル』時期未定

などとなっています。勿論、これらのタイトルが全て成功を収めることは期待薄です。このうち1つか2つが『ワールド、、、』のようなヒットにつながれば同社としては十分でしょう。

中国オンライン・ゲーム大手3社の売上高

株価評価

さて、オンライン・ゲーム株の株価評価ですが、去年までは各社の主力タイトルの凋落とそれに伴う課金方式の変更など業界全体を巡る不透明要素が多かったです。このためオンライン・ゲームのセクターの株価収益率も米国のゲームの株と比べると約半分程度の評価に甘んじています。成長性の面で中国の企業のほうが著しく劣っているということはありませんのでこの評価の格差は新しい課金方式に投資家が馴れてくれば自然に縮まってくると考えられます。

主要ゲーム関連株の株価収益率(PER)と売上成長率






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最終更新日  2007年03月13日 14時15分05秒


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