2008年03月19日
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■今日のまとめ

1. ITアウトソーシングは銀行・証券の顧客からの注文減少が懸念される
2. 前回の下げ相場時と比べると銀行、エンジニアリングの調整が足りない
3. 逆にITアウトソーシングや薬品、自動車はもう下値は限られている


■ITアウトソーシング

 このところBRICs各国の株式市場の中では中国とならんでインドの下げがきついです。そこで今日はインド株式市場のセクター別の株価水準を点検してみたいと思います。先ずインドを代表するITアウトソーシングのセクターですが、株式市場のセンチメントはよくありません。この理由はインドのITアウトソーシング企業にとって米国の金融セクターは良いお客さんなので、最近のように米国の銀行や証券の経営が揺れると注文の減少などの悪影響を蒙ると考える投資家が多いからです。具体例で見るとインフォシス(INFY)の場合、2007年12月期決算の売上高に占める銀行・証券からの売り上げ比率は29.5%であり単独のセクターとしては最大です。

インフォシスの顧客業種別売上シェア

 インフォシスの顧客全体のアンケートで見ると今年のIT予算は前年比で+6%程度の増加を予定しています。これは去年の数字(+8%)より少し低く、やはり景気後退の兆候を見て米国企業がIT予算を絞り込もうとしている態度が伺われます。
インドのGDP成長率の見通し

 インド全体のGDP成長率はどうでしょうか?2月28日に発表された第3四半期(12月期)のGDP成長率は8.4%でした。これは第2四半期の8.9%から減速しています。ちなみに去年の第3四半期は9.1%でした。この流れから考えて今年のインドのGDP成長率は8.2%程度になると予想されます。去年9%以上で成長したことを考えると確かにスローダウンですが、それでも立派な数字だと思います。ただ、インドは農業など世界経済とは無関係なセクターが経済に占める比率が高いので、企業部門だけを見ると減速はもう少し顕著であると考えられます




 実際、前回世界の経済が減速局面に入った2002年にかけてのダウンサイクルではインドの株式市場はほぼ半値になりました。但し当時はミレニウムで年号の下三桁が000になるので旧式なコンピュータが停止するのではないか?という懸念からIT関係の仕事に特需があって、インドのIT関連株も人気化したこと、更にドットコム・ブームでハイテク関連企業の株価評価が極端に高かったという特殊事情があります。ですからそのときのITセクターと現在のITセクターを比較する際には少しその事情を考慮する必要があるように思います。それを断った上で、2002年秋の、インド株式市場のPERがボトムをつけた際の各セクターのPERと今現在のインドの各セクターのPERを比較して、若し仮にいまのインドの各セクターが前回のボトムの際のPER評価まで下がったとすると、それぞれのセクターが何パーセント下落するか?というのを計算したのが下のグラフです。

インド株式

 これで見ると既に薬品は2002年の際の底値のPERと同じ水準になっているのでもう下がらないと考えることが出来ます。その意味では自動車セクターなども余り下がらないと思います。その反面、最近まで極めて人気の高かった銀行、エンジニアリング、通信、金属、石油などのセクターはまだまだ大きな下値余地があることがわかります。最後にITアウトソーシングについては現在の段階で既に前回のボトムの時のPERより既に25%程度も割安になっていることがわかります。





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最終更新日  2008年03月21日 18時30分08秒


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