2008年05月07日
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 同社は機体キャパシティー、旅客数などの指標で見ると中国最大の航空会社です。また安全運行のトラックレコードでも中国で第1位です。同社は広州と北京をハブ空港としています。売上高構成比は国内旅客が74.9%、海外旅客が14.1%、貨物が6.8%、香港・マカオ旅客が2.0%、その他2.2% となっています。

 2006年から2007年にかけての旅客運行キロ数(RPK)は17.5%成長し817億RPKに達しています。一方、キャパシティーの指標である座席キロ数(ASK)は同期間に13.1%成長し1097億ASKに達しています。キャパシティーの増加より旅客運行キロ数の伸びの方が高かった為、ロードファクター(稼働率)は2006年の71.7%から2007年は74.5%へと改善しています。さらに顧客単価を加味したイールドで見ると2007年は 0.61人民元/RPKと2006年の0.60人民元/RPKより若干改善しています。

 つまり同社は中国の経済成長そのものよりかなり早いペースで業容を拡張しているわけですが、その拡張に合わせて旅客数もきちんと増えており、収益を犠牲にしていないということです。同社の営業費用のうちフライト運行費用は54.9%を占めており、その中でもジェット燃料費は63%を占めて最大の支出項目です。2006年から2007年にかけてのジェット燃料費の増加は13.1%であり、便数の増加などを考えた場合、この増加率は極めて低い気がします。その理由は中国政府がジェット燃料を価格統制している為であり、国際市況の実勢とはかけ離れていると考えられます。ただ今後、原油価格が若し下落し、ジェット燃料の国際市況も沈静化すれば大幅な価格改定で収益性が損なわれるリスクが減ることから同社の株価にとってはプラスに働くと考えられます。


 ■チャイナ・デジタルTV(ティッカー:STV)

 同社はケーブルテレビのデジタル化を促進するアクセス制限ソフトウエアを作っている会社です。中国ではケーブルテレビ自体は既にかなり普及しています。現在1.48億世帯がケーブルテレビに加入しており、毎年、少なくとも1000万世帯程度この数字は増えています。しかしそれらの多くはデジタル対応になっていません。デジタル対応の普及率は7%に過ぎません。中国政府は2015年までにデジタル化を完了し、アナログ放送を終わらせる計画です。北京五輪はデジタル化を促進するひとつの契機です。

 デジタル化するには放送局の側の、所謂、ヘッドエンドと呼ばれる機器をアップグレードするとともに各家庭のセットトップ・ボックスにデジタル信号を解読するスマートカードを差し込む必要があります。同社はヘッドエンド側の装置とスマートカードの両方を作っていますが売上の9割はスマートカードから発生します。

 現在、同社のマーケットシェアは51%で圧倒的に首位です。スマートカードの価格は安定的に推移しています。同社の営業マージンは54%であり、これは近年の数字に照らしてやや見劣りする数字です。販売管理費などの急増がマージン悪化の原因です。この他エレクトロニック・プログラム・ガイドのビジネスを立ち上げるためにその分野での研究開発費を積み増したりしているのもマージンを圧迫しています。同社の場合、売上成長の数字は顧客であるケーブルTV 会社のデジタル化計画が事前にわかっているため比較的予想しやすいです。従って費用をいかに厳格に管理するかが経営のポイントになります。


 ■シー・トリップ(ティッカー:CTRP)



 ホテル予約部門では予約全体の約半分が大都市のホテル、残りの半分が地方都市のホテルの予約です。成長率で言うと地方都市の予約の成長の方が高い成長を示しています。このため当面は地方都市での業務提携先を積極的に拡充する戦略をとっています。いまのところ約6000のホテルと提携関係にあります。

 一方、中国の航空業界自体は年率15%程度で成長しています。従ってシー・トリップの成長率はエア・トラベル自体の成長よりかなり早いスピードで成長しているわけです。現在同社は内外の75のエアラインと提携しています。

 同社のウエブサイトに登録している顧客数は4200万人であり、これは2006年年末の3600万人から増えています。同社のグロスマージンは 81%で、これは去年の80%から若干改善しています。同社は特に営業費用などの管理が行き届いています。今期の税率は7%と通常よりかなり低かったです。但しこの税率は今後また上昇する可能性もあります。なお心配された豪雪の影響はほとんどありませんでした。但し今年の旧正月はとりわけ寒かったので例年より旅行自体が若干低調だったと報告されています。今日紹介した銘柄のうちシー・トリップだけが新高値を更新中です。





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最終更新日  2008年05月08日 13時59分06秒


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