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2008年09月01日
第139回 新興国の携帯電話株の下落について
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カテゴリ未分類
今日のまとめ
1. 新興国の携帯電話株は軒並み売られた
2. この結果、携帯電話株は市場平均とほぼ変わらない水準になった
3. 中国の携帯電話のストーリーはまだまだ終わっていない
■冴えない新興国の携帯電話株
新興国の携帯電話株が下落しています。これらの銘柄の多くは去年の11月から年末頃にかけて高値をつけた後、ダラダラ安の展開が続いています。
これらの株価が下げているのにはそれぞれ個々の事情があります。しかし全体に共通することもあります。新興国へ投資する際、携帯電話株に投資するというのは誰もが真っ先に考えることです。なぜならその国の経済の発展や可処分所得の上昇を買う場合、携帯電話は格好のプロクシー(=代理手段)を提供するからです。
そのことは逆に言えば投資資金が引き揚げられる際には携帯電話株からも資金が逃げることを意味します。比較的流動性の高い事があだとなって利食いの対象とされているわけです。
■もはや割高ではない携帯電話セクター
EPS成長率
PER
2008年
2009年
2008年
2009年
携帯電話セレクター
23%
17%
12.5
10.5
新興国平均
25%
15%
10.5
9
■国によって大きく異なる事情
さて、どの新興国の携帯電話の株も一様に下げているので、皆、状況が同じか?と言えば、それはそうではありません。例えばロシアの場合、既にモスクワなど都市部の携帯電話の普及率は数年前に100%に達しています。ロシアの場合、ひとりの個人が複数のSIMカードを所有しているため、統計が歪曲されている面があるのですが、それでも「市場は既に飽和している」と考えて間違いないでしょう。
一方、中国を例にとると、今年、ちょうど携帯電話普及率が50%に達すると見られています。投資家心理からすれば「まだ50%に達していない」が急に「もう50%を超えてしまった」に変わる場面であり、将来の成長余地に関して悲観論が出やすいひとつの通過点だと思います。しかしロシアのモバイル・テレシステムズ(ティッカー:MBT)やヴィンペル(ティッカー:VIP)の例に見られるように普及率が8割くらいに達した後からでも株価がズンズン伸びたケースもあります。それらはキャッシュフローの伸びなどの財務的な面を市場が評価した結果ですが、要するに株価の「切り口」は幾らでもあるということです。
■中国の携帯電話市場の近況
さて、中国では携帯電話の通話量の成長率が夏場にかけて減少し、これが投資家の不安を招いています。しかし年々、母数が大きくなっているわけですからこの程度の減速はむしろ避けられないと考えるべきでしょう。
中国の携帯加入者の会社別シェアを見ると中国移動(チャイナ・モバイル)が圧倒的に強いです。下のパイ・チャートは最近発表された中国の通信業者の再編成を加味した後の各社の去年の市場占有率です。
今後、各社は3Gのサービスを開始するので中国移動の「ひとり勝ち」の構図が崩れるとする見方もありますが、本格的に3Gが加入者獲得争いを展開するのは2年近く先の話だと思いますから、当分は地方での加入者の増加が市場占有率に最も重要な影響を与える要因だと考えられます。最近発表された中国移動の決算でも新規加入者のトレンドは安定していました。
ユーザー単価が下がったのは地方への展開を繰り広げていることで、単価の低いユーザーの比率が上がっていることが原因だと思います。
今後はロシアなどの「携帯普及先進国」が経験したシナリオ同様、中国でも通話時間の伸張や財務効率の改善などが株価を刺激する材料となるでしょう。
実際、中国移動の営業キャッシュフローはたいへんきれいな形で伸びてきています。
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最終更新日 2008年09月16日 17時14分44秒
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