今日のまとめ
6月第1週を境にユーロ安に歯止めがかかった
米国投資家はドルが堅調なときは工業コモディティーや新興国株式を敬遠する
現在はドル安局面なのでリスク・トレードが好まれる
一層の金融の引締めはもはや必要なし
ドル安
今年の上半期の世界のマーケットにおける大きなテーマはギリシャ問題に端を発するユーロ安でした。しかし欧州連合(EU)が国際通貨基金(IMF)と共同で総額1兆ドルにも及ぶ救済プログラムを発表した事、ストレステストを実施することで投資家を安心させるなど、いろいろな方策が打ち出されました。またこのところ欧州から出てくる経済指標は意外に強いものが多かったです。
この結果、ユーロは6月第1週あたりを境に反発に転じました。
これとは対照的にこのところアメリカから出てくるマクロ経済の指標は相次いで市場コンセンサスを下回り、米国の景気回復が踊り場にさしかかっていることを感じさせました。
このためドルはズルズルと下げ、年初来の上昇分のほぼ半分を吐き出した格好になっています。
為替と投資家の態度
さて、ドルの動きは米国の投資家の投資態度にどのような影響を及ぼすのでしょうか?
米国の投資家はドルが堅調なときは余り海外の株を積極的に買おうとしません。同様に原油や金(ゴールド)や工業コモディティー(=銅など)、新興国株式などは敬遠します。
原油は国際間の取引がドル建てのため、ドル高になるとそれだけ「割高」になり、販売量が減少するという先入観があります。それは需要減を招き、ひいては原油安を招くという理屈になるのです。
これはドル建てで取引される他のコモディティーにも大体当てはまる論理です。
別の言い方をすれば、ドルとこれらの資産との間には事実はどうであれ「逆相関の関係がある」と信じられているわけです。
ドル安局面で原油や工業コモディティーや新興国株式を買うような投資ストラテジーのことを運用の世界では「リスク・トレード」と称します。
いまはドル安局面ですから、市場関係者は「リスク・トレードは復活するのか?」という事に注目しはじめているのです。
リスク・トレードは復活するのか?
そこで実際に主なリスク・トレードの対象が6月7日のドルの天井をつけた日以来、どのように動いてきたのかを見ることにします。
このグラフを見ると金(ゴールド)を除くリスク・トレードの対象はいずれも上昇していることがわかります。
金(ゴールド)はソブリン(=政府)の信用が低下したとき、投資家が逃げ込む対象として買われてきました。しかしギリシャ問題が鎮静化したという認識が広まったことで、人気には陰りが出ています。
結論としてリスク・トレードは復活しつつあるし、ドル安局面が続く間は暫くこの傾向は持続すると考えられます。
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