今日のまとめ
理想的な投資環境の新興国株式市場
2012年の新興国株式市場は理想的な投資環境下で良いパフォーマンスが期待できると思います。私がそう考える理由は
によります。
政策金利
2011年の新興国株式市場を振り返った場合、各国の中央銀行はインフレと格闘を続けてきました。下は中国の消費者物価指数と生産者物価指数のグラフです。

このグラフに見られるようにインフレを抑え込むのにほぼ成功したと言えます。
現在のところ主要な新興国ではインドだけが未だインフレを抑え込むのに苦労していますが、それ以外は金融緩和局面に入っています。これは株式にとって良いニュースです。
株式のバリュエーション
今年の一株当り利益予想に基づいた現在の各国の株価収益率は下のグラフのようになっています。

どの国の株価収益率も過去のバリュエーションと比べて適正な水準にあります。リーマンショック直後に新興国の株価が急落したときの瞬間的安値を除けば、現在の新興国の株価収益率はBRICsブームに火が付いた2003年以来、最も低い水準となっています。
とりわけ中国株は割安感が強いと思います。
成長
これだけ株価が割安放置されているということは成長に対する懸念があるからに違いありません。そこでこの点を検証しておきます。
まず各国のGDP成長率に関するコンセンサスは2011年の夏頃(青)からかなり下がってきました。

しかしユーロ圏の落ち込みが激しい一方で日本を除くアジアなど新興国の減り方は比較的小さいです。
各国の一株当り利益の成長率は次のようになると予想しています。

あくまでもザックリとした尺度ですが、各国の株価収益率(上から二番目のグラフ)を各国の一株当り利益成長率(上のグラフ)で割り算し、それが1以下であればPEG(Price to Earnings/Growth)レシオでは「適正」という評価を下す事が出来ます。
例えば中国の場合
9 (株価収益率) ÷ 10 (一株当り利益成長率) = 0.9
という具合です。
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