今日のまとめ
精彩に欠けるブラジル経済
このところブラジルの経済に元気がありません。
去年の前半、ブラジルはインフレに苦しみました。このため金融引締めにより物価安定を目指すことがブラジル中央銀行の主な関心事でした。
その物価は下のチャートに見られるように9月を境にピークアウトし、その後、鎮静化に向かいました。

ブラジル中銀はこれを受けて7月21日から8月31日までの期間に適用された政策金利(SELICレート)12.50%を天井に、それ以降、これまでに5回に渡って利下げを実施してきました。
3月7日のCOPOM(金融政策委員会)で発表された政策金利は一気に75bpの引き下げで9.75%となっています。つまりピークから合計で275bpの利下げがあったわけです。
実態経済の動向
しかし今のところブラジル経済は未だ減速中です。下は鉱工業生産です。
製造業設備稼働率は2月に少し反発を見ました。

また事業主信頼感指数も1月から上向き始めています。

ブラジル政府はIOF(金融取引税)の一部強化やレアル安演出の為の為替介入などを通じて輸出業者の支援に乗り出しています。
ブラジルは歴史的に欧州との貿易上のつながりが密接で、また近年では中国とも急速に貿易を拡大しています。しかしそれらの両方の地域の経済が減速していることもあって先行きは予断を許さない状況です。
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