今日のまとめ
ブラジル
ブラジルの8月の製造業購買担当者指数は49.3でした。これは7月の48.7から改善したことになります。
内訳を見ると新規受注は8月も下落しました。これは年初からのトレンドが未だ続いていることを示しています。ただ下落の幅は小さくなっています。
輸出の受注は8月も下落しました。これは4月以来の下落トレンドが未だ続いていることを示唆しています。工場は生産を絞り込んでおり、完成品在庫も少し減りました。雇用も減少しています。材料費は再び上昇しはじめており、これはメーカーのマージン圧迫要因になると思われます。
ブラジルはこれまで中央銀行が相次いで政策金利を下げてきたので、その効果が出るかどうか様子を見る局面にさしかかっています。他のBRICs諸国に比べると今回のブラジルのトレンドは良かったと言えます。
ロシア
ロシアの8月の製造業購買担当者指数は51でした。これは7月の52から若干悪化したことを意味します。
新規受注は過去11カ月連続して増えたことになりますが、今回は改善幅が小さかったです。その原因は輸出の受注が2月以来、初めてマイナスになったことが影響しています。仕入れコストは上昇し、過去10カ月の高値を更新しています。
インド
インドの8月の製造業購買担当者指数は52.8で7月の52.9から若干悪化しました。
停電の影響にもかかわらず生産指数は拡大中です。輸出受注は先月に続いて少し減少しています。完成品在庫は少し増えています。材料費の上昇プレッシャーは依然存在します。雇用は若干拡大しています。
中国
中国の8月の製造業購買担当者指数は47.6でした。これは7月の49.3を大幅に下回る数字です。これで中国の製造業のセクターは10カ月連続して先月比でマイナスを記録してことになります。
現在の水準は2009年3月以来、最も悪い数字です。生産指数は先月比でマイナスを記録しました。新規受注は今月も減少しており、しかも減少幅が大きくなっています。輸出の受注も鈍化しています。手持ちの受注残も減っています。企業は雇用を減らすことでこれに対応しています。
総括すればBRICsの中でも中国の内容の悪化がとりわけ顕著です。悪化のペースに弾みがついている印象なので、目が離せないと思います。
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