今日のまとめ
貿易統計
中国の8月の輸出は前年同月比+2.7%の1,779億7,300万ドルでした。因みに7月の成長率は+1%でした。
輸入は前年同月比-2.6%の1,513億1,300万ドルでした。因みに7月の成長率は+4.7%でした。
このところ中国の輸入は3カ月連続で極めて低い伸びを示しています。中国は大量に素材や部品を輸入し、それをテキパキ組み立てて、再輸出するという、いわゆる加工輸出型経済です。従ってこのところ輸入が低い伸びを示しているということは、将来の輸出の数字も数カ月に渡って低迷を免れないことを示唆しています。
輸入が振るわない一因は既に完成品在庫が積み上がっているため、在庫整理を進めたいという意向が中国の製造業にあるからです。折から欧州を中心に先進国の需要は弱いです。従って在庫整理には時間がかかると見ておいた方が良いでしょう。
小売売上高
中国の8月の小売売上高は前年同月比+13.2%でした。因みに7月は+13.1%です。これは半年ぶりに中国の小売売上高の成長率が前月比でアップティックを見たことを意味します。しかし+13.2%という水準はまだまだ極めて低迷した状態であることには違いありません。
中国は先進国よりも社会福祉制度が充実していません。消費を活性化させるためには、先ず国民が病気になったときや失業したときにも、月賦の支払いに困らないだけの補助が政府から出るという安心感が必要になります。これは短期間で整備できるものではありません。また社会福祉制度が整備された後も、消費者のお財布の紐が緩むまでには、暫くの様子見の期間が必要になると思います。これらのことから、目先消費が中国経済のけん引役になるという可能性は低いと思います。
PR