今日のまとめ
年次協議報告書が提出された
国際通貨基金(IMF)がトルコに関する年次協議報告書(Article IV consultation)を提出しました。
GDP成長は減速
トルコのGDP成長率は内需の成長の一巡で減速しています。2012年第2四半期のGDP成長率は+2.9%にとどまり、去年の第2四半期の+9.1%から大幅に減速しています。
内需の減速は個人消費の減速ならびに投資の鈍化が原因です。
貿易ならびに経常収支
トルコは慢性的な貿易赤字体質となっています。景気が若干、減速したことで輸入(赤)は頭打ちになっています。その一方で輸出(青)は中東・北アフリカ向けを中心に堅調です。
この結果、2012年のトルコの貿易収支は2011年に比べて若干改善すると見られています。
トルコは大幅な貿易赤字を外国から流入する投資資金によっておぎなっています。それでも経常収支は慢性的な赤字です。
トルコは貯蓄率がGDPの14%に過ぎません。この貯蓄率の低さが外国からの資本への依存につながっています。
景気が良いときは投資資金が殺到し、結果としてトルコ・リラが割高となり、逆に景気に変調をきたすとすぐにホットマネーが逃げてゆくというプロシクリカル(=景気循環を一層誇張すること)な傾向を示しています。
物価
トルコは景気の強さに比べて政策金利が低すぎるため、慢性的なインフレ体質になっています。
まとめ
投資対象としてのトルコは、いわゆる高金利国であり、一見すると魅力的であるように映ります。しかし魅力的な利回りになっている背景には、常に身の丈以上の消費をし、しかも貯蓄率が低く、海外から流入する資金にやりくりを依存するという、その日暮らし的な体質があります。ブーム&バスト的な乱高下を運命付けられた市場であることを念頭に置きながら投資することが望ましいと思います。
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