2007年08月02日
XML
カテゴリ: 外国為替
 為替レートが大きく動いている。 米ドルの対円レート

 なかでも、最もホットなのが外国為替保証金取引(FX)。最近では、FX業者間でも顧客獲得のための競争が激化しており、各社、さまざまなサービスを打ち出してきている。
なかでも注目されるのが、取引コストの引き下げとレバレッジ倍率の上昇に係わる競争だ。

 従来、外貨建金融商品といえば、外貨預金が個人向けとしては最も手軽だったが、ネックは取引コストの高さだった。米ドルの場合、1ドルにつき往復で2円の為替手数料が取られる。仮に1ドル=124円だとすれば、そのコスト負担率は1.6%にもなる。これでは、いくら外貨預金が円建て預金に比べて金利が高いといっても、コスト負担分で相殺されてしまう。

 ところが、FXはそもそも為替手数料が、高くとも往復で10銭程度。非常に低廉なコスト負担で外貨を取引できることから、個人の人気を集めてきた。

 最近では、FXの顧客獲得競争が激化したため、FX会社のなかには為替手数料をゼロ円にしているところも少なくない。為替手数料をゼロ円にして、どうやってFX会社は儲けるのかという疑問も出てきそうだが、FXは基本的に外貨の売りと買いの2本値を提示しており、この差(スプレッド)がFX会社の収入になる。そのため、為替手数料をゼロ円にしても経営が成り立つというカラクリがある。

 もちろん、為替手数料をゼロ円にする代わり、スプレッドが大きいようであれば、何のメリットもないが、スプレッドが常識的な範囲で、かつ為替手数料がゼロ円というFX会社であれば、それは利用者にとって望ましいともいえる。

 一方、FX会社は為替手数料の引き下げとともに、レバレッジの最大倍率を引き上げることも、顧客利便の一環として考えているフシがある。なかには最大200倍ものレバレッジをかけられるFX会社もある。



 少額資金でしか運用できない人でも、大きなリターンを得るチャンスがあるということで、より高いレバレッジを求める声があるのも事実だ。FX会社間の競争が激化しているだけに、いずれ300倍、400倍というレバレッジを設定できるFX会社も登場するかもしれない。しかし、これだけのレバレッジをかけて、きちっと利益を積み重ねられる投資家というのは、ごく一握りの人たちだ。

 往々にして、「為替手数料ゼロ円!最大レバレッジ200倍!!」などと、広告にうたうFX会社もあるが、こうした数字情報にはあまり踊らされない方が良い。少なくとも、為替手数料ゼロ円は歓迎したいところだが、レバレッジの高さを競われても、利用者にとっては無暗に高いリスクを負わされることになりかねない。自分の身の丈にあったリスクを取って、運用するようにしよう。

(金融ジャーナリスト:鈴木雅光)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2007年08月02日 11時20分27秒


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

プロフィール

Infoseek マネーコラム

Infoseek マネーコラム

カレンダー

バックナンバー

2025年11月
2025年10月
2025年09月
2025年08月
2025年07月

コメント新着

コメントに書き込みはありません。

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: