2007年10月18日
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日経平均株価


■東京市場はエマージング国型・・・外国人に過度に依存

 委託売買代金(3市場)に占める外国人投資家のシェアは、2003~05年の間は平均で46%台と比較的安定していましたが、昨年には過半を越え、今年に入ってからは60%を上回り、過去最高の水準にまで拡大してきています。特に相場が波乱商状を示した8月には65.7%、9月には64.6%と異常なまでの高まりを見せました。外国人の売買比率が高いということは、外国人が月間ベースで市場2番目の大幅な売り越しを記録した8月に相場が急落したように、株価は外国人の動向次第ということになってしまいます。外国人に過度に依存する市場構造は、エマージング国型といっても過言ではなく、脆弱な市場と考えられなくもありません。

 このような外国人偏重型の市場となってしまった要因の一つは、国内の個人投資家の市場でのプレゼンスの低下にあると思われます。2003年に相場が反転してからの個人投資家は外国人と共に車の両輪となって、東京市場を牽引してきましたが、2006年1月のライブドアショックを契機とした新興市場の崩れから、徐々に力をそがれ、個人のシェアは2005年の38.0%をピークに2006年32.4%、今年に入ってからは26.5%と過去5年では最低の水準まで低下してきています。多様な相場観を持ち、市場に厚みを加える重要な役割を果たす個人投資家の勢いのなさが、グローバルで見ても最も低迷している東京市場の弱さの主因であると考えられます。


■委託売買代金(3市場)に占める外国人・個人のシェア(%)

外国人 個人
2003年
46.1
27.4
2004年
47.9
31.8
2005年
45.1
38
2006年
54.2
32.4
2007年
60.3
26.5
(注)2007年は1~9月実績


■上値を追うには不足気味の市場エネルギー、年明けを待ちたい

 安値を記録した8月17日以後、直近までの 東証一部 の一日平均の売買代金は2.5兆円と、年初から9月までの同平均売買代金3兆833億円と比較しても、盛り上がりに欠けることは明らかです。株価が17,000円の大台を固め、18,000円から年初来高値を目指すには、足元のエネルギーでは力不足の感は否めません。市場活況の一つの目安とされる売買代金3兆円が上値を追うための必要条件であり、それには国内投資家特に個人投資家の復活が不可欠だと思われます。

 株価の数カ月単位での循環を説明するのに有用な100日移動平均線は、現在も低下中です。この100日線が低下中の場面では、株価の頭が重たいというのが経験則です。現在の株価水準を前提に考えると、100日線が底入れするのは来年の年初ということになります。重石が取れて、株価の足取りが軽くなる可能性が出てくるのは、早くても年明け以降ということになると考えます。

(マーケットアナリスト:貴浩志)





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最終更新日  2007年10月18日 10時06分01秒


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