2009年06月の記事一覧 | King of a suicidal explosion

オレはなんでデミグラスソースに拘り続けるのか

会社に入って１０年程経った頃、全く業務の違う部署の部長から業務の依頼があった。違う部署とは言え、名前も顔も知っている尊敬できる人物だった。仕事には厳しいが、それでいて人情に厚く、部下を大事にしていたように思えた。自分の経験を生かしてプロジェクトに参加してほしいとのことで、自分では決められないので部署同士の話し合いでこの参加が決まったのだが、規模からしてもう１人ということで新入社員を参加させることにした。だだっ広い野っぱらに博覧会のようなものを作るのだが、パビリオンと呼ばれる施設が３棟、その中身に２階建て住宅の「内側」だけ作ったり、ステージやらシアターやら作るというもの。（集客的には失敗になってしまったが・・・、ちょうど今くらいの時期が現場の追い込みだっけ）当然他にもメンバーはいるが、打ち合わせで決まった内容が図面でやってきて、それを制作図という、どういう構造で、どんな風に作るという直接現場に指示するものを作り、見積を行い、業者と打ち合わせ・・・を何度も繰り返した。５月のゴールデンウィークもなく、徹夜で見積を行い、ホワイトボードにはＧＷあと○○日、見積あと○○箇所と書いておき、見積しながら寝てたというのが何回あったろうか…今ではもうできないな。まぁ、こういう仕事こそ記録じゃない記憶に残るんだが。ＧＷが終わって、見積ができ、一段落ついたところでプロジェクトルームで出社早々突っ伏して寝ていたところ、件の部長が見積を出し終わって帰ってきた。業務時間に寝てたら怒られると思い、新入社員もたたき起して挨拶をしたのだが、寝てたのはしっかり自分も見られた。部長はオレたちの労をねぎらい、一緒に昼を食べにいかないかと誘ってくれた。会社の周辺には食べに行くところがないので、駅の方まで行って間口半間（ホント）のカウンターのみという店に連れてこられ、丸太でできたカウンター椅子に座ると、ここのハヤシライスは旨いんだと有無を言わせず注文。（一皿　1.000円！）出てきたハヤシライスは具がすっかり溶けて液体となっており、サラダなんかもつかず出てきた。ただ、匂いが違っている。確かにハヤシライス、デミグラスの匂いなんだが、食べてみるとほろ苦く、それがまた味の凝縮みたいで、肉やら野菜やら具なんてどうでもいい。この液体だけでご飯が食えることに感動した。そのとき、デミグラスソースはこの苦みで決まると思ったよ。これまでいろいろな市販のものを買ってきたが、こういう苦みを持ったものには出会っていない。当然０から作れないので、市販品に苦みの素になりそうな、ワインとかスパイスとかいろいろ試して煮込むだけ煮込む（ここだけは合ってると思う）ができない。いまだに。もしかしたらあの苦みは焦がしたものかとと考えて、固形のシチューの素を炒ったりもした。そして、いつもデミグラスソースを作るときには、あの味に会えるか試しながら工夫をしているがタマに失敗すると、家族が食うもんだからケチャップで薄める。その部長は、それから数年して国家的行事の下で、病を押してこれを成し遂げ、終わった打ち上げ中に病状が悪化し、そのまま帰らぬ人となってしまった。まさに、この人らしい逝きかただった。プロジェクトが解体してからも、ずいぶん世話になった。今、自分が同じ立場でやってる仕事も部長から得た部分は多い。ハヤシライスを食べさせる店はまだある。でも行かない。部長との想い出も辛いし、どうせ食べても涙の味でわかんなくなるから。ここまで書いてても辛い。涙が出てくるくらいだから店になんか行けない。だから、今ここにいる自分は直接部長を思い出して感謝するのではなく、違った使命をもってデミグラスソースに挑む。これからも。

オレは間違っているか！

まず、こんな記事があった。http://news.www.infoseek.co.jp/topics/society/n_power_harassment__20090614_4/story/14gendainet02041523/確かに自分もサラリーマンだし、こういう一方的な書き方だと「そりゃ、ひどいっすね」ということになるのだが、じゃあ、こんな場合はどうなんだ？ちょっと前のことだが、ある会議に招集された。メンバーにある人物がいた。歳はオレより上だが、組織的には下の者。こいつは管理職でありながら、上司の指示（命令）を聞かず、自分が納得しない仕事はしないし、したくないらしい。相手を立てて意見を求めると、批判、非難の繰り返しでちっとも建設的な意見を出さず、人を見下した態度で迫る。ワケのわからんカタカナ英語で鼻高々に持論を展開するクセ者である。こいつを会議に呼ぶと、まず（事前に趣旨の説明がされるにも関わらず）中盤にこいつはこの会議はどういうものか？の類の質問をしてくる。会議では結論が必要だが、そうそそう一直線に全会一致のものが出るはずもなく、紆余曲折、議論が必要なものだが、それを根底から覆す、というか、こいつにまた趣旨の説明をするわけだ。つまり、こいつを宥めすかす時間をとることになる。ただし、他のメンバーは趣旨を完全に理解している。そんなわけで、その会議でも案の定というか今まで苦渋を飲まされて来たので、当然想定できたわけで、こんどこそぶっ潰す！という気迫で臨んだ。（だって時間の無駄）自分の資料の披露と分析を終え、資料を渡しうちの部下の補足資料の説明に入ったところでそれは起きた。「これって、勉強会？」（てめーはそんなにエラいのか？）そういうことではない。こちらの部でデータを集積、分析したシミュレーションを会議席上で他部門に提供する場で、必要ならばもっと資料は提供するよ。検討するならここでね。の会議。こちらのデータはこいつに収集できる類のものではない、極秘の重要事項。このインネンにすでにぎりぎりと弓を引き絞っていたオレの反応は早かった。「ケンカ売ってんの？」あたりは緊迫度を増す。普段はヘラヘラしてるのに、ここのところ新入社員の研修で怒鳴った、態度の悪い社員を叱りつけたなどコワいイメージを構築しつつあることを回りは知っている。この会議の後、こいつを喫煙室であまり見なくなった。まぁ、怖がってどっかで・・・とまだ良心的に思ってたのだが、席に不在の時間が多くなり、連絡も取れずに探し回る者も現れた。まぁ、多少の責任は感じたよ。朝も来ないで、イキナリ行き先に直行とだけ書かれ（こいつが書いたものではない）、更に時間も記されていない。管理職だぜ。一応。周りの社員の手前もある。そういう事態である報が入る。「いつも喫茶店で本読んでるんだけど、仕事してんの？」は？信じたくないし、同じ本部でフロアは一緒だが、うちの部ではないんだが、一応責任を感じて独自に調査。結果は午前中２時間、午後２時間。確かに喫茶店（外から丸見え）で読書だ。仕事上、読書が悪いと言ってるわけではない。コイツに不満があるのも協調性が欠如しているから注意したんだ。で、これか？いい歳して、組織に馴染まない。説明してもこれを直さない。そんな人間が組織に必要か？自分で好きにやるなら組織に属することはない。一人でやればいいんだ。苦しい台所事情の会社にあって、こんな社員（管理職）は自分も管理職であるために許せない。今は個人が好き勝手やってる時期ではなく、みんなは知恵を絞って生きる手段を考える時期なのはわかってるだろ？それでもできないのは、会社にいてもいいことない。このような「指導」はパワハラですか？まちがってますか？家庭を持ってるかは知りません。でも会社組織の一員であることを考えて行動できないと待遇（評価）も得られません。そういった低い評価でまだ会社にいるのなら、それは寄生です。管理職なので、クビにしても組合が騒ぐこともありません。外堀を埋め尽くして指導です。そんな社員や部下を持ってる人々は世の中にいっぱいいるでしょう。このご時世で、このような「会社不適合者」に対して、発動する「指示」をパワハラなんて言われたくない。パワハラをされたと言える者は、失敗はともかくとして真面目に誠実に仕事をするよう心がけている者にしか認められません。というか認めてやんねーよ。