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湘南電車とは、かつて東海道本線を走った柑橘色と深緑の色をした中距離電車を指すコトバで、沿線に長く暮らす人々にとって強烈な郷愁を呼び起こすらしい。大阪生まれの拙者が、阪急電車を一目見ただけで泣けてくるのと似たやうな現象であらうか。保土ヶ谷から壱号線を少々下った処に、育生会横浜病院と云ふ病院が有る。此処の理事長先生が筋金入りの鉄ヲタで、病院の敷地入口から玄関前まで私設モノレールを作ってしまったと云ふ情報を仕入れた。しかも、塗色をズバリ「湘南電車」に改めたことがニュースになったのである。同じ鉄ヲタとして、どうも一度見たくて仕方なかったので、関内から106系統の乗合自動車に乗って権太坂の現地へ向かったのであります。現地は起伏の激しい丘陵で、モノレール設置の趣旨は患者さんが坂を上り下りするのが大変だからと云ふ現実的な問題から来ゐるさうだ。門前には、確かに停留所的な構造物が見え、丁度モノレールが坂を下りて来た。愛称は「ごんたん」と云ふらしい。権太坂だから?停留所も本格的で、階段とスロープ両方を設置する処が「駅」に相応しい。何とホームドアも完備!モノレールが完全に停止すると、車両のドアとホームドアが開いた!ホームドアが有る湘南電車などとイメージが湧かない。東海道線は取材当時でもホームドア無いですからね。軌道は何だかロッキード式のやうな形状だ。駅の終端には車止めも装備、緩衝装置も完璧ですよ。急行「東海」って何時の時代でせうか。理事長先生、かなりのオールド・ファンのやうです。湘南電車の特徴である「金太郎塗り」も手堅く再現、国鉄時代の郷愁を誘ひます。ホームドアとの隙間で僅かに見えたのが、「東チタ」の文字。田町電車区所属のやうで(笑)。此処までやる人、もう鉄ヲタ以外の何者でもないでせう。此の私設モノレール、工作船展示室に匹敵する「横浜珍スポット」であるのは間違いない。湘南電車の面影丸井横濱のポポンデッタにて近年横浜に住み始めて、たまに「湘南新宿ライン」「上野東京ライン」に乗る機会があるが、長大な編成で二等車を連結する雄姿に、かつて東京駅を発着した「東海道本線=湘南電車」の面影を偲ぶことができる。二等車(現グリーン車)の二階席が快適過ぎた。北関東を行き来するとなると長旅~バウムクーヘンを食べたくなって仕方ないのであります。乗り換え無しに帝都の反対側まで抜けることができる便利さがある反面、ダイヤ乱れで直通運転が中止になり、三等車に乗り換えるハメになったことも。
2026.06.13