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稚内滞在中、資料館にて「旧真岡郵便電信局事件」の展示を拝見する。大東亜戦争末期、ソ連軍による不意打ちの攻撃によって南樺太は地獄の戦場と化した。ソ連軍の無差別攻撃によって民間人が次々と銃弾に倒れる極限状態の最中、真岡郵便電信局に勤務していた女子電話交換手達が、「みなさん、これが最後です。さやうなら、さやうなら」と云う最後の通信を行った後、青酸カリで集団自決したのである。この史実を映画化したのが「樺太1945年夏 氷雪の門」~昭和48年にクランクインした此の映画は、戦闘シーンに陸上自衛隊が協力するなど、リアリティにこだわった力作として前評判も上々であった。稚内市では街をあげて撮影に協力、稚内市内における先行上映では記録的な入場者数であったと云う。「ひめゆりの塔」に匹敵する国民的な反戦映画となるはずだった。ところがだ。此処から「吐き気を催すような」事態が進行する。ソ連側の「クレーム」である。あの国がクレームを付けると云うことは、自国の恥部を暴露された時と相場が決まっている訳で、今回も正しく其のとおりであった。国際法に則り白旗を掲げて降伏の交渉に挑もうとする日本兵を、ソ連軍がことごとく射殺するシーンが「問題」となったらしい。あの国の知的レベルは相当なもので、例えば赤十字の旗などと、攻撃目標にされるだけの話だったことは当時のドイツ軍兵士らが証言している。此の種の国際法違反行為となれば挙げたらキリがないのは近年のウクライナ戦争でも同様で、既にプーチン何某などと「戦争犯罪人」に指定されている有様だ。さて、例のクレームとやらだが、其の矛先が向かったのはあの「東宝」であった。タイミングが悪かっただけかも知れない。当時、東宝は「モスクワわが愛」なる日ソ合作映画を完成させた頃であった。ソ連側は「氷雪の門」を東宝系の映画館で上映したら「モスクワわが愛」の完成フィルムを引き渡さない、などと脅迫したのである。如何にも共産国家らしいやり口だ。東宝側は「ソ連との友好関係を損ねる恐れがある」と「総合的に」判断し、氷雪の門を手掛けた制作会社への劇場賃貸を断ることを決めた。だったら東宝以外で大々的に放映すれば良かっただけの話だが、不可解な現象は此の後にも起きる。興行規模の縮小が全国に波及したのである。其の理由が未だに解っていないらしいのだ。日本社会は、たまに時々こういった現象が起きる。何らかの「空気」が醸成され、誰もが忖度せざるを得なくなるのだ。東宝側の判断は、一企業として間違っている訳ではない。正解不正解で測れない次元のハナシである。株主の為に利益をあげる必要があるし、従業員の雇用も守らねばならない。利害関係者が渦巻く現実社会で妥当な判断を下そうと呻吟したであろう姿も想像できる。然しながら、ソ連側からの「圧力」に毅然とした態度を取らなかったことで、思わぬ波紋をもたらしたことは事実である。其れでは、東宝が「氷雪の門」は見捨てても成功に導きたかった「モスクワわが愛」とは、一体如何程の映画だった云うのだろうか。其の映画のストーリーは、被爆二世のヒロインが、ボリショイ・バレエ団への入団が許され、現地で出会った青年と恋に落ちると云う「所謂メロドラマ」である。メロドラマはやっぱりメロドラマでしかなく、ヒロインが「アメリカの原爆のせいで白血病に倒れる」と云う安直な設定は、モスクワの意向に忖度したような反米プロパガンダが垣間見える。ソ連は、例えば千羽鶴の貞子さんのような存在を、反米教育の恰好のネタとしたことが判明している。病に苦しむ被爆者達が、ソ連の核兵器開発を正当化する口実に散々利用されたのである。モスクワわが愛も、其の一連の流れに酷似した設定であると云えよう。其のことを念頭に置くと、まったくしょーもないメロドラマである。全日本人が見るべき、ひめゆりの塔に匹敵する歴史大作よりも、そっちの方が大事だったとは、如何に当時のマスコミや知識人層が「反米親ソ」の「進歩的文化人」に溢れかえっていたことを割り引いても、まったく残念としか云いようがない。「氷雪の門」が「幻の映画」となったことの代償は大きい。南樺太の歴史が忘れられ、国内で行われた地上戦が、まるで沖縄だけであったかのような誤解を招く結果になったかも知れない。もう過ぎたことは取り戻せないことだが、最後に昭和天皇・皇后両陛下が、南樺太に散った乙女達を偲んで御詠みになられた御製・御歌を反芻し、精神衛生を取り戻すとしたい。御製「樺太に 命をすてし たをやめの 心を思へば むねせまりくる」御歌「樺太に つゆと消えたる 乙女らの みたまやすかれと たゞいのりぬる」そして次に起きたことは稚内駅からバスで宗谷岬へ向かった訳だが、有名な日本最北端云々の記念碑から少し離れたところに、大韓航空機撃墜事件の犠牲者の慰霊と恒久平和を願うモニュメント「祈りの塔」が設置されている。撃墜現場となった樺太沖の海域は、日本では稚内が最も近い場所に位置する。事件当時、稚内の航空自衛隊レーダーサイトが事件の一部始終を捕らえていた訳だ。ソ連軍戦闘機による民間機の撃墜と云う事態に世界が震撼した訳だが、稚内もまた東西冷戦の最前線であることを示した事件であった。ソ連による明らかな国際法違反事件であり、進歩的文化人共もいい加減此の犯罪国家に愛想を尽かしたかと思いきや、 「アメリカが意図的にソ連の領空を侵犯させ、ソ連を罠にかけた」等と主張する輩が出る始末。四十年前の事象を現在の物差しで評しても仕方ない面もあるが、「氷雪の門」に纏わるトラブルとは比較にもならない大事件=つまり269人もの人命が奪われ、日本人28人が含まれていると云う事実をもってしても此の体たらくな訳だから、あの映画はどの道潰される運命にあったことは想像に難くない。平和主義だの人権重視だの、もっともらしいことを並べておいて、最も追及すべき事実にだんまりを決め込んだ当時の知識人層は、まぁ平たく云えば平均的日本国民の写し鏡だったのかも知れない。思い出すだけで恥ずかしいし、ずばり「痛い」訳だが、決して其の恥部を忘れてはならない。そうでなければ犠牲者達の「みたまやすかれ」にならないのだから。
2026.07.20
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北海道開拓使時代に御世話になったS氏と会ふ約束をした。今年は何と稚内が集合場所なのであります。現地での会食は夜なのだが、折角我が日本国が実効支配する最北端の地まで行く訳だから少し観光もしたいので、全日空の羽田始発で出発であります。勿論、新千歳乗り換えを要するのであります。ところが、新千歳の待ち時間が結構長かった。先づは最近出来たらしい四階のラウンジで森彦の珈琲を頂く。珈琲は森彦だが珈琲フレッシュは美鈴と云ふ混ぜこぜ具合がなかゝゝ宜しい。珈琲を啜りながら携帯電話埋め込み式切符↑に何の画像を入れるのが適当か考へた。地の果てへ行ってもバウムクーヘンが食べたくなる人間なので、旅先でバウムクーヘンを食べた画像を入れ込んで食べた気になることにする。よく考へたら此の画像は飛行機ではなく東海道線二等車の画像なり。さて、ラウンジの隣に見慣れない店舗が出来てゐて、雪ミク様の専門店とのこと。雪ミク観音像でも拝んでおいた。有名な「初音ミク」の北海道開拓使預かりのやうな存在だが、要するに「雪をんな」なのであります。店内の博物館は、初音ミクを生んだ偉大なるクリプトン・フューチャー・メディアの歴史がちょっと学べる場所。拙者はとてもボカロの知識までは無いが、もし此の方面の勉強もできたら中森明菜を歌わせてみたい、等と妄想が膨らむ。和装の初音ミクとは珍しい。歌うのはさしずめド演歌か浪曲か、或いは江差追分か。此のやうな見物に気を取られてゐたら意外と時間潰しになった。水無月ながら気温15℃新千歳からボンバルディア製プロペラ機で一路稚内へ。此の機体は、鹿児島→伊丹間で乗った記憶が有る。駐機してゐるだけで「前輪ぶっ壊れて胴体着陸したやうに見える」のが特徴。稚内駅到着後、乗合自動車にて宗谷岬を観光する。繰り返すが、あくまで日本国が実効支配してゐる最北端であり、本来はロシア軍不法占領下の択捉島が日本の最北端。稚内界隈はエゾシカがあちこちにゐる。こんな至近距離で初めて見た。めちゃくちゃデカい。とにかくデカい。奈良の鹿さんの倍以上ある。こっちを睨む鹿さん。眼が合ふとさすがに怖くて、鹿せんべいをあげる勇気は起きない。こんな身近に見られるとは予想外でした。ちなみにエゾシカは近年増え過ぎと云はれてをり、列車の衝突事故だけで年間参千件を超えるとか。もはや次元が違ふ世界なり。
2026.07.18
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日本株・投資信託・外貨MMF・金積立に分散投資する我が「相模太郎ファンド」の令和8年6月30日現在の運用成績は、基準価格19,527圓(評価額を投資額で割っただけの話)。半年前の19,028圓から続伸となった。実は辛勝と云った処で、最近の金急落によって基準価格が急落してゐたが、半年と云ふ長いスパンで見ると結局続伸してゐた。金以外の部門が頑張ったからである。相模太郎ファンドの推移有事の金と云はれてゐたものの、イラン情勢の悪化で逆に金が下落すると云ふ不思議なことが起きた。原因はドルの金利上昇に有るとされ、ドルと金の逆相関と云ふ従来の公式がクローズアップされたかたちだ。金は積み立て最中なので、下がるんだったら積み立て数量増を狙うと云ふ「従来からの姿勢」に変はりない。やはり金は「財産の保険」と云ふ従来の役割に徹すべきで、間違ってもこんな処でスポット購入などやるものではないのだ。近年、各国の中央銀行は金の買い入れを進めてゐるさうだが、長期的な価値保存機能が評価されてゐるのであらう。拙者自身の家庭を「クニ」に例へれば、家計に中央銀行が有ると仮定して金を保有する意義は大きい。不思議な逆相関そして日本株にも奇妙な現象が起きた。長瀬産業、阪急阪神HD、池田泉州HD、東宝、デンソー、これら持ち株が、日経平均株価と逆相関の動きをしてゐるのである。日経平均も七万圓台をつける時代が到来したが、此の株価指標が完全な一人歩きをしてゐて、恩恵を受ける個別銘柄を物色するとなると「投機」のやうになってしまうから怖い。長期投資家が違和感を感じてゐることを指摘する識者も存在し、何だか「桑原々々」と云った処か。阪急が銀行を作るらしい池田泉州HDの株価が堅調だった。面白いことに阪急が銀行業に参入するさうで、銀行の土台は池田泉州銀行が提供するらしい。JR-BANKが楽天銀行を土台にしてゐるのと酷似してゐる。熱烈な阪急ファンとして、銀行の預金者にもなってみたいが、既に池田泉州銀行で外国株の投資信託や人民元の外貨預金を運用し、見事に評価益を出してゐる。しかも「すみれの花定期預金」も壊したくない存在で、過去に「エリザベート」を当てているし、死ぬまでにあと一回当たれば本望だ。なんちゃって銀行はネタとして愉しいが、既に緻密な役割が与えられてゐるメインバンクに代はる存在には当分なれない。死ぬまであと一回は見たい堅調だった401K401kの運用状況確定拠出年金部門は手堅く続伸した。勿論投資信託のオンパレードなのだが、日経平均に連動するファンドも組み入れてゐるし、新興国の株価も堅調だったから、下がる要素が見当たらない。保険として債券投資信託も組み入れてゐる。何時しか債券部門は金利上昇で一方的なマイナスに触れてゐるが、あくまで保険。株価暴落時の「スイッチング」を狙ってゐるのである。川崎大師にお参り仕事も投資環境も世相も何だか混沌とした状況下に有ることも手伝ってか、川崎大師にでも参拝しようと云ふ気になった。神頼みではなく坊さん頼みなのだが、かうして心身を整えた気になるのも悪くない。実は大師線も初めて乗車した。川崎大師以外に用事が見当たらない路線である。鄙びたローカル線のイメージしか無かったが、未だに構内踏切が残る東門前駅から小島新田方面を見ると地下線が伸びてをり、急速に近代化が進んでゐる。其れでも本線に比べたらローカルで、電車もゆっくり撮影できる。結局、京浜急行に乗りたくて川崎大師に行っただけのことで、鉄分吸収で貧血もなく後半戦出発進行!と行きたい。余談だが、アクセス数が1,111,111件となった瞬間を見ることができた。もはやアクセス数の何たるかは薄々分かっている訳であるが、やはりこんな瞬間を見ることができたこと自体が或る意味記念でもあります。
2026.07.05
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