信者数はインド国内で8.3 億人、その他の国の信者を合わせると約9 億人とされ キリスト教、イスラム教に続いて世界で第3 番目の宗教なのです。
日本ではインド教とも呼ばれることもあり 中国、韓国でも「印度教」と呼ばれますが 現在のインドは世俗国家であり国教はなく またインドでこのように呼ばれてはいません。
ヒンドゥー教はバラモン教から聖典やカースト制度を引き継ぎ 土着の神々や崇拝様式を吸収しながら徐々に形成されてきた多神教です。
紀元前2000 年頃にアーリア人がイランからインド北西部に侵入。彼らは前1500 年頃ヴェーダ聖典を成立させ これに基づくバラモン教を信仰。
紀元前5 世紀ごろに政治的な変化や仏教の隆盛がありバラモン教は変貌を迫られ その結果 バラモン教は民間の宗教を受け入れ同化してヒンドゥー教へと変化して行ったのです。
ヒンドゥー教は紀元前5 -4 世紀に顕在化し始め 紀元後4 -5 世紀に当時優勢であった仏教を凌ぐようになり その後インドの民族宗教として民衆に信仰され続けてきたのです。
神々への信仰と同時に輪廻や解脱といった独特な概念を有し 四住期に代表される生活様式、身分(ヴァルナ)・職業(ジャーティ)までを含んだカースト制等を特徴とする宗教です。
三神一体(トリムルティ)とよばれる近世の教義では 中心となる3 大神、すなわち
ブラフマー:宇宙の創造を司る神
ヴィシュヌ:宇宙の維持を司る神
シヴァ:宇宙の寿命が尽きた時に世界の破壊を司る神
3 大神はそれぞれ神妃をもち 夫婦共に多様な化身を持っています。
インドでは仏教はヒンドゥー教の一派に過ぎません。
3 大神は 信者個人の信仰において並立しているわけではないのです。たとえば「シヴァ神」を最高神と崇める人にとって「ヴィシュヌ神」は劣位なのですが 敬うべき神なのです。
この三神は一体をなすと考えられていますが 現在では ブラフマー神を信仰する人は減り ヴィシュヌ神とシヴァ神が二大神として並び称され 多くの信者がおります。
また 神話の中で3 大神の化身と共に活躍する神や3 大神の子神も信仰されています。
なお 三神は多種多様に化身、分身するので画像と説明の不一致があります。
[ ヴィシュヌ神]
●ヴィシュヌ神:世界維持の神。慈愛の神。鳥神ガルーダに乗る。10 大化身と呼ばれる多数の分身を持っています。
[ シヴァ神]
●シヴァ神:創造と破壊の神。乗り物は牡牛のナンディー。トラの皮をまとい首にコブラを巻く。日本では大黒天。
(結跏趺坐し瞑想する姿)
ブラフマー神]
●ブラフマー神:世界創造の神。 水鳥ハンサに乗った老人の姿で表される。日本では梵天。
(ブラフマー神 中央 と神妃サラスヴァティー右)
●ラーマ:ヴィシュヌ神の化身。 叙事詩ラーマーヤナで大活躍。
●クリシュナ:ヴィシュヌ神の化身。 叙事詩マハーバーラタの英雄。民間に人気のある神。
●釈迦:仏教の開祖である釈迦牟尼はヒンドゥー教ではヴィシュヌ神の9 番目の化身とされています。
●ラクシュミ:ヴィシュヌ神の神妃。富と幸運の女神。日本では吉祥天
●パールヴァティー:シヴァ神の神妃。ヒマラヤ神の娘で穏やかで心優しい。
(シヴァ ファミリー)
シヴァを中央に、右にパールヴァティー、左にガネーシャ、右端にスカンダ
●ドゥルガー:パールヴァティーの化身で戦いの神。水牛に化けた悪魔を倒す美しい神像が有名。
●カーリー:パールヴァティーの化身でドゥルガーよりも荒々しい戦いの神。コルカタ(カルカッタ)の地名はカーリーから来ています。
●サラスヴァティー:ブラフマー神の神妃。日本では弁財天。
●ガネーシャ:シヴァ神の子供で象の頭を持つ神で鼠に乗っています。富と繁栄、智恵と学問を司る。日本では聖天。
●ハヌマーン:外見が猿の神。叙事詩「ラーマーヤナ」でラーマ王子を助けて活躍。身体の大きさを自由に変えられるのです。孫悟空の元になったと考えられています。
(ハマヌーンとラーマ)
●ガンガー: ワニ(クンビーラ)に乗る女神
( 河川崇拝)
ヒンドゥー教では河川崇拝が顕著で 水を使った沐浴の儀式が重要視されていますが 特にガンジス川(ガンガー)は川の水そのものが シヴァ神の身体を伝って流れ出て来た聖水とされ 川自体も女神ガンガーであるため「母なる川ガンジス」として河川崇拝の中心となっています。
ガンジス川添いには沐浴場(ガート)が設けられた聖地が点在。
ヒンドゥー教徒は 沐浴場に設けられた石の階段を下りて川の水に頭までつかって罪を清め あるいは水を飲むのです。
その他 菜食主義・聖牛崇拝・ヨーガ有り。牛優先で車が走れない。それに「聖地」が有りましてね。炎天下を裸足同然で巡礼するのです。
(ヒンズー巡礼者)
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elsa.さん
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曲まめ子さん
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alisa.さん