ぜんちゃんの風に吹かれた日々

ぜんちゃんの風に吹かれた日々

2006年01月25日
XML
カテゴリ: ライフスタイル
休日の朝、ボクはけたたましい電話の音で目覚めた。

数分後、今度は携帯に電話が入った。
これは間違いなくMちゃんからのコールだと思ったので仕方なく出ることにした。
「今日、何時に行くの?」
Sさんとの自作曲CD制作の打ち合せにボクはボクのマネージャーとしてMちゃんを勝手に指名したのだ。
「Sさんとこ11時ぐらい…ああ…むにゃむにゃ…」
夢心地のままそういうとMちゃんが言った。
「場所わかんないから乗せていってよ」

ボクはまだ半分眠っていた。
その後、ボクはまた布団に潜り込んでだらしなく約40分間寝た。

タカミネのエレアコを持って行こうか迷ったがやっぱりアリアのアコギに決めた。
Mちゃんちに着いてチャイムを鳴らすと彼は直ぐに愛器のギルドのアコギを抱えさっそうと現れた。
そしてボクらは途中でコンビニに寄りおにぎりと飲物を買ってSさんの作業施設に向かった。

作業施設に着くと鶏舎の鳥が一斉に「ケッコウ、ケッコウ、オオイニケッコウダベ」と鳴いた。
Sさんはニワトリの卵を点検していた。
ボクはMちゃんを簡単に紹介すると早速選んできた自作の三曲の歌詞とコード譜を二人に配った。
「まあ、気軽にセッションしながら組み立てていきましょうか」
Sさんはそう言うと拾ってきたというモーリスのアコギを持ち出してきた。
しかしいまリサイクルショップが流行っているなか、平気でその辺に楽器を捨てるアホがいるのは許せないが、そんなゴミの中で泣いている楽器を保護してあげる優しい人もいるので救われる思いがする。


それにMちゃんが少しずつコードストロークで合わせ時折りコーラスを執り、それを聴きながらゆっくりSさんはいろんなフレーズを試しながらリードギターを重ねてゆく。
「良い曲ですねえ。こういう感じ好きですよ」
Sさんの言葉にボクはほっとした。

イントロ、間奏、エンディングの長さを決めてゆき、それぞれ曲のイメージと音の構成を話し合ってゆく。
Sさんは箸を持ってきてテーブルを叩きながら打ち込みのリズムを考えてゆく。

年齢的にほとんど同じなので音楽的な感性と触れてきた音楽の土壌が似かよっているのだろうか…。
でもそれだけじゃないようだ。Sさんはやっぱり良い人なのだ。
そして俄かマネージャーのMちゃんも適切なアドバイスをしてくれるので実にありがたいのだ。

ボクのいまの演奏スタイルは完全にひとり弾き語りなので「どんな感じにしたいか」と言われても答えられない。
しかしそういう風に三人でなんどもセッションをしているといろんな事が見えてくる。

ボクはトイレに行きたくて外に出た。
しかしどうしてもトイレの場所を探せなかったので敷地から少し離れた崖の上から遠くの美しい景色を見ながらオシッコをした。
夕方が迫り気温が下がってきたのでボクは思わず、ぶるると身震いをした。
高台のがけの上から遠くを見ながらウタを口ずさみ「ぶるる!」は実に男冥利に尽きる。

ボクはSさんがいままでどんな人生を歩んできたのか分からない。
Sさんの名前がちょっと珍しいので聞いてみると両親がクリスチャンだった。
「小さい頃は自分の名前が嫌いでね…。でもいまはとても気に入ってますよ」

この3、4年急激に仲良くなったけれど実際、Mちゃんの過去もよく分かってない。
でもそんなものは関係ないのだ。結局は「いま」なのだ。

「自分を愛するようにあなたの隣り人を愛せよ」イエス・キリストは言った…。
MちゃんもSさんもボクにとってその大事な「隣り人」なのだ。










お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006年01月26日 03時05分37秒
[ライフスタイル] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

バルナバぜんちゃん @ Re[1]:「森永ビスケット・マンナ」(07/16) 五黄の寅1950さん >ぜんちゃん お…
バルナバぜんちゃん @ Re[1]:「森永ビスケット・マンナ」(07/16) Tom-Mamaさん >母上は「筋金入…
五黄の寅1950 @ Re:「森永ビスケット・マンナ」(07/16) ぜんちゃん おひさでつ。せめて森永マミ…
Tom-Mama @ Re:「森永ビスケット・マンナ」(07/16) 母上は「筋金入りの」クリスチャンなんで…

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: