ぜんちゃんの風に吹かれた日々

ぜんちゃんの風に吹かれた日々

2006年09月20日
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カテゴリ: ライフスタイル
市郊外にあるM食堂は広い通りに接しているわりには何故か地味な佇まいをしている。

店内は四つのテーブル席にカウンター席、それに三畳ほどの上がり座敷がある。
おびたたしい数の手書きのメニューがカウンターの上部にびっしりと貼られ調理場はよく見えない。
テーブルに着くとすぐに無表情の娘さんがやって来てコップの水をボクに無造作に差し出す。
そしてこちらが注文するまでしばらくボクの前で黙って立ち尽くすのだ。
そのしばしの緊張感に注文を聞くとまたそそくさと娘さんは調理場に消えてゆく。

三畳の座敷には定番の布袋像や千客万来、真実一路の彫物と布製の訳の分からない掛け軸が並びテレビもない店内には感度の良くないモノラルAMラジオが静かに鳴っている。
だから客の誰もが不思議と声をひそめるのだ。

一般大衆食堂の定番メニューに加えラーメンと御飯のセットメニューが数十種類に分かれている。しかもそのセットメニュー価格はほとんど五百円と安い。
ボクのお気に入りは「ざるラーメン定食」、ごまだれのつけめんが何とも健気に美味くて日替わりのおかずと御飯も家庭的な味わいだ。

ワンコインを支払い店内を出るとまたセンサーが感知して今度は「アリガトウゴザイマシタ!」とテープが流れる。
何となく無味乾燥で人の温もりを感じないけれど、所詮、昼飯なんて空腹を満たすための作業であるとすれば割り切る事も出来る。

再び、昼飯の問題…。
しかし最近のボクはワンコイン(五百円)で食べれれば何でも良いみたいだ。
もうこだわりなんか何処かに捨ててしまったようだ。

でもやっぱりときどき軟弱に少しばかり人の温もりが欲しかったりする。
音楽仲間のクウチャンが吉○家に勤めていることを想い出しその店までちょっと遠出してみた。
豚丼、たまご、味噌汁。四百三十円也。
彼女はすぐにボクに気付いたようで勘定のときにわざわざ調理場から駆けつけてくれた。

えっ?明日?あっ、そうか。明日9月18日は牛丼復活祭だったんだ。
もちろん次の日ボクは牛丼復活祭に出かけた。
2年7ヶ月ぶりの牛丼つゆだく、たまごかけ…。

味だって?そりゃあ、美味かったよ。本当さ。
そして応用の利かないボクはまた今日の昼、いそいそ吉○家に出掛けたのである。










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最終更新日  2006年09月21日 00時36分39秒
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