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2012.06.18
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当時研究部長だった宮脇先生といっしょに、東京大学の秋田喜代美先生の研究室を訪ねる。その年の研究発表会での講演をお願いし、あっさりと断られたのだが、今、振り返ると、この6年間の研究のスタートは「ここ」だったのだと思う。

当時のブログに、「わたし」は次のように書いている。

 **********



「授業がうまい先生は、机間指導の中で、子どもの考えを把握し、それを指名によってつなげていくことができる。このことにより、あたかも「スムーズ」に授業が流れているように見える。しかしながら、その中で本当に子どもたちは理解しているのだろうか。」

「そんな授業はしていない」といいたいところだが、あたかも「学びあっているような」授業を「演出」してこなかっただろうか。少なからず、子どもの反応を予想し、「一方向的」につなげて「授業設計」をしてきたことは確かである。

秋田先生に「やはり、授業観の転換が必要ですね」と尋ねる。すると「そんな大変なことではない」と、あっさり斬られてしまった。そして、「普段の授業の中にある」と、付け加えられた。「反省的実践」が必要ということであろう。

また、「表現」についても質問する。その中で、いくつかのキーワードになる「ことば」をメモすることができた。

「表現から理解を深める。」
「自分の言葉におきかえる。」
「つぶやきを他者に伝わるものに。」
「思考をたどらせる。」
「他者の思考のプロセスに沿う。」
「わかり直すところに、全員が参加していく。」  

このことからも「表現」のための「表現」ではないことが分かる。また、子どもたちの「表現」を重視することによって、「科学者のコミュニティのようにつながる」とも話していただいた。秋田氏がいくつかの著書の中で「知の著者」という言葉を使われていることもあわせて考えると、「表現」する意味(価値)として「他者とのかかわり合い」と「文化的実践」の両面からとらえていく必要がある。  

「わかり直すところに、全員が参加していく。」

今回、秋田先生の研究室を訪問し、いろいろな質問に答えていただく中で、一番心に残った「ことば」である。

わかり直すためには、次から次へとステップアップしていく学習ではなく、疑問やつまずきがあったとき、「たちどまって」「もどる」学習が必要である。 

ふと、佐藤学氏の「教師たちの挑戦」を思い出す。佐藤氏は、そのなかで次のように述べている。  

 ・・・・・  

探求し合う教室を創造する教師は、「もどす」ことの意義を熟知している。しかも、「もどす」ことに熟練した教師は、高いレベルの学びに挑戦することに積極的である。課題が子どもに困難なときには、その前段に「もどす」ことで再出発できるし、グループ活動に「もどす」ことによって、一人ひとりの参加を促し、多様な個と個の擦り合わせを組織して高いレベルの学びを実現することが可能になる。

 ・・・・・

前へ、次へのステップではなく、「もどす」ことによって「高いレベルの学び」を実現することができる。やはり、「授業観の転換」が必要である。


 ********

案外、よく書けているのだが、この頃の「わたし」は「授業観の転換」と書きながらも、子ども同士のかかわり合いや授業デザインを「方法の一つ」ととらえていた。





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最終更新日  2012.06.18 16:06:46
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