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2013.01.18
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前回のblogの続き。

初等理科の原稿であるが、「5.終わりに」には、言語活動の評価について触れている。

・・・・・

4.学びの実際

 ここでは、第12時と第13時を例にして述べる。第12次は食塩水を加熱し水を蒸発させて取り出した食塩を調べ、第13次では「とけた食塩はどうなったか」話し合わせた。

(1)蒸発させたら入れた量より多くなった?

 食塩と岩塩を砕いた粒の大きい塩(以下、「岩塩」)の重さを量り、水にとかす。
 まず、食塩をとかしたものを加熱すると、子どもたちの予想とはちがったのだろうか、蒸発皿に表れた食塩に驚き、一人の子どもが次のように発言した。

「水を蒸発させたら、最初に入れた食塩の量より多くなったような気がする。」

食塩を取り出す のコピー.jpg



C1:なんで食塩は増えたんだろう。
C2:増えるはずはないと思うから湿っていたからふくらんで増えたように見えたんじゃないかと思う。食塩がどんどん増えていったらおかしいと思う。
C3:でも、理由は分からないけど最初に入れた食塩の量よりも多くなったような気がする。
C4:食塩が増えるんだったら、最初に食塩を買って、水を蒸発させれば新しい塩が作れるということだから、その分食塩を買うお金は減る。そういうことはおかしいから、変わらないか減るかのどっちかだと思う。

 実際、まだ取り出した食塩が湿っていたため、十分に乾燥させてから重さを量って調べることを確認し、続けて「岩塩」を水にとかしたものの加熱することにした。実験前、子どもたちは次のように発言した。

C5:粒の小さい普通の食塩を蒸発させたときもともとの大きさよりも少し小さいような気がしたから粒の大きいのは出てこないんじゃないかな。
C6:いや、ぼくの目では普通の食塩ももとの大きさに戻ったから、粒の大きい塩は、やっぱり粒の大きい塩に戻るんじゃないかと思う。

 その後、「岩塩」をとかしたものを加熱し水を蒸発させる。

C7:「岩塩」も量が増えた?
C8:「岩塩」は、とけるときに砕けて量が多くなったんじゃないかな。
C9:「岩塩」も砕いたら食塩みたいになるから、出てくる量は変わらないんじゃないかな。



(2)とかした食塩が集まってくる

 次の授業(第13次)がはじまる前、子どもたちは食塩と「岩塩」の粒を指で触りながら観察していた。

つぶの大きさを確かめる のコピー.jpg

 授業がはじまり、まず、十分の乾燥させた食塩と「岩塩」の重さを調べる。前回の授業では「増えた」という子どももいたのだが、水にとかす前の重さと変わらないということを確認すると「やっぱり」と声を上げた。
 続けて、「水の中に入れた食塩はどうなったのか」と問うと、子どもたちはいろいろな図を使いながら説明しはじめる。しかし、食塩の粒の大きさの違いを上手く説明することはできない様子である。そんな中、一人の子どもが次のように発言した。

「本に書いてあったことで、やったことはないんですけど、自然に乾燥させたら、食塩が集まって出てくる食塩が大きくなると思う。」


 その後、一人の子どもが図を示しながら次のように自分の考えを説明する。

「ビーカーの中に、前誰かが言っていたように水の分子があって、その水の分子と分子の間に食塩がはさまっているんじゃないかなって・・・。」

水も粒 のコピー.jpg

 ここで、図に表されている二つの丸(水の分子と食塩)について確認し、「分子ってよく分からなけど水も粒だってことなの?」と問い返す。すると、次のように発言が続いた。

C10:分子って調べたんですけど、やっぱり最小の粒って書いてあったからめちゃめちゃ小さくて、粒では全然表せない人間では書けないような大きさだと思う。
C13:国語辞典で「とける」を調べたときに「液体の中に他の物質が混ざる」って書いてあっから、水の粒と食塩の粒が混ざるっていうことであってるんじゃないかな。
C14:食塩は水の粒の間にはさまってるだけだから、水が蒸発したら集まってきて目に見える大きさになるってことなの?

 このように、水を蒸発させるとけるときに小さな粒になってバラバラになっていた食塩が集まって大きな粒になって出てくることとともに、その粒の大きさについても理解を深めることができた。子どもたちは、目に見える事実と目に見えない水の中の現象を「ことば」でつないでいったのである。

5.終わりに

 今回の実践から、子どもたちの科学的な概念形成のために、考えを「ことば」にしたり話し合ったりする言語活動が必要だということともに、一つ一つの発言の「背景」や「意図」を考えながら評価することが重要だということを指摘することができる。子どもたちの「表現」は教師が一方的つくる基準で一律に評価できるものではない。つまり、「その子どもなりの表現の仕方」の裏には「その子どもなりのわかり方」があり、今後あたらたな評価規準が導入されるとき、子どもの声に耳を傾ける教師のあり方とその「聴き方」が問題になるといえるだろう。

【引用文献】 内田伸子「ことばと学び~響きあい、通いあう中で」(1996)金子書房





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最終更新日  2013.01.18 09:10:02
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