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「聴く」-「語る」関係をつくる〜その4
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その他
前回のblogの最後に、次のように書いた。
・・・・・
それでは、どうすれば「他人事ではなく自分ごと」にすることができるか。このことが『「聴く」-「語る」関係』をつくるためのポイントであり課題であろう。
・・・・・
このことについて、鹿毛雅治先生(慶應義塾大学)は、「『伝えあう力』を育てる授業づくりー新教育課程における学習活動の創造ー(日本教育心理学会創立50周年記念シンポジウム2)」(教育心理学年報vol.49 2010)に続けて次のように述べられている。
・・・・・
最後に、「響きあう学び」の経験化を実現するために教師が留意すべき点のいくつかを挙げたい。
1 教師自身が「語る⇔聴く」
まず問われるのは、教師自身が聴いているか、語っているかという点である。教師という特別な役割ではありつつも、「語る⇔聴く」というネットワークを構成する一員としてその場に存在し、子どもたちや学習課題に向き合っているかという点が問われることになる。教師自身が、よき聴き手・語り手のモデルになると同時に、子どもの優れた聴く姿、 語る姿が尊重され、賞賛されるような文化を教室に創り出すことが重要なのではないだろうか。言語的コミュニケーションだけではない。教師自らが非言語的コミュニケーションを大切にし、五感で感じとろうと心がけているかが問われることになる。また、子どもたちの表情やしぐさを大切に扱い、その意味やメッセージ性を気にかける姿勢も求められるであろう。
一人ひとりの興味やこだわり、ユニークな発想などを匿名化して扱うのではなく、むしろ、その固有名詞性を重視してその情報を積極的に可視化する。例えば、授業展開時において、子どもたちの「自分ごと」の表現を受け止めたり、促したり、引き出したり、支えたり、つないだりといった諸行為を通じて、他者性をベースにした伝えあい、響きあいを促すようなコミュニケーションの流れを創り出す。また、子どもたち同士が自律的にそのようなコミュニケーションを行えるような場や環境を整えることも教師の仕事であろう(鹿毛,2007)。
3 「しかけ」の実践化
「響きあう学び」を促すために、教科を中心とした「授業」では、課題への「共同注意」を促すことを通じて生起する「共同」(例えば、同じ学習課題に取り組むこと)を、他者性を前提とした「協働」(例えば、各自のユニークな課題に対する取り組みについて相互に交流すること)へと転換させていくことが教師に求められることになる。そして学びを刺激し、ガイドし、学びに必要な情報を可視化することを通して、当事者として主体的に、しかも協働的に課題に向き合うという状況を現実化するとともに、「語りあい」「聴きあい」を基盤とした「伝えあい」が成立するような「しかけ」(鹿毛, 2008)を構想し、実践に活用していくことが求められるだろう。
おわりに
最後になってしまったが、原口淳一先生をはじめ、熊本大学教育学部附属小学校の先生方による実践を紹介することで本稿の結びとしたい。
「みんなで伸びる授業をデザインする」をテーマとして授業研究に取り組んできた本校に、私は 2006年度から関わらせていただき、沢山のことを学んだ。とりわけ、ご自身の授業や実践研究について熱く語る先生方の姿、授業記録を丹念に起こしたり、授業のビデオを同僚相互で見あったりして、リフレクションを明日の授業に活かそうとする先生方の姿、そして子どもたちの活き活きした学びをまるで我がことのように喜びあう先生方の姿はきわめて鮮烈で、私は決して忘れることができない。子どもたちが伝えあうことによって学びが広がったり、深まったりする「響きあう学び」の実現を目指した本校の先生方の地道で誠実な熱意と努力に、私は、個性に彩られたプロフェッショナルとしての教師集団の姿を見せつけられたような気がした。
おそらく百点満点の授業は存在しない。だからこそ、教師はよりよい授業を実現すべく チャレンジしつづけるのである。
まずは、子どもが「語る─聴く」ことを通してハイレベルな学びを実現しようとする教師たちの姿から多くのことを学びたい。そしてわれわれの次の仕事は、そこから学んだことについて当事者として主体的に語りあうこと、そして聴きあうことなのではないだろうか。
【文献】
鹿毛雅治 2007 子どもの姿に学ぶ教師─ 「学ぶ意欲」と「教育的瞬間」 教育出版
鹿毛雅治 2008 授業づくりにおける「しかけ」 秋田喜代美・キャサリン・ルイス(編著)授業の研究 教師の学習─レッスンスタディへのいざない 明石書店
やはり、教師の「聴き方」とネームプレートを使った板書(可視化)は欠かせないということであろう。
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最終更新日 2013.06.18 08:35:50
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