曹操閣下の食卓

PR

×

Profile

曹操閣下の食卓

曹操閣下の食卓

2007.09.12
XML
カテゴリ: 芸術
mucha2.jpg


こういう盆栽の特殊な枝振りや達磨大師のホッカムリをヘタに図案化したミュシャの代表作を見ると、「やっぱりミュシャはジャポニズムだ」という印象が強くなるし。

mucha5.gif


ミュシャは驚くほど多くの商業広告のポスターを残している。

そのデザインもすばらしい。

この【JOB】は何だろうといつも不思議に思っていたが、
Joseph Bardou という名の
「タバコの巻紙を製造する会社」のイニシャルだった。
聖書のヨブ紀とか、英語のJob(労働)と何の関係があるのか、
ずいぶんと取り越し苦労していた(笑。

で、気がつくのはタバコの持ち方が反対だということ。



恥ずかしながら、タバコの煙だとは思わなかった。。。実によくできている。

◇ ◇ ◇


さて、クリムト、ラリックをはじめ、世紀末とりわけアールヌーヴォーの芸術家は、女性の顔といえば「うっとりと陶酔した表情」が最高の美とする傾向があった。

それはSEXのエクスタシーの表情である。

クリムト、そして晩年のロダンも、SEXとエクスタシーの女性美を追い求めた。

ミュシャも【JOB】あたりまで、こうしたセクシー系の美を表現していたのだが。。。

mucha3.jpg


この少女の怒りのような目は何だろうか。

そして、その顔も女優のような端正な顔立ちではない。

まゆ毛の間が広く、顔も四角、アゴとエラが張っている。鼻も低めである。

解説によると、これはスラブ民族系女性の顔であり、薔薇を手にした少女はミュシャの故郷、モルダヴィアの象徴である薔薇の妖精だという。

パリを離れ、オーストリア・ハンガリー帝国の支配下にあったプラハにもどったミュシャは民族的な独立思想を絵画で表現するようになったというのだ。

右下の黒い鷹は、なるほどハプスブルグの象徴なのだろう。

Musha_Slavia.jpg




そうなると芸術は政治的なプロパガンダでないといけないのか、そのほうが上等なのかということになるし。

この絵の周囲の菊と薔薇の装飾は、明らかにミュシャの心の中に、ヨーロッパの別世界であるジャポニズム再評価をあらわしているだろう。

そして、鷹の爪を受ける曲がった枝、これは尾形光琳のモチーフ。

ume_siro.jpg


ミュシャはパリのベル・エポックを完全に否定したわけではなかったのだ。

民族の不幸と悲劇を見つめつづけた画家の描きたい作品は別だったとしても、やっぱり初期のミュシャはすばらしい。

mucha_aki(l).jpg







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2007.09.16 01:01:06


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: