貧乏旅人 アジアの星一番が行く 世界への旅

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2023.11.14
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カテゴリ: 作家



あらすじ
悠介は、長野県安曇野の隣、池田町に産まれ、長野高校に進学した。大学は東京のM大学である。その間、小平由樹枝と良いお付き合いをした。大学2年になりとあるコンパで飲み過ぎて矢代美恵子と深い関係となる。小平由樹枝を愛していたが、愛想をつかされ振られてしまった。その後、美恵子とは変則的な付き合いを行い、1年先輩の美恵子は就職して大学もアパートも去った。悠介は大学4年になり就職活動も終わり、希望の会社に就職も決まった。そして友人高橋の結婚披露宴も無事終了。その後新婦の友人の唐橋由美子と親しくなったが、あまりに積極的な彼女に右往左往する悠介であった。別れたいが別れさせてくれないので困っている。一方、美枝子は玉の輿と言える結婚する事になった。3月末、悠介は就職の為、神田川辺のアパートから引っ越しする。実習中に由美子が自殺未遂をしたと言う連絡を受けて真っ青になった。
大内人事課長と由美子の父親に会い、慰謝料も支払い由美子の心の問題を除けば問題は解決した。悠介は希望の鹿沼工場に配属され社会人生活が始まった。



写真はネットより借用 宮崎新婚旅行

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次女夫婦の新婚旅行は、九州南部と沖縄だったらしい。とっても良かったと喜んでいる。その写真も持参して見せて貰った。どの写真も嬉しそうな顔をした二人が並んでいる。
「悠介は彼女いるの?」長姉の佳子が聞いた。
「いないよ。今はそれどころじゃーない。仕事を覚えるのに精いっぱいさ。」
事実をありのままに話した。由美子の自殺未遂の件は話せない。どんなに心配されるか分からないからだ。



翌々日は、中学の同級生が集まった。いつものメンバーである。三浦が働く寿司屋に集まった。銀行勤めの福田、町役場に勤める山脇、親の家業の床屋を継いだ田島、それに今回は女性二人が参加している。会社勤めの豊島、薬剤師になるという木島の総勢、7名である。三浦もこの日は、仕事を休んで同席している。山脇が皆に言った。
「この秋に結婚する。披露宴に参加して欲しい。」、と。
「あぁ、そうだったな。正月に来た時、今年結婚するって聞いた。何月?」
「10月の半ば過ぎにしようとしているが、まだ日にちまで決まっていない。」
「日程が決まったら、知らせてくれ。万難を排して出席する。」
皆が口々に同じように言った。

悠介は山脇には小平由樹枝の件で世話になっている。事情も全て話してあり、経緯は全て知っていた。振られて別れた事も当然知っている。別れてなかったら、山脇同様、今頃は結婚の準備に追われている頃だったはずだ。一寸先は分からんなー、と悠介は改めて思う。幸せそうな山脇を見ても羨ましいとは思わない。女性は懲り懲りだという気持ちが強い。

中学の同級生は気兼ねなく話が出来るのでリラックス出来る。大学ではバイトばかりで心置きなく話せる友人はほとんどいなかった。友人と言えば盛岡から来た高橋位だろうか? 彼は昨年学生結婚をした。悠介が披露宴の司会を頼まれて行った。初めての経験で緊張もしたが恙なく完了して安心した記憶が残っている。そう言えば、その後、諸々の事があり高橋と連絡が途絶えている事に気付いた。手紙でも出して見るか、と高橋の事を考えた。

同窓会は、色んな話題が出て楽しかった。同級生の動向が一番話題では多かったと思う。皆、元気に働いているそうである。大学に進学した同級生は少ない。本日出席してくれた木島はその少ない中の一人である。薬剤師になると言う夢を持って勉強を続けて来たらしい。中学の時は目立たず大人しい人であった。悠介も言葉を交わしたかどうか記憶がないほどである。又、山脇の結婚式で会おう、と同窓会はお開きになった。

お盆休みも終わり、悠介は鹿沼に戻った。休み前と同様、伝票切りに精を出した。夏の暑さは消え、秋らしい季節となった。9月も過ぎ、10月に入った頃である。人事課長と総務課長に呼び出された。仕事のミスもしていないし、由美子の件も解決したはずであり、何だろうと応接に出向いた。
「君は、人事部の森本さんを知っているか?」人事課長が言った。

「はい、知っています。」
「彼女が、君と交際したいと希望しているのだよ。」
「えー?」
「驚くよなー。君に直接申し込むのは恥ずかしいと言って、私に仲介を求めて来たのだよ。社内恋愛は禁止ではないし、むしろ応援する立場なので、一応、君に確かめたいと思ってね。」
「そんな事は考えもしなかったです。ご存じだと思いますが、私は前科一犯で恋愛は禁止しています。まだ仕事も一人前でないしお付き合いするつもりはありません。」


「君の答えはそうなるであろうと推測はしていた。しかし彼女が熱心でね。何か断る理由がないと、精神的に追い詰めてしまう事になる。」
「そうなると困るのだよ。」吉成総務課長も言った。
「断る理由は、前科一犯で恋愛禁止、仕事に打ち込む、では如何でしょうか?」

「それでは弱いなー?」
人事課長が首を傾げて困ったなー、と言う表情で言った。

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Last updated  2023.11.14 14:52:38
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