ラッコの映画生活

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2008.06.07
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カテゴリ: フランス映画
VIVRE SA VIE

白黒80min
(所有DVD)

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映画の内容とか原題とかとの関係は考えないとして、タイトルそのものとしては、『女と男のいる舗道』はなかなかの良いタイトルですね。でもやはりこの映画のタイトルは『VIVRE SA VIE』です。「自分の人生を生きる」とか訳されるけれど、「与えられた自らの生を生きる」といった感じです。フランス語の VIE(とか英語 LIFE、独語 LEBEN )を含むタイトルの直訳は難しいですね。生活、人生、生涯、生命等々の意味すべてを合わせた日本語単語ってないんですね。

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かつて監督のゴダールは「好きな映画作家を3人挙げて下さい」というインタビューで、「ミゾグチ、ミゾグチ、ミゾグチ」と答えています。今でもそう答えるかどうかはわかりませんが、少なくとも昔は溝口健二が好きだったようです。その溝口健二の1948年の作品に 『夜の女たち』 というのがあります。ここでは戦後の貧困が原因ですが、もともと堅気の女性が貧困ゆえに娼婦(夜の女)になっていくという物語。病気の小さな子供を抱え、戦死した夫の実家では邪険にされるし、事務員をする会社社長の二号さんになり、やがて街娼となっていく。彼女の場合も与えられた境遇・条件の中で、でもその与えられた「自分の生を生きて」いくしかないわけです。細部を大胆に無視すれば、ゴダールのこの『女と男のいる舗道』と同じだとも言えます。1962年当時にゴダールが溝口のこの作品を観ていたかどうかはわかりませんが、観ていたにせよ観ていなかったにせよ、この『VIVRE SA VIE』はゴダール版「夜の女たち」であり、ゴダールのミゾグチに対するオマージュ的作品になっていると思います。

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色々なところで「好きな映画ベスト10」とかが話題になります。自分には10本を決定する決断力がないといつも思うのですが、この『女と男のいる舗道』を見ると、いつもこの作品はベスト3に入れて良いなと思います。少し前にオムニバス映画『10ミニッツ・オールダー』を見て、その中のゴダール作品 『時間の闇の中で』 にこの『女と男のいる舗道』からの引用があり、それでまた見たくなりました(なのでこの文はその感想のようなもので、映画全体のレビューではありません)。決して、全然、明るい物語ではないし、暗いと言った方が良いのですが、でも何度も見たい作品です。(ネタバレになりますが、有名な古典だから良いでしょう)、離婚し、女優志望ながらそれもままならず、レコード店の店員の給料だけでは生活費にも事欠くアンナ・カリーナが、ひょんなことから娼婦になり、最後はヒモであるヤクザのいざこざで死んでしまうという物語。この映画が好きなところは、もちろんアンナ・カリーナの魅力もありますが、やはり内容で、彼女と自分は与えられた境遇が全く異なってはいるけれど、生きるというのは畢竟こういうことだ、ということが描かれた作品だからです。そしてゴダールがカリーナに言わせているセリフが良いんですね。

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私はすべてに責任があると思う。自由だから。手をあげるのも私の責任。右を向くのも私の責任。不幸になるのも私の責任。タバコを吸うのも私の責任。目をつぶるのも私の責任。責任を忘れるのも私の責任。逃げたいのもそうだと思う。すべてが素敵なのよ。素敵だと思えばいいのよ。あるがままに見ればいいのよ。顔は顔。お皿はお皿。人間は人間。人生は人生。

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Last updated  2008.06.25 23:03:17
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