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旅人というのはつまり一番だまされや
すいたぐいの人間で、もう少し先に何
かあると思って一生でも歩きつづける
池澤夏樹「帰ってきた男」部分 [1]
この街歩きを旅だと思ったことはないが、「もう少し先に何かある」と思って歩くことはある。ときどき、歩くことに飽きてしまったとき(東京だからといっていつでも楽しいわけではない)、無理にそう思おうとしていることもあるが。
最近の著作で赤坂憲雄と小熊英二に辺境と名指されたその東北 [2] で生まれ育った私が、圧倒的な情報を送りつけてくる中心としてだけ認識してきた東京の街を歩いてみたいと思ったのは、ただ単に、一度も足を踏み入れたことのない東京のさまざまなエリアの地名をなぜかよく知っているという知識のアンバランスをなんとかしたいと考えたからだった。それで、東京のいろんな場所を歩いたのだが、特に知識のアンバランス状態がどうにかなるということはなかった。そして、東京街歩きは、次第にハイライトのない観光旅行のようになり、今は、普通の散歩の感じになっている。
Photo A
JR大崎駅。(2013/1/23 10:56)
今日は、大崎から歩き始めて戸越銀座へ向かう。出発地はJR大崎駅(Photo A
)。まずは、居木(いるぎ)神社に向かう。神社とか寺は、たいていの場合、その土地における人々の長い暮らしの象徴のようなもので、初めての土地の街歩きの良いランドマークなのである。だから、地図を見るときは、神社、寺、そして道の曲がり具合が私には大事なのだ。
大崎駅西口に降り、東口の方に少し行って右折する。シンクパークプラザの北側の道を進んで坂道にかかったあたりで、右の細道を道なりに辿り、さらに細い道に左折すると居木神社に出る(Photo B
)。
Photo B
居木神社。(2013/1/23 11:03)
居木神社の鳥居脇に「居木橋(いるきばし)遺跡」の説明看板には、「いるぎ」と「いるき」と読み分けてある。居木橋遺跡は貝塚を伴う縄文遺跡で、当然だが貝塚は石器、土器、獣骨、魚骨、貝殻などが堆積しているのだが、貝殻の中にヒダリマキマイマイ(かたつむり)もあって、我が先祖はフランス人のようにかたつむりを食べていたらしいのである。
居木神社の境内を西に抜け、子どもたちの声が聞こえる方向に辿っていくと、そこは大崎幼稚園である。
Photo C
戸越方向の反対の細道、。(2013/1/23 11:10)
大崎幼稚園の角を左折した道をまっすぐ行けば東急池上線の戸越銀座駅に出てしまうので、二つ目の細道を左折する(Photo C )。細道に入ってすぐ、右手の更地にテントが張ってあり、人が集まっている。どうやら新築のための地鎮祭らしい。最近、私の住む仙台の町内でも、更地になって新築されるのはたいていアパートである。代替わりしても子どもは余所で暮らしを立てていることが多いのか、新築して住み続ける例は少ないようだ。空屋で放っておかれる家も多いという。都会の庶民の暮らしの中ではとっくの昔に「家制度」的伝統は失われているのだろう。
やや左へカーブする道なりに進むと信号のある道に出る。「百反通り」という案内板がある。当面の目的地は戸越公園として、百反通りを東に2ブロックほど進んで右折する。100メートルも歩くと左手に私の地図には載っていない神社があった。三木小学校の西隣に当たるあたりで、鳥居脇に大きな布袋様(だと思う)の立像がある貴船神社である。
Photo D
西品川保育所から三ツ木通りへ下る道。(2013/1/23 11:21)
貴船神社から西品川保育所前の小さな十字路を直進して坂道(Photo D )を下っていくと交番があって、少し広い道に出る。「三ツ木通り商店街」というピンクの旗が街灯にぶら下がっている。三ツ木通りを西に進むと向こうに「戸越銀座」の看板が見える(Photo E )。三ツ木通りは戸越銀座の通りにそのまま連続するらしい。
Photo E
三ツ木通り商店街。(2013/1/23 11:24)
街歩きMap 地図のベースは、「プロアトラスSV4」、歩行軌跡は、 「GARMIN GPSMAP60CSx」によるGPSトラックデータによる。
(「その2」に続く)
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