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2014.09.24
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ニューブリテン島は、ニューギニア島の東北、ラバウルの島である。
そして水木しげるさんの作品『総員 玉砕せよ!』の舞台。
この物語は、バイエン高地に派遣された田所支隊の命運を辿る.

**************************

空爆と艦砲射撃、圧倒的な物量を用いた敵に追い詰められ、包囲され、
日頃、楠正成に心酔する田所支隊長の最後の命令は、
中隊長の主張する持久戦作戦をさえぎって、
「最後のバンザイ突撃の敢行!」すなわち『玉砕』  !

3月18日夜の斬り込み突撃は苛烈なものだったが
艦砲射撃をもともなうオーストラリア軍の兵力、装備に圧倒され、
夜が明ける頃には生き残った兵士たちの少人数のグループいくつかが、
某警備隊が本拠とする聖ジョージ岬に向かっていた。

一方、ラバウルにある兵団司令部は、斬り込み突撃敢行の電信をうけ、
玉砕を急ぐなの旨を打電するが、時すでに遅く応答はなかった。
報告を受けた兵団司令部は、支隊の玉砕をラバウル全軍に布告して
「ラバウル決戦」への引締めを図るとともに、大本営に報告した。

ところが数日後、聖ジョージ岬警備隊から、
「バイエン支隊の将校以下数十名が当隊で給食を受けつつあり、
二 三日たつも前進の模様なし」との入電があり、司令部は 混乱する。
「玉砕命令が守られねば、ラバウル決戦の精神的基盤が崩壊する」として
秘密のうちに抹殺、処断するため、
全権委任された参謀が聖ジョージ岬に派遣される。

玉砕の命令を受けながら生きている者は、死刑に値する。
責任の重い将校は、追及され自決を選ぶ。
生きてはならぬ人間。背信、卑怯者、そして再突入・・・・・。

そして6月、敵の有力部隊が聖ジョージ岬に上陸を開始。
指揮をとる参謀から命令は
「81名全員玉砕をもって敵の背後をつく」
その後、参謀は離脱を図るが、流れ弾で死ぬ。
代わって指揮をとる水本少尉。「これから全員玉砕する。
最後にお前たちの好きな歌を歌って死のう。」

私は~ な~あんで このよう~な 
つら~い つとめ~を せ~にゃ なあらぬ 」(女郎の唄)
(ジャングルの中の死屍累々の世界が続く)

***********************

水木さんは、あとがきで次のように書く。
『この物語は、90%は事実です』
『物語では全員死にますが、実際は80人近く生き残ります』
『軍隊で兵隊と靴下は消耗品といわれ、
兵隊は“猫”位にしか考えられていないのです』
『ぼくは戦記物をかくとわけのわからない怒りがこみあげてきて
仕方がない。多分戦死者の霊がそうさせるるのではないかと思う』

 ***************************

1973年発表のこの本が今も、書店にあると知ったのは
毎日新聞デジタル版で見た水木さんのインタビュー
(東京夕刊8月13日)の最後に『書店で「永遠の0」が
平積みされている一方、「総員玉砕せよ!」(講談社文庫)が
棚に静かに置かれていた』との1節があったからだ。
その翌日、大手書店4店が並ぶ大阪・天王寺へ出かけたところ、
最初の店で、見事に、この本が見つかった。

ほかにいろいろと探していると、NHKのHPでも
『戦争証言アーカイブス「兵士たちの証言」』のなかに
“生き延びてはならなかった最前線部隊
~ニューブリテン島ズンゲン支隊~”(2010-06-26放送)があって、
水木さんが描くこの『玉砕』の実相が証言されている。

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前掲の毎日新聞で、水木さんは、戦地での体験を次のように語る。
『上官から毎日50発くらいビンタされました』
『特に前線では人間扱いされることなんてあり得ないことでした』

そして
『日本に戻ってからは「かわいそう」という言葉は使わなかった。
この言葉は、
戦場で命を落とした兵士のためにあるのですから』

20140924総員玉砕せよ






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最終更新日  2014.09.29 22:57:09
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