グランマの手料理レシピ

2023年02月11日
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カテゴリ: 缶詰料理
​ 鯖缶(さばかん)が注目されるのは、カルシウム、鉄、ビタミンD、EPA、DHAが、
生の鯖よりも多く含まれているからだそうです。
鯖缶を汁ごと使った「そぼろ丼」をつくりました。

​ ​鯖缶でそぼろ丼 ​​


鯖缶   1缶(200g)
【調味料】酒    小さじ2
     みりん  小さじ2
     砂糖   小さじ1
     醤油   小さじ2
     塩    少々

卵      2個
三つ葉    少々
サラダ油   小さじ1
ご飯     2人分

1.鍋に【調味料】と鯖缶を汁ごと入れ、ほぐしながら水分がなくなるまで中火で煮る。

2.フライパンにサラダ油を入れ、溶いた卵を混ぜながら、そぼろ状になるまで炒める。

3.丼にご飯を盛り、そぼろ玉子を敷き、その上に鯖を載せ、三つ葉を飾る。

※玉子には味をつけずに、鯖を絡めながら食べます。



ブログ連載 長編時代小説 ​​ 密かごと ​​
​第3章 板前たち​

​3.板前の互助​

朝から清蔵親方の住む長屋に、男たちが続々と集まってきた。
定次、金蔵、半次郞、利八は、清蔵親方の子飼いの板前たちで、いまはそれぞれ、江戸の料理茶屋で板前として働いている。
親方のもとで修業した者が、すべて板前になれるわけではなく、途中で脱落していく者の方がはるかに多かった。
四人の板前は上がり框の前に立って、口々に見舞いの言葉を述べると、親方は布団の上に座って弟子たちの言葉に頷いていた。
真吉と鉄治は親方の横に座っている。
「たまに病気をするのも悪くねえな」
親方は軽口を叩くが、久しぶりに弟子たちに会えてうれしそうだ。

「知らせを受けたときは、びっくりしやしたよ」
一番古手の定次が言った。
「鉄治の奴が大袈裟なんだよ!」
足腰の自由は利かなくても口は達者だった。
「どうだ、仕事の方は?」
自分が病気であることも忘れ、弟子たちが店で出している料理のことが気になっている。
「親方、仕事のことは忘れて、養生してくだせえ」
定次は浅草広小路の和田屋で板長をしている。
「寄ってたかって、病人扱いか!」
弟子たちの顔を見て元気を取り戻したようだった。

「板前は体力と健康が肝心、親方もそう言っていたじゃねえですか」
定次が親方の口真似をした。
「そうだ、体も大事だが、口をよく漱(すす)ぎ、舌を大切にしろよ!」
親方の言葉に、皆、深く頷き合う。
美味しいものを美味しいと感じる味覚が大事だというのが親方の口癖だった。
「おい、いつまで、ここで、油を売っているつもりだ!」
親方は、それぞれの仕事先のことを心配している。
鉄治が立ち上がると、皆に目くばせをした。
「親方、それじゃ、今日はこれで!」
定次が皆を促すと、
「ありがとよ!」
親方が手を振って礼を言った。
「おいらも、ちょっと出掛けてきやす!」
真吉は親方に断ると、皆の後を追いかけた。

朝の湯島天神の境内は参拝に訪れる人も少なく、ひっそりとしていた。
鴨が一羽、頭上をかすめていく。
六人の男たちは、親方の今後のことを話し合うため、湯島天神の境内にやってきたのだ。
親方の脇板をつとめている鉄治が、最初に口火を切った。
「どうでしょう、親方が動けるようになるまで、世話をしてくれる人を頼むというのは?」
鴨は眼下の不忍池をめざして静かに舞い降りていった。
「人の世話を受けるかな、気丈なお人だから」
一番年上の定次が考え込む。
「前よりは、気弱になってますよ」
近ごろの親方のことは鉄治が一番よく知っている。あまり怒らなくなり、細かいことは鉄治に任せるようになっていたのだ。

「人に頼むといっても、親方の気に入るような人が見つかるかな?」
親方からよく金を借りていた金蔵が呟く。いまは木挽町の武蔵屋の板長だった。
「世話を頼むなら、長屋の筋向かいに住んでる左官職人の女房、お幾さんだったら、引き受けてくれると思いやす」
真吉が言った。
「あの、かみさんか!」
鉄治は親方のところで、お幾とは何度か顔を合わせている。
「親方とは顔見知りだし・・・」
「真吉がそう言うんなら、大丈夫(でえじょうぶ)だろう」
そう言った半次郎は真吉とは同じ歳で、小網町の巴屋の板場に入ったばかりだった。

「利八、おめえはどうだ?」
黙って聞いている利八に、年長格の定次が言葉をかける。
「世話を頼むことはいいんだが、そのかみさんに払う金はどうするんですかい?」
利八は金のことを心配している。
「決まってんだろう! おいらで出すんだよ」
定次に言われ、利八は皆の顔を見廻した。
「利八は、昔から親方に一番、御馳走になってたぞ!」
金蔵は自分が親方から金をよく借りていたことも忘れている。
「確かに、利八さんは親方に連れられて、よく美味いもの食べに行ってましたね」
半次郎も調子を合わせた。

「恩義でしたら、あっしが一番」
真吉が申し訳なそうな顔をすると、
「親方と真吉の関係は別だ」
定次がきっぱりと言った。
「いまは、親方と弟子の関係を言っているんだ。親方に世話になったのは、皆、同じだから金は等分に出し合おう」
「等分ですか」
利八が困ったという表情をする。
「おめえ、まさか・・・」
定次は、利八が仕事先をまた辞めたのではないかと思う。
「面目ねえ」
利八は半月前に深川の山城屋を辞めていた。
「おめえって奴は!」
定次がため息をつく。

利八は仕事はできるが飽きっぽいので親方はいつも心配していた。
「定次兄い、次の口も手配してあるから」
利八は口入屋の佐助に、すでに次の仕事先を頼んでいた。
佐助は利八の性格を知っていたので、長丁場となるようなところは紹介せず、半年をめどにした仕事先を世話していた。
「大丈夫(でえじょうぶ)だろうな」
「すぐは無理だが、しばらく待ってくれれば、きちんと出しやすから」
利八は神妙に頭を下げ、皆に約束した。
「それじゃ、金蔵、半次郎、おいらに、鉄治と真吉を加えた五人で出すことにしよう」
「定次兄い、親方が受け取ってくれるかなあ~」
「金蔵、親方に渡すんじゃねえよ。お幾さんという人に渡すんだよ」
真吉が左官職人の女房お幾に、親方の世話を頼むということで話し合いは終わった。(つづく)





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Last updated  2023年02月11日 16時40分34秒


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