グランマの手料理レシピ

2023年02月14日
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カテゴリ: チーズ料理
​ 短冊切りの長芋に、摺りおろした長芋を載せたグラタンです。
和風味ですが、パン食にも、ご飯にも合います。

​​ 長芋の和風グラタン


長芋       250g
卵        1個
麺つゆ      大さじ1
和風だし     小さじ1/2
ピザ用チーズ   1.5枚

1.長芋は1/3を短冊に切り、残りの2/3は摺り下ろす。

2.摺り下ろした長芋に、麺つゆ、和風だし、卵を入れてよく混ぜる。

3.グラタン皿に短冊に切った長芋を入れ、その上に摺り下ろした長芋とチーズをのせる。

4.オーブントースターで15分ほど焼く。

​※チーズが焦げすぎないように、アルミホイルをかけるとよいです。​



ブログ連載 長編時代小説 ​​ 密かごと
第3章 板前たち

​4.真吉、戻る​

さちは、江戸から戻った真吉を見ると真っ先にたずねた。
「親方さん、意識はあったのね」
「頭はしっかりしていますが、体が思うように動かねえんです」
「じゃあ、寝たきりに?」
「いえ、当分は寝たり起きたりで働くのは無理なので、休養してもらうことにしやした」
「それは大変ね」
「親方は女房を娶(めと)らなかったんで、弟子たちで面倒をみょうということに」
「すると、真吉さんも江戸へ?」
「いや、皆で金を出し合って、親方の世話をしてくれる人を頼むことにしやした」
真吉が湯島天神境内で皆と話し合ったことを、お幾に話すと暇をもてあましているのだからと二つ返事で引き受けてくれた。差し当たっての手間賃として、さちから前借りした中からいくばくかの金を渡し、真吉は木更津へ戻ってきたのだ。

「それじゃ、親方さんも心強いでしょうね」
「皆で少しずつ、支えるだけですよ」
「少しずつでも、何人かが集まれば大きな支えになるわ」
さちは、ふと与七のことを思い出す。そういえば与七も独り者の板前だった。痛めた腰は治ったのだろうかと、清蔵親方と与七の境遇の違いを比べていた。
「親方は金には無頓着で、金に困っている弟子がいると、ぽんと貸しちまうんです」
「気風(きっぷ)がいいのね」
「ところが、金を借りた者のなかには、どろんを決め込む者がいて」
「戻ってこないのね」
「親方はやられちまったかと気にしねえんです。そこへ持って来て、板前が上手い料理を食ったことがなくては話しにならねえと、弟子たちを引き連れては美味いものを食いに行くんですから・・・・」
親方のことになると真吉の話は止まらなかった。

江戸から戻った真吉は、以前にも増してよく働いてくれる。気性も穏やかで、板場で働く 者たちに威張り散らすようなことはなく、丁寧に対応している。不意の客にも嫌な顔ひとつせずに、有り合わせの材料で客を満足させる料理に仕上げてくれる。板前としての腕も申し分なかった。
さちは板前の苦労から解放され、安心して客を迎えることができた。それ以上に喜ばしいことは佳乃の変化だった。母寿美のことを話してやったせいか、口答えが減り、性格も素直になった。

お美代が訪ねてきたのはそんなときだった。
丸髷(まるまげ)を結った髪からは、鬢づけ油の匂いがしている。
「ご無沙汰しております」
さちと佳乃に、気取って挨拶をした。
「いやだ、お美代ちゃんたら!」
佳乃が吹き出した。お美代が急に大人びて見えたのだ。
「笑ったりして、失礼だろう。浜野屋の四代目、惣兵衛さんの[御内儀お美代さん]と呼ばなくてはね」
さちが真顔で言うと、
「あら、いままでどおりでいいのよ」
お美代は恥ずかしそうに笑った。
「それじゃ、お美代さん、ちょっとお上がりになりません?」
「いやだ、佳乃ちゃんまで」
お美代が佳乃の肩を軽く叩く。
「お美代さん、ごゆっくり!」
さちは笑いながら帳場へ戻っていった。

「佳乃ちゃんは、女将さんと二人だけで、いいわね」
部屋に入ると、お美代は膝を崩して座った。
「あら、どうして?」
佳乃は、お美代の家のような大所帯にあこがれていた。祖母と二人だけでは、あまり話すことがなかった。
「浜野屋は大家族でしょ。親戚も近くに沢山あるし、わたしの実家の山瀬屋も目の前で、息が詰まりそうだわ」
「まあ!」
結婚したばかりだというのに、お美代はもう愚痴をこぼしている。
「だって、いつも人の目があるから、うっかりしたこともできないわ!」
「賑やかでいいじゃないの」
「ここは静かでいいわね」
「おばばさんと二人だけだと、火が消えたようよ」
「お客様がお見えになれば、賑やかでしょう?」
「それは、そうだけど」
「うちなんか、人が出たり入ったり、いつもガサガサしてるわ」
「惣ちゃんと二人だけには、なれないの?」
「あの人、家族の目を気にして」
「あの人だって!」
佳乃がくすくす笑う。
「いやだ、佳乃ちゃん!」
お美代は真っ赤になった。惣兵衛との結婚に不満があるわけではないが、浜野屋という大家族のなかで自分の居場所を見つけることがまだできていなかった。

「わたしのことは、もういいのよ」
お美代は話題を佳乃に向ける。
「佳乃ちゃん、好きな人いるんでしょう?」
「好きな人?」
佳乃がとぼけた表情をする。
「誰かいるんでしょう?」
お美代は、近ごろの佳乃の生き生きした様子から好きな人ができたのではないかと思っていた。
「いないわよ」
「とぼけても駄目、顔にちゃんと書いてあるわよ」
「顔に?」
佳乃はふざけて顔を拭く真似をした。
「やっぱり、好きな人がいるのね」
お美代に問い詰められても佳乃は答えなかった。
「佳乃ちゃんらしくないわ!」
お美代には、佳乃が何をためらっているのかわからなかった。
佳乃は、好きな人がいるのかと聞かれれば、わからないと答えるしかなかった。好きな人とは互いに慕い合える仲でなくてはならないと思っている。好きな人がいても母のように裏切られ、捨てられるのではないかと思うと、佳乃は人を好きになるのが恐かったのだ。(つづく)





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Last updated  2023年02月14日 08時50分05秒
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