グランマの手料理レシピ

2023年03月04日
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カテゴリ: ご飯もの
​ 季節を迎えた菜の花が主役の混ぜご飯です。
菜の花は茹でて昆布じめにし、ご飯は酢飯にせずに梅干しを使います。
昆布の香りがして、菜の花がおつな味になります。




​ ​菜の花の昆布じめ ​​


菜の花    1束
塩      少々
水      大さじ2
昆布     3枚(15×20cm)

1.菜の花は全体を20分間ほど水につけ、シャキッとさせる。

2.フライパンに、菜の花を入れて塩を振り、水を回し入れる。フタをして強火にかけ、蒸気が出たら上下を返し20~30秒ほど蒸し、粗熱を取る。

3.ラップに昆布を1枚を敷き、菜の花の半量を並べ、同じ大きさの昆布をのせる。同じように残りの菜の花を昆布で挟み、ラップでぴったりと包む。2時間ほど冷蔵庫におく。



※昆布じめにした菜の花が余ったら、お刺身に添えたり、酢の物にも使えます。 ​ ​


菜の花入り混ぜご飯 ​​

菜の花と一緒に6種の具を、ご飯に混ぜると華やかになります。
酢飯にしないで梅干しを使うので、お寿司ではなく混ぜご飯です。

米          3カップ(普通に炊く)
菜の花        100g
塩昆布(細切り)    30g
梅干し(シソ漬け)   2~3個
卵          2個
生椎茸        4枚
白ごま        大さじ4
もみ海苔(全形)    1枚
塩          少々
酢          1~2滴
酒          大さじ1
薄口醤油       大さじ1

1.梅干しは種を除き、包丁でたたく。昆布じめの菜の花を細かく刻んでおく。

2.卵は塩と酢を加えて、炒り玉子をつくる。

3.生椎茸はフライパンで焼き、細かく刻み、酒と薄口醤油に浸して、汁けを絞る。

4.温かいご飯に、白ごま、梅干し、塩昆布、玉子、椎茸を加え、もみ海苔と『昆布じめの菜の花』を散らして大きく混ぜる。

​※菜の花は昆布じめにしなくても、茹でて薄口醤油を振ったものを使ってもよいです。​



ブログ連載 長編時代小説 ​​ 密かごと ​​
​第5章 幕府水軍​

​2.御船手衆の行方​

坂上進之助が遠島送りの役目から無事に戻ると、船手衆のなかでは異国船打払令が撤回されるという話題で持ち切りだった。
これまで幕府は異国船の度重なる脅威に対し、日本に近づこうとする異国船は理由にかかわらず打ち払い、上陸しようとする外国人は逮捕し射殺してもよいとしてきた。その異国船打払令が撤回されることになったのだ。
船手衆のなかには、この法令撤回を契機に異国船が攻撃してくるのではないか、これが幕府の命取りになるのではないかと危惧する者もいた。

坂上進之助は詳しい状況を知るため、船手屋敷に与力の菊地弥太郎をたずねた。
「どうして、異国船打払令を撤回したのでしょう?」
坂上進之助の問いに、
「清国が英国に敗れたことにあるようだ」
と与力の菊地弥太郎は答えた。
老中の水野忠邦は、阿片戦争で清国が英国に敗れたという知らせを受けると、異国船打払令を改め、薪水給与令(しんすいきゅうよれい)を発令した。薪水給与令は異国船には柔軟な対応をし、食糧や薪や水を与えて温和しく帰っていただくというものだった。
「触らぬ神に祟りなしですか」
「そういうことだな」
「しかし、一時凌ぎの方策ですね」
「異国から国をどう守るか、順当な対策でないことは確かだ」
江戸湊の守りをしてきた船手組与力の菊地弥太郎にとっては、幕府が海防という問題を先送りにしたとしか思えなかった。

「ところで、浦賀奉行が廃止されるそうですね」
「ああ、そうだ」
「どうしてです?」
「浦賀奉行の役割が代わったのだ」
「代わった?」
「浦賀奉行が海防の最前線となったのだ。下田奉行が復活し、新たに羽田奉行も任命されるそうだ」
「幕府は異国船の脅威に対し、着々と手を打っているんでしょうか」
「海防策を強化せざるを得ないのだろう」
江戸開府以来、江戸湊の警固は三浦半島や房総半島に知行地を持つ、幕府水軍の旗本である向井将監を中心とした船手衆が当たってきた。

幕府は海防の強化として、川越藩に相模、今治藩に房総の警備を命じ、会津藩と白河藩には相模と安房の沿岸に御台場の建設を命じた。諸藩に負担を課したのは、幕府の財政難に加え、天保8年(1837)に米国の商船モリソン号の来航があったからだ。
「モリソン号が日本人漂流民7名を乗せ、通商を求めてきたのは知っているだろう」
「ええ、浦賀沖で我が国の砲撃を受け、江戸湾を退去した事件ですね。あのときは拙者も間近で目撃していました」
「幕府水軍の船は蛇に見込まれた蛙のようだったな」
「飲み込まれたら、一溜まりもありませんね」
「まさに、大蛇の如しだ!」
「装備の大砲も、またすごかったですね」
「御台場の大砲では太刀打ちできないこともわかったのだ」
幕府水軍の装備が時代に即したものではないことは、菊地たちにもわかっていた。
「通商を求めてきたということは」
「開国を迫ってきたということだ」
「幕府内には、開国止むなしという考えもあるそうじゃないですか」
近ごろは進之助たち同心の間でも、開国すべきだという意見が大半を占めている。
「開国にしても、鎖国を続けるにしても、異国船が脅威であることに変わりはない」
菊地弥太郎は海防政策の立て直しが必要だと言った。
幕府は秘かに海軍創設を進めていたが、世上に反幕的な動きがあり、計画が外部にもれることを恐れ、秘密裡に海防を充実しようとしていた。

「それはそうと、養子縁組の件はどうなった?」
菊地が急に話題を変えた。
「貧乏同心のところには、なかなか来てくれませんよ。武家の養子婚姻の規制で、養子を迎えることは難しくなりました」
「御役目を返上するのか?」
「それしか、道はありません」
「そうか」
菊地には後を継いでくれる息子が一人いる。
「これも因果と、あきらめています」
「因果とは大仰な!」
「いや、そんな心境でございます」
進之助は二人の息子に死なれ、妻にも先立たれ、迎えた養子には逃げられ、若き日の過ちが禍しているのではないかと思うこともある。
「ひょっとすると、そなたは気楽な身分かもしれん」
「気楽ですか?」
「いや、妻子の心配をせずにすむからだ」
「どういうことで?」
「船手組のこれからを思うと・・・」
「船手組が、お取り潰しに?」
「いやいや、そういうことでは」
菊地は慌てて言い直したが、海軍創設の機運が盛り上がれば、幕府水軍の解体もあり得ることだった。

進之助は陰鬱な気分で組屋敷に帰ると、待っているのは布巾をかけた夕餉の膳だった。
飯の煮炊きを頼んでいる老婆が、進之助の帰る時刻に合わせて用意してくれたものだ。
妻お登勢を亡くしてからは、こんな暮らしが続いている。

独り暮らしには慣れたはずなのに、この夕餉の時刻になるといまでも辛くなる。
ひとりで黙々と食べる味気なさは、言葉には言い尽くせぬ寂寞としたものがあった。

与力の菊地弥太郎は、足手まといとなる妻子がいないので気楽な身分だといったが、それは家族がいる者の台詞だ。
かっての進之助も妻や子がいた頃は、家族は自分を縛り付ける疎ましいものだと思ったことがある。
その疎ましさが、いまは懐かしくさえあった。

夕餉を食べ終え、汚れた器を洗っていると男やもめの淋しさが胸に沁みてくる。
こんな夜は酒の勢いを借りて、ぐっすり眠り込むしかなかった。(つづく)





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Last updated  2023年03月04日 08時50分07秒


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