グランマの手料理レシピ

2023年03月07日
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カテゴリ: 簡単なお惣菜
​ 肉厚の生椎茸を焼いて、山芋と一緒に梅肉あえにしました。
まろやかな酸味が食欲をそそり、これだけも、ご飯が食べられます。

​​ 焼き椎茸と山芋の梅肉あえ ​​


生椎茸        3個
山芋         3cmの輪切り
梅干し(赤じそ漬け)  2~3個
かつ節        2g
醤油         小さじ1
刻み海苔       少々

1.生椎茸は水で洗わず、汚れを拭き取り、網焼き(フライパン焼き)にする。粗熱が取れたら千切りにする。

2.山芋も千切りにする。梅干しは種を除き、よく叩いておく。

3.ボールに、梅、 かつお節、醤油を入れてあえ、椎茸と山芋を加えて味をなじませ、器に盛り、刻み海苔をのせる。

​※焼いた生椎茸はコリコリした山芋とよく合います。​



​​ 密かごと ​​

​第5章 幕府水軍​

​3.坂上進之助、木更津へ ​

坂上進之助が木更津を訪れるのは、佳乃の婚礼以来だった。
役目を離れて梅乃井に一人でぶらりと現れた。
「お久しぶりでございます」
さちが愛想よく迎えてくれた。
進之助が遠島送りの役目で三宅島に行っていたことを告げると、
「まあ、左様でございましたか」
さちは遠島送りと聞くと、江戸で暮らしていた頃を思い出す。
『流人船』と書かれた白木綿の幟(のぼり)をつけた船が、日本橋川を下っていくのを見たことがある。
漢字で『流人船』と書かれていると軽い罪の者を乗せた船で、仮名で『るにんせん』ある
と重い罪を犯した者を乗せた船だった。
生きて帰れば赦免もあるが、命を落せば万事休す。遠島送りは三途の渡り川だと、父久兵衛が言っていた。

「重い罪の人たちも・・・」
さちが聞くと、
「八丈島送りが1名」
進之助が答えた。
「八丈島にも行かれたのですか」
「いや、三宅島の役人が日和を見て、八丈島へ流罪人を送ってくれることになった」
「それじゃ、重罪人と三宅島までは一緒だったんでございましょう」
「重罪人と言っても、人殺しではありませんよ」
進之助は笑いながら、蘭学者と通じて御政道を誹謗した罪人が八丈島送りになったのだと言った。
「それだけで八丈島送りですか」
「源八郎という名の男だが、人騒がせな男で」
進之助は役目を無事に終えた安堵感から、つい口を滑らせてしまう。

流人船は新島で3名を下ろし、海上13里先の三宅島へ向かうことになった。ところが、春嵐に見舞われ、海は大しけとなり、船を出すことができず、しばらく新島で様子を見ることになった。
この嵐では罪人たちも逃げ出すことはないだろうと、進之助たちは油断をし、流人小屋の鍵を確かめなかった。朝になって雨が止み、小屋を開けると三宅島送りの3名はいるが、八丈島送りの源八郎の姿が見えない。小屋抜けをしたと大騒ぎになり、皆で手分けして島の探索がはじまった。
新島は南北に二つの山を持ち、白い砂浜が弧を描くように続く、美しい島だった。
見つけたとき源八郎は砂浜に座って海を眺めていた。島抜けをしようとしたのではなく、嵐の収まった海を見にきたのだと言った。

進之助は、源八郎の挙動に不審な点はないと思った。
ところが、目付役の古屋好太郎は島抜けをしようとして海の様子を見に来たに違いないと、源八郎の言い分を信じない。
無断で小屋を抜け出したことは事実であり、自分たちが鍵を掛け忘れたことが問われては困る。源八郎は鍵をこじ開け、島抜けをしようとしたのだと古屋好太郎は保身をはかる。
島抜けとなれば死罪は免れない。源八郎は不運な男だった。蘭学者の使い走りをしていただけで捕らえられた。人に騙されやすく、利用されやすい男だったのだろう。それだけに罪を犯したという自覚がなかったのだ。

進之助は、船頭役の大野房二を説得し、源八郎は島抜けを思い留まったということにした。死罪にはならなかったが、後味の悪い出来事だった。
「侍が、つくづく嫌になりました」
「坂上様ともあろう御方が・・・」
さちは気弱な進之助を見るのは初めてだった。
「この後、御船手組がいつまであるか」
「えっ、御船手組がなくなるのですか」
「いや、すぐということではない」
進之助は、昨今の国の動きを掻い摘んで話した。
「そうでございましたか」
梅乃井にとって御船手衆は大事な客人だけではなく、さちにとっても切っても切れない関係にある。行灯の火がふっと吹き消されたように過去の闇が、さちの心に押し寄せてくるのだった。

進之助が訪れたことを知った佳乃は座敷に現れると、
「おいでなさいまし」
若女将としての挨拶をする。
「おお、若女将としての貫禄も付いて・・・」
進之助は目を細めて佳乃を見た。
「真吉とは仲睦まじく過ごしおります」
さちは二人の夫婦仲がよいことを強調したかった。
「それは何よりだ」
進之助は父親らしい気持を覗かせると、懐から櫛を取り出し、三宅島の土産だと言った。
「これをわたしに?」
佳乃は櫛を見て思わず、さちの顔色を窺った。

さちは胸の前で両手の指を強く絡ませて黙っている。
佳乃が、さちの手箱で見つけた柘植の櫛には色が付いていなかったが、進之助のくれた椿の櫛には真っ赤な彩色が施されていた。
「柘植の櫛は、使えば使うほど味が出るそうだ」
進之助がそう言葉を添えると、
「有り難うございます。大切に使わせてもらいます」
佳乃は素直に受け取った。
進之助は佳乃の言葉に頷き、父子の新しい関係が持てそうな気がするのだった。(つづく)





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Last updated  2023年03月07日 08時50分04秒


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