2006年12月04日
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                        くりすますの よるでした。

                        まちには、おおぜいの ひとが、
                        たのしそうに あるいて いました。

                        「まっち、かって ください。」

                        ぼろぼろの きものを きた、
                        おんなの こが さけびました。

                        でも、だれも かって あげる 
                        ひとは いません。


                        おんなの こは、なきだしそうです。                        



   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


                        ずいぶん大人になるまで、
                        私は、マッチ売りの少女のお話は、
                        クリスマスの晩が舞台だと思っていた。
                        それは、お話の一行のせいだ。

                        今、この文章を打ってみて、
                        自分の中に流れている文章の癖は、
                        この作品に起因するとわかる。

                        その一方で、私は、この絵本以外の
                        マッチ売りの少女の話を読んでこなかった。



                        比肩するもののない作品だったからであると同時に、
                        こんな哀しいお話は、
                        ほかでは読む気がしなかったからだろう。

                        このマッチ売りの少女の家には、
                        ひどい親が居て、

                         帰ってくるんじゃないよ。」
                        なんて言われて、
                        この少女は街角で、当時新発明品だった燐寸を
                        売っているのだった。

                        児童虐待、貧困、継子いじめ・・・
                        酒乱・暴力・貧富の差・・・


                        そんな言葉は知らなかったけれども、
                        彼女を取り巻く現実の厳しさは、
                        まだ本当に幼かった私の心にも、
                        ひりひりとした痛みを
                        しっかりと残していった。


                        しかし、その一方で、
                        実際に貧しい生活を送っていた私自身が、
                        夢のような、クリスマスツリーだの、
                        クリスマスのご馳走だのを初めて見るのは、
                        この絵本からだった。

                        当時、父はまだ大学院生。
                        妹は生まれたばかり、
                        母は、一人で、家族4人を支えて働いていた。
                        その母の、離れて住んでいた母親も継母で、
                        母の父親は、戦病死していて既に亡かった。
                        母の実母は、蒲柳の質で、母と母の妹を産んで、
                        まもなく亡くなっている。


                        父も、戦中戦後の混乱の中で、
                        実の母親に死別し、
                        再婚した私の祖母とは、
                        ほとんど同居したことも無かった。


                        今は、一緒に実家で暮らしているけれども。


                        私は、母方の祖母が、後妻さんで、
                        所謂「継母」であることは知っていた。
                        しかし、父方の祖母が「継母」だとは知らなかった。
                        中学2年生で同居する時、
                        初めて教えられたのだ。
                        隠されていたのでもなく、
                        単に知らなかったのだ。
                        教えられた理由がおかしくて、
                        物語の世界に生きていた私には、
                        「継母」とは悪人の代名詞だったので、
                        そんなことを不用意に口にしないように、
                        私の両親は慮ったのだ。                      


                        後になって読んだマッチ売りの少女の、
                        アンデルセンの語る色々なリアリティは、
                        お話をいっそう暗く感じさせるけれども、
                        この絵本の世界では、その陰惨さがない。
                        人形の美しさの故だと思えるのだ。                                               
                        デジタル修復って、可能なものなんだろうか? 






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最終更新日  2006年12月05日 00時07分18秒
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