2011年12月28日
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                         荷造りである。


                         父は、国立の水産大学校に勤務していたので、
                         全国の水産関係者には知り合いも結構ある。
                         岩手県の水産高校の教員をしておいでの方から、
                         毎年、生徒が実習で作る新巻鮭をお歳暮にいただく。
                         国産の海産物の新巻鮭だから、多分すごい値打ちのものだ。
                         おかげで、何十年もお正月には1本丸ままの新巻鮭が当たり前。
                         暮れには、アラを使った粕汁とか普通だった。

                         そのお礼とお返しを父はしたいのだが、
                         母のようには簡単にいかないのが現実だ。

                         母は相変わらず綺麗なしっかりした字を書くことができるが、
                         父は、昔日の面影をしのぶことができるかどうか
                         かなり文字を書くことにも筋肉が思うように行かず、
                         プライドが高いから、それが切なく、
                         礼状もなかなか書けないでいた。

                         しかし、新巻鮭の方は、先に私たちのお腹に収まってしまっているし、
                         このまま年を越せないだろうと思われるのだ。
                         一昨日、同じ日に、母に届いた物のお礼は、
                         昨日母が買い物に行ったときに、母は礼状も入れてもらって

                         父にも、母から声をかけたようだが、
                         父はそう簡単にはできない性分なのだ。
                         で、今日、父のために年賀状を出しに行ったあと、
                         予定を聞いたら、これから歯医者さんが入れ歯の手直しに来てくれる。
                         その後、昼食後に買い物に行きたい言う。

                         父が自分も用があるから一緒に行きたいと言い出すので、
                         別々に2度に分けて、母のを後回しにして、父と先に出かけた。
                         一緒に済まそうとすれば、どちらかが我慢する時間ができるからね。

                         最初に父と出かけたのはホームセンターで、
                         父は勝手知ったる店内を自分用のコロ付きバッグを杖代わりに歩く。
                         yumiさんに教えてもらった優れものだ。
                         で、欲しいものを買い込んで行って、探しているものがあるようだ。
                         荷造り用のガムテープと、簡易的なタッカーだという。
                         普通の人は80近い老人がタッカー探すとは思わないだろう。
                         多分、私も思わなかったけど、何食わぬ顔で、
                         さっきそこで見かけたからと案内した。
                         プロ仕様のタッカーは高い。
                         そこまででなくて良いと言うから、簡易品をしゃがんで取って渡した。
                         この、低い位置からしゃがんで物を取るのは、
                         今は父も母も苦手とする動作だ。
                         一応、何に使うのかを聞いたけど、
                         妹が後で怒ったり、母が困惑したりしてもいけないと思っただけで
                         父には父なりの考えがあってのようだったから、
                         バスポンプや給油ポンプと一緒にレジを済ませた。
                         次は、お礼の品、お菓子を買いに行くと言うので、
                         前日、母が行った店の入っている大型店に寄った。
                         父は母と違って決断が遅い。
                         暮れの忙しい時期に迷惑な客だろうが、
                         うろうろうろうろうろうろしている。
                         結局、3000円の洋菓子と、山口県の特産の外郎と、
                         地元産のボケ封じせんべい3袋とを買うことにした。
                         母の時の何倍も時間がかかっている。
                         しかも、自分で荷造りして家から送ると言うのだから・・・
                         目が点になった。。。
                         昨日、ダンボールは全部処理して、捨てに行ったのに・・・
                         もっと驚いたことに、
                         次に日本酒売り場に行くと言う。
                         ???????????????!!
                         こらこら、まだ懲りんと飲むのか?
                         そう思ったら、違うのだ。
                         荷物の中に、地元産の日本酒を入れて、
                         学生だった彼らと飲んだときのことを思い出して、
                         自分の代わりに一緒のつもりで飲んでもらいたいからという。
                         今まで、毎年、そうやって来たのだろう。
                         はいはい・・・でも、地元のお酒が無かった。
                         それで、上善如水だったかの中ぐらいの箱入りを勧めて、
                         それにしてもらった。
                         ところがその帰り道、
                         父が、自分で荷造りして送り出すのがずっと先になると言い出す。

                         ・・・はぁ?

                         私は思わず、「K子がするから」といってしまった。
                         年を越してしまったら、お菓子もお酒も人の集まりの中で供されない。
                         お正月にあるからこそ、楽しいものではないか・・・
                         「K子(私の名前)が箱を見繕って、詰め物もして、荷造りするから、
                          帰ったら、お父ちゃんは、礼状を書いてよ。
                          そしたら、同封して、明日には出しにいけるやろ。
                          明日出したら、年内には着くよ」

                          私も、今日は、父の礼状が間に合わないことを想定してそう言った。
                          しかし、母のためにパンジーや葉牡丹を買いに行くまでの間に、
                          私は、ちょうどのサイズの箱を見つけ出し、
                          中の物を別の箱に移して、荷造りをした。
                          母や妹が綺麗に捨ててしまったパッキング素材の代わりに
                          二つのリンゴ箱から詰め物を探し出し、
                          箱に収めて父に見せた。 
                          父は、愁眉を開いた。
                          そして、いそいそと礼状を書き上げた。
                          私が、母を乗せてパンジーと葉牡丹を買いに行き、
                          母の求めに応じてそれらを植え付け、
                          母と潅水し、施肥を済ませて部屋に戻ると、
                          父が封筒をさがしに来ていて、私にそれを渡した。
                          ガムテープで、パッキングして大急ぎで出しに行った。
                          岩手県は、明後日の到着と言われた。
                          良かった、とりあえず、年内に届く。
                          帰宅して、父に、「明後日には届くって」って報告した。

                          荷造りして出しに行くのは父がしてたら、いつのことやらだ。
                          ちょっとほっとした。

                          父も上機嫌だった。

                          ガムテープは、多分見つからなかった時のために、買ったのだろう。
                          父の3つある書斎の私の使っている部屋の机の上に使いさしがあった。。。                        





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最終更新日  2011年12月29日 00時06分05秒 コメント(6) | コメントを書く


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