ネット文芸館 木洩れ日の里

ネット文芸館 木洩れ日の里

PR

×

コメント新着

朽木一空と五林寺隆 @ Re:新宿に熊怖い(06/16) 笑左衛門さんへ 新宿、渋谷、池袋、銀座…
笑左衛門 @ 新宿に熊怖い ユニークな画像でびっくりしました。新宿…
イラン攻撃@ Re:時の家(03/05) イラン攻撃については、 0896240183 をど…
日差し@ Re:万作の花(02/22) 日差しの知りたいことは、0896244450 か…
聖書預言@ Re:置き爺(11/25) 神の御子イエス・キリストを信じる者は永…

カレンダー

キーワードサーチ

▼キーワード検索

サイド自由欄

このサイトに掲載している「文章と絵手紙画像の著作権」は、当サイト管理人に帰属しています。従って、無断で転載することをお断りします。

2014.12.27
XML
カテゴリ: 忍草シリーズ
ひょうたん.jpg


遠山の金四郎、元気がねえぜ。
腕で 疼くは 桜か梅か
小雨に 哭いてる 尻の痔か
町人の尻の穴でも覗いてみな、
桜吹雪がきれいだよ、

 しとしとと降る小雨が、びっしりと着いた庭先の梅の実に降りかかっていた。北町奉行遠山左衛門尉影元にはまだ、ことの顛末がよく呑みこめていなかった。辰巳芸者のぽん吉姉さんとの久しぶりの絡みあいのあたりから、記憶が無くなっていた。
 悪夢ではなかった。その証拠に、風呂に浸かると、肩から肘にかけて、刺青が浮かんでくる。鮮やかな刺青ではない、桜だか梅だか、判別もできない子供の悪戯のような汚い刺青である。とても他人様に観せられたものじゃない。それに、まだじくじく痛みやがる。

 尻にも何かが詰まっているような違和感は消えず、むずむずして痛む。登城するのも憂鬱だった。ぽん吉の「ご改革、緩めてくださいねぇ」という、脅迫も頭から離れないでいたのだ。


 天保の改革は老中首座の水野忠邦と南町奉行鳥居耀蔵、北町奉行遠山影元によって、推し進めれれていた。その効果が浸透し始めていたせいか、夜の江戸は火が消えたように静かになっていた。かって、本所深川あたりを放蕩三昧していた、遠山の金さんにとっては寂しいものがあった。
「これじゃあ、つまらねえや!」
 遠山影元は尻の痛みと、桜か梅か見分けがつかぬ刺青のお蔭で、改革の弊害に目が覚めたともいえた。あの日以来、影元の取り締まりはますます緩くなった。お目こぼし、とりこぼし、みてみぬふり、曖昧裁定で庶民側に立ち、半官贔屓好き、負け犬に味方する江戸っ子からは、名奉行遠山の金四郎と煽てられた。
「そうしねえと、ほんとに江戸から火が消えちまいそうだ」
 そうなると、鳥居耀蔵と遠山影元の対立は増々激しくなってきて、妖怪鳥居耀蔵の取り締まりは、意地になって、激しさを増し、江戸庶民からぼろくそに嫌われ、一方影元の人気は鰻登りだった。

(つづく)

作:朽木一空

※下記バナーをクリックすると、このブログのランキングが分かりますよ。
またこのブログ記事が面白いと感じた方も、是非クリックお願い致します。
にほんブログ村 ポエムブログ 心の詩へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2014.12.27 21:33:19
コメントを書く
[忍草シリーズ] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: