Paris Mon Amour

Paris Mon Amour

2008年03月08日
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カテゴリ: 文学その他
ずっと前から気になっていながら、なかなか読む機会のなかった梨木香歩著『 西の魔女が死んだ

話としては、いじめにあって学校に行けなくなった主人公が、一風変わった親類、ここではお祖母さんの家に預けられ、そのふれあいの中で強く成長してゆくという、ありがちなものです。

しかし、『 西の魔女が死んだ』には類似作品にはないいくつかの特徴があります。
一つはタイトルにもあるとおりの「魔女」という要素で、別に作品の中に魔法が出てくるわけではありませんが、この超自然的な話がうまく主人公に成長をうながす要素として使われています。ですが、魔法の導入というのはこの作品に限ったことではなく、『 西の魔女が死んだ』の最大の特徴でもありません。

それでは、『 西の魔女が死んだ』を特徴づける最大のポイントはなにかというと、それはノスタルジーであると言えます。

また、おばあちゃんの家を取り囲む豊かな自然。最近では珍しいとさえ言える様々な草木の描写。
そして、そういったよい意味での田舎が、実に郷愁を誘うように美しく描かれているのです。自然をただ単にていねいに描写しているだけではなく、死んだおじいさんの思い出と重ねるなど、追憶の世界を同時に語りかけてきます。

それゆえ、『 西の魔女が死んだ』はただの若者向けの読み物としてではなく、大人が読むに足る文学作品になり得ているのでしょう。
願わくは、この『 西の魔女が死んだ』が映画化される際に、ただの甘ったるいお涙ちょうだいのストーリーになっていませんように。

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最終更新日  2008年03月24日 04時02分46秒
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