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2014.12.05
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カテゴリ: 家で見た映画
ブルージャスミン.jpg


「ブルージャスミン」のブルーにはどんな意味があるのだろう。ジャスミンは主人公が気に食わない本名から改名した名前だというのがわかるが、ブルーというのは憂鬱なのか、それとも爽やかなのか。作品を見ると、どうもブルーマンデーのブルーと同じ意味のような気がする。つまり、気が重い、憂鬱な、うつ病などのこと。
さて、そんな彼女が、どうしてそうなったのか。それは、この作品を見ればわかる。
ニューヨークでのセレブの生活から家族崩壊の結果、独り身となったジャスミンは里子である妹のいるサンプランシスコへやってくる。オープニングはその道中、飛行機内から始まる。
セレブだったニューヨーク時代と落ちぶれたサンフランシスコの今と映像は行き来しながら展開する。場面が切り替わってもいちいちニューヨークだ、サンフランシスコだと注釈がないのは生活の落差もあって一目瞭然なためか、編集がうまいのか。監督ウッディ・アレンの手腕の見せ所、みごとというしかない。
心のバランスをとるためにひとりごとをブツブツと言い放つようになってしまったジャスミンは気味悪い。しかし、扇情的なフェロモンも醸し出していて、男をそそる美しさがある。何とか新しい生活、裕福な生活を取り戻そう、這い上がろうという意気はすごい。独善的でまわりを見ない、見えないところは金持ちの傲慢さでもあるように思えるが、それで生活できるセレブは、やはりセレブたるゆえんだろう。
家族崩壊し、人生もくるってしまった彼女が、侮蔑していた妹を頼り、何とか復活しようとする姿は良くも悪くも見るものを惹きつける。ケイト・ブランシェットの演技礼賛というべきか。
監督ウッディ・アレンは幸せを描かない人だと思える。人々の生活を切り取って、そこで起きる日常的、非日常的出来事を掬い取って、登場人物の心の動きを巧みに表出する。いいことばかりじゃない、というより悪いこと良くないこと不都合なことが多発する。それでも、人は生きていく。(こう書くとまるでチェーホフ「三人姉妹」だな)
この作品、落ちがないというか、一人の女性のある生きざまを切り取った作品だと言えよう。そして、比較対象の人物として妹が出てくる。暗澹たる気持ちで終わってしまうのは、どうにもやりきれない。

2013年/アメリカ/98分/G


出演:ケイト・ブランシェット、サリー・ホーキンス、アレック・ボールドウィン、ピーター・サースガード、ルイス・C・K、ボビー・カナベイル、アンドリュー・ダイス・クレイ、マイケル・スタールバーグ、タミー・ブランチャード、マックス・カセラ、オールデン・エアエンライク

原題:Blue Jasmine

お薦め度
ブルージャスミン 」★★★★(85%)





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最終更新日  2014.12.06 08:24:08
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