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「時ひらく」
辻村深月
伊坂幸太郎
阿川佐和子
恩田陸
柚月麻子
東野圭吾
すごい!この顔ぶれ。
「オール讀物」に 2023 年と 2024 年に掲載された短編とのこと。
“ 2024 年 2 月 6 日『時ひらく』 ( 文春文庫 ) 発売。
創業 350 年の老舗デパート「三越」を舞台にした 6 人の作家によるアンソロジー。“と
『時ひらく』 ( 文春文庫) 発売! | News | 伊坂幸太郎 Kotaro Isaka (ctbctb.com)
表紙が三越オリジナル包装紙「華ひらく」とおなじ模様であることに気づかず、書籍名『時ひらく』が包装紙名にかけてあるということに今、気づく。
実力派の皆様なのだけれど、幻想的内容に抵抗を感じ、ささっと読み始めた。
「思い出エレベーター」辻村深月
「 Have a nice day! 」伊坂幸太郎
「雨あがりに」阿川佐和子
「アニバーサリー」恩田陸
「七階から愛をこめて」柚木麻子
「重命 ( かさな ) る」東野圭吾
伊坂幸太郎のみ仙台の三越であり、他の人は日本橋三越本店を取り上げている。日本橋三越本店でのあれこれを時空を越えて書いているのだけれど、一人、東野圭吾だけは違った。三越が出てこないのである。しかも、“ガリレオ”こと湯川教授が出てくるのである。湯川教授と草彅刑事と事件。それだけなので、思わず三越縛りはどうなった!?と思わずにはいられなかった。そのように感じた頃、ようやく土産物として三越が出てくる。それだけか、と思ったら、やはり、土産物として三越が出てくる。たいそうな品物、ありがたい土産物、三越が貴重なものという印象を残す。お題に対してのアプローチの違い、シリーズの登場人物を使うという手駒で秀逸な短編を書き上げる手練れさ。著名作家のアンソロジーにおいて、頭抜けた作品であった。
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