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2003.02.21
「チボー家の人々」 ロジェ・マルタン・デュガール
(6)
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二十歳の頃夢中になった本にまた久しぶりに再開した。これは5分冊になっているんだけれど、なかなか1が図書館に返ってこなくて、ようやく返ってきてまた読むことが出来た。
この物語の、情熱的な革命家の主人公ジャックに憧れた二十歳の時の想いが、今再読して同じようによみがえってきたのが嬉しかった。いいものはいくつになって読んでもやっぱりいいんだなと思う。
この物語の冒頭で、主人公のジャックが親友と交わしていた秘密の交換日記のノートを、ある教師が無断で取り上げるところが出てくる。キリスト教の神父なのだが、思想的に問題があるということで、それを「指導」しなければならないという使命感に駆られて、善意から卑劣な行為に及ぶわけだ。親友の名前はダニエルというのだが、そのダニエルの母親は、教師からその取り上げたノートを見るように言われたとき、毅然として次のようなセリフを教師に告げる。
「みなさま、わたくしはぜったいに一行も拝見いたさないつもりでございます。あの子の秘密を、あの子の知らない間に、大勢の前で暴き、しかもあの子に言い開きの余地さえ与えないなんて!わたくしはあの子を、そうした取り扱いを受けるようには育てて参りませんでした。」
これはものすごくまともな考え方だ。でも、教師には分からなかった。自分の善意が踏みにじられたように感じていた。この感覚は、教師の世界にいるとよく分かる。教師は、善意と使命感があまりにも強いので、自分が人の心を踏みにじっていてもそれに気づかないで、善意と使命感の方が勝ってしまうのだ。これはかなり気をつけていないと、職業としての教師が落ち込む罠だと思う。
マルクスの言葉に「地獄への道は善意によって敷き詰められている」というのがあったけれど、その道は善意によって敷き詰められているだけに、それからはずれて別の道を歩くのがとても難しいのだ。善意などなければすぐにそんな道を捨てることも出来るのに。
僕は教師の体罰にも絶対的に反対だ。暴力そのものに反対ということもあるけれど、善意による、教育という目的でふるう暴力は、単純な暴力よりも悪いと思っている。それは地獄へ通じる善意だと思うからだ。単純な暴力なら、相手を軽蔑することも出来るし、忘れることも出来る。それが善意あふれるものであった場合、暴力をふるわれた方が自分を悪く思わなければならないなんてのは、絶対に理不尽なことだと思う。
昨日は、夜間中学の設置を求めるための人権救済の申し立てというのを日本弁護士会館で行った。夜間中学は全国に34校しかないので、せめて一つの県に一つは作って欲しい、それがないのは人権侵害だということを申し立てるというものだった。
その記者会見と、その後の集まりで、僕の尊敬する先生に関してのエピソードを、夜間中学の卒業生が語ってくれた。
普通の教員なら、規則でそうなっているのなら仕方がないと引き下がるんだけれど、この先生は違った。その人がいかに努力する人間であるか、今は出来ないことがたくさんあるけれど、訓練所で学ぶことが出来れば、必ずそれをやり遂げるだけの熱意と能力があることを、その場で熱弁をふるったということだ。その先生の姿が目に浮かぶようで、思わず目頭が熱くなるものを感じた。どうして、規則にとらわれず、教員としての常識を越えた行動がとれるのだろうと思う。
その先生にその理由を聞けば、きっと一言簡単な答えが返ってくるだろうと思う。「それは生徒に育てられたからだ」と。その先生を見ていると、それが本当に心からそう思っていることがよく分かる。
教師は、普通に普通の学校で育てば、「チボー家の人々」に描かれていたように、善意と使命感で子供を支配する教師に育つ。善意と使命感では解決出来ない個性を持った生徒が集まっている夜間中学で、生徒を支配することなく、互いに学び合う関係を持つ教師が育つというのは、教育というものを考え直すきっかけにしてもらえないだろうかとも思う。そういう想いを抱いて夜間中学のドキュメンタリー映画を作ろうとした監督がいる。そしてこの3月にそれが完成する予定だ。
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最終更新日 2003.02.21 09:13:58
コメント(6)
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Re:「チボー家の人々」 ロジェ・マルタン・デ(2/21)
ゆうらり
さん
出ました!チボー家の人々、私が夢中になったのは中学時代?(おませだったから)差し引きして年齢を・・・うーんそんなことじゃない。あの頃なんであんなに長いものを・・と思うのですが、もうジャックと一緒に生きているような感覚で読みました、年齢も近かったからか?今読み返したらどんな感想になるか、想像もつきません。 (2003.02.21 11:54:47)
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Re:「チボー家の人々」 ロジェ・マルタン・デ(2/21)
まき~♪
さん
秀さん、こんにちは。
とても読みがいがありました。
「地獄への善意」って、特に親子のように距離がない場合、
起こりやすいことだと思います。
いつも自分なりを見直す力と、価値観を問い直すことは、
していないといかんなあ~と思う今日この頃でございます。(反省!)
わたしも、大好きなロマン・ロランの話など、いつか書いてみたいと思っているところです。
ほんと、「いいものはいつになってもいい」です。
チボー家もいつか探して読んでみようと思います。
それでは。
(2003.02.21 12:28:05)
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Re:「チボー家の人々」 ロジェ・マルタン・デ(2/21)
黒豚しゃぶ
さん
善意と使命感。。
これは、家庭でも考えなきゃいけないことですね。
今、子供を虐待する親が増えてきてるようです、
虐待された子供は、
必ず自分を責めるそうだし
親をかばい、親の愛を待ち焦がれている姿、
せつなくなります。。
こちらでもやっと、単位制の高校が出来ました。
でもまだまだ、たくさんの課題があるようです。
映画、ついに完成ですか。。
ずっと聞いてたから、是非みたいです。。
地方にいても見れるのかしら? (2003.02.21 17:54:30)
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Re:「チボー家の人々」 ロジェ・マルタン・デ(2/21)
uminpa
さん
確かに、暴力をふるわれた方が、自分を悪く思わなければならないっていうのは、普通に考えるとおかしいですね。「殴られて当然」なんてことはあってはいけないですもんね。(-"-)
高1の時、クラスのある子が髪を染めてて、先生が直せと言ったら反発して暴言吐いたんです。
そしたら先生はその子の事を出席簿で殴ったんです。もう授業始まるところだったんですけど、その子が教室から泣きながら出て行ったら、追いかけてまた殴ってて、教室に残された私たちは呆~然としてたのを覚えてます。
この先生、その子の髪が茶色かったから殴ったんじゃなく、その子に言われた言葉に腹が立ったから殴ったんだと思うんですよ。髪が茶色いからって殴ってももちろんダメですけど、それ以上にダメすぎると思いました。
うちの学校は、先生に暴言吐く生徒が結構いるんですけど、そういう生徒は凄く子供っぽいと思います。でもそれに腹を立てて「校長のとこに連れてくぞ!」「親に電話するぞ!」「退学させるぞ!」と言ったり、殴ったりする教師も、子供っぽいなぁと思います。 (2003.02.21 20:36:27)
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Re:「チボー家の人々」 ロジェ・マルタン
tomoko103
さん
≠アんばんは。
教師という職業を離れて考えてみても、
善意からよけいなおせっかいや、自分の意見を押し付ける人って世の中たくさんいますよね。
話はちょっと違いますが、
夫の彼女に言われたんです。
「まだやりなおせる年令なんだから貴方にもはやく
いい人ができてお嫁にいけるまで見守りたい」って。
なんか言われた瞬間は、私の事まで考えてくれてるのかなぁ。と思ったのですが、少しして、?待てよ
なんで私がこんな事言われなきゃならないんだ?
って不思議でした。どうしてこの人はこんなにデリカシーのないことが言えるのだろう。
悪い人じゃないのはわかるけど・・・
これこそ、よけいなお世話なのでは?なんか、傷つくなぁ。
私の事を傷つけようとして言ってるのではないのはわかるのですが・・・
どう、おもいます? (2003.02.21 23:51:16)
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Re:「チボー家の人々」 ロジェ・マルタン・デ(2/21)
あみん0203
さん
>夜間中学のドキュメンタリー映画を作ろうとした監督がいる。そしてこの3月にそれが完成する予定だ。
公開の時は、是非教えてくださいね。見たいです。だけど、メジャーでなかったら、一部の都府県だけかもしれないね。 (2003.02.22 21:23:34)
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