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2005年08月14日
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カテゴリ: 考古学


『日本全国見学できる古代遺跡100』(文春新書)を参考に瀬戸内市(旧邑久町)にある門田貝塚と郷土資料館を訪ねた。

門田貝塚は遺跡公園になっている。弥生時代前期から鎌倉時代に及ぶ集落遺跡。ここから出た弥生時代前期後半の土器は『門田式』と命名され、瀬戸内沿岸地方の時代を測定する場合の指標となっている。公園には弥生後期の竪穴住居を二棟復元している。カヤぶき屋根の立派な住居だ。少しきれい過ぎるのもどうかと思うが、横壁をコンクリートで固めているのは興ざめ。又、住居の扉が閉ざされていて見学出来るようになっていない。学問的には非常に怪しい復元住居では在る。

そのあと旧邑久町役場のすぐそばに在る『郷土資料館』に行く。鉄筋三階立ての小学校をそのまま資料館に使っていて、考古学資料は2階の4部屋を使っている。まずびっくりするのはその考古資料の数の多さである。門田遺跡だけではなく、旧石器から中世まで満遍なく数多くの遺物が展示されていて、展示している数の多さだけなら県立博物館より多いだろう。しかも、一応すべての展示物に説明が付いている。

しかも私の初めて見るような考古資料が多く、びっくりした。熊山田遺跡(弥生)の人形型土製品の表情の豊かさ、水落古墳(7C)の家型陶棺の巧みさ、高砂山古墳から出土した内行花文鏡。堂免遺跡(弥生前期)の円形周溝墓。どうしてこの博物館が今まで注目されていなかったのか。

注目すべき遺物があった。国城遺跡(弥生中期後葉)出土といわれている器台形土器。この大きさが50~60cmくらいあって、特殊器台といわれても通用する大きさであり、しかも脚部に竜?の抽象化した線刻絵画があるのである。これは祭祀用の器台だと考えるほうが自然ではないか。ところが、私は特殊器台が邑久地方から生まれたという説を聞いたことが無い。

私がこのことを注目するのは訳がある。吉備地方から始まった特殊器台はその祭祀方法がやがてそのまま大和政権に受け継がれる。(ここまでは現代考古学の定説)それは吉備の主要メンバーが大和に移った証拠だという説が今大きくなっている。(近藤義郎『前方後円墳と吉備・大和』)つまり、特殊器台の源が吉備にあったのではなく、二つ河を隔てた吉井川東側にあったかどうかというのは、日本史の内容を決定付ける重要なファクターなのである。

もしこの遺物が特殊器台の直前の姿だったとしたら、いったい何が理由で彼らの主体は吉備に移ったのかということが問われなければならない。

新たな謎が生まれたお盆休みの遺跡めぐりでした。






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最終更新日  2005年08月15日 00時42分51秒 コメントを書く
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