再出発日記

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2014年01月31日
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テーマ: 本日の1冊(3719)

「なつかしい町並みの旅」吉田桂二 新潮文庫

この前の香川のうどん巡礼に出向いた際に古本屋で買った一冊です。表紙は大分県臼杵である。一度歩いたことがある。一目見て「あゝ懐かしい」と思った。ところが、何処にも表紙絵の説明が無い。著者が文章で取り上げているのは、臼杵の少し北の杵築なのでなおさらである。しかしスケッチの中にある「一の井手」という銘酒の看板を検索して確信した。

著者の絵はプロ級だけれども、職業は一級建築士である。それは、町並みのスケッチと共に綴られいる文章を読むとよく分かる。
「瀬戸内型の町家の形を写生すると、屋根は本瓦葺の入母屋(いりもや)形、下り隅棟(すみむね)の先をはね上げ、大棟の先端は鬼板(鬼瓦)でとめ、その上に鳥衾(とりぶすま)という細丸瓦が天を指すように据えられる。細丸瓦ではなく、帆掛け船の帆をかたどったもの、鯱型も多い。豪壮で重量感のある屋根だ。壁は蔵造りか塗屋造りで、白漆喰が原則だが黒もある。一階の開口部は連子格子(れんじこうし)、二階は塗り回しの虫籠窓(むしこまど)が普通だ。端的いうとお城と同類のつくりである。」(150p広島県 鞆の章)
今ではなかなか使われない建築用語のオンパレードである。反対に言えば、とても勉強になる。ここに採用された町並みに行きたくなる。

しかし、日帰りで行けそうな所(広島県鞆の浦、岡山県吹屋、京都伏見)は何度か行ってブログでも紹介した所だった。それでも文章読むと大いに参考になった。また行きたくなる。

祝島も採用されていた。石塀の説明も具体的。そして、謎だった塀が建物にくっつく造り方の原因を推測して「用地が狭い」「風雨が激しく、石塀と建物を一体化して強靭な外壁として利用している」と書いている。新しい知見である。しかも、船で運ぶから大変な出費なはずの屋根が全て本瓦なのは、風雨に対して強い屋根が欲しかったせいだろうと喝破している。なるほどである。もちろん著者が祝島に最後に行ったのは1979年。上関原発で話題になる以前である。

ここで採用されている所で行きたいのは、東北の羽黒手向、関東の山奥の稲荷山、奥丹後半島の伊根、奈良の大宇陀、大分の杵築、対馬の厳原、天草の西の果て崎津などであるが、いずれも大旅行をしないといけない所だ。

とりあえずの目標は江戸時代初期に銀山で賑わい、江戸が人口40万の頃になんと人口20万人を数えたという島根県大森に行くことにしよう。

2014年1月18日読了





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最終更新日  2014年01月31日 13時12分29秒
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