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11月に観た映画は6作品だった。一作は10月に観たのを感想書き忘れたもの。だから、実質5作品しか見ていない。秋になって大きく鑑賞作品数が減少している。これはひとえに〆切地獄に引っかかったためである。今年はこれで推移するので、はたして年間100作を超えるかどうか不安だ。前半3作品を紹介する。

「ローサは密告された」
登場人物全員に共感はしないが、全員根っからの悪人とも思えない。その背景には、貧しく歪な開発が行われている東南アジアの現実があるのだろう。
警官たちの巧妙にしかしあまりにもセコい上前はねの仕組みを見事に映像化しているだけでなく、カネを作るためにローサの息子娘たちが行く街の映像が、見事にフィリピンの現実を表していた。なかなかの力作。
(解説)
東南アジア最大のスラム街を擁するマニラ。この無法地帯でただ毎日を生きる、ある女の物語。
ロドリゴ・ドゥテルテ大統領による過激な麻薬撲滅への道程をここに見る。
ローサはマニラのスラム街の片隅でサリサリストアを夫ネストールと共に経営している。かつての日本の下町のように、密接して暮らす人々のつながりは深い。ネストールはいつもだらだらしてばかりだが気は悪くない。店を切り盛りするのはローサ。ローサには4人の子供がおり、彼らは家計のため、本業に加えて少量の麻薬を扱っていた。ある日、密告からローサ夫婦は逮捕される。さらなる売人の密告、高額な保釈金……警察の要求はまるで恐喝まがいだ。この国で法は誰のことも守ってくれない。ローサたち家族は、したたかに自分たちのやり方で腐敗した警察に立ち向かう。
2015年現在のフィリピンの貧困率は約22%、その多くがひしめき合ってスラムに暮らしている。スラムでは犯罪は絶えず、薬物常習者、密売人も多い。しかし、警察は押収した麻薬の横流しや密売人への恐喝など“捜査”の名のもとに私腹を肥やし、悪事がバレそうになれば暴力も殺人もいとわない。ロドリゴ・ドゥテルテ大統領就任後、麻薬に関わる者は警察・自警団により超法規的に殺され、恐れをなして自首する者が後を絶たず、刑務所の収監人数を大幅に超えているという。一般市民が貧困から麻薬密売に手を染めた結果、警察から命を狙われるという麻薬撲滅戦争の恐怖の連鎖が、『ローサは密告された』に垣間見える。
第69回カンヌ国際映画祭主演女優賞受賞!
本年度アカデミー賞外国語映画賞フィリピン代表!
世界三大映画祭でも高く評価されているブリランテ・メンドーサ監督最新作。
45歳のデビュー作「マニラ・デイドリーム」で第58回ロカルノ国際映画祭ヴィデオ・コンペ部門金豹賞を受賞し、「第3黄金期」と呼ばれる現在のフィリピン映画シーンを牽引しているブリランテ・メンドーサ。世界三大映画祭であるカンヌ、ヴェネチア、ベルリンすべてのコンペティション部門でその作品が上映され、世界中で50を超える賞を獲得、第62回カンヌ国際映画祭では「キナタイ-マニラ・アンダーグラウンド-」で監督賞を受賞、クエンティン・タランティーノやショーン・ペンがその才能を絶賛するなど、世界中で高い評価を得ている。本作は第69回カンヌ国際映画祭で、クリステン・スチュワート、シャーリーズ・セロン、レア・セドゥ、イザベル・ユペールらを抑えて、ローサを演じるジャクリン・ホセにフィリピン初の主演女優賞をもたらした。審査員のひとりだったドナルド・サザーランドはホセを「超一流の演技」と絶賛し、キルステン・ダンストはラストシーンで感極まって落涙したと告白している。第54回ヒホン国際映画祭監督賞受賞、本年度のアカデミー賞外国語映画賞フィリピン代表にも選出。世界から熱くし支持された『ローサは密告された』がまもなく日本に上陸する!
2017年10月22日
シネマ・クレール
★★★★

「ブレードランナー2049」
2019において、なぜレイチェルのみが生きることが許されたのか?その謎がここで解き明かされる。
しかし、それが本当なのだとしたら、レプリカントとは何なのか?異常な筋肉と、新世代は従順な性質を持つという以外、もうひとつ決定的な性質以外は人間と同じ。感情もあれば、涙も流す。
2021年6月10日は、後に地球の歴史において、大きな画期となるかもしれない。
今回、新世代レプリカントのKには、バーチャルな彼女が登場する。そういう意味では彼女も、学習を重ねて涙も流すし、相手に合わせて実に可愛らしい「心」を持つ。しかも、自分で判断したのか、他の女性レプリカントと同期して身体の関係さえ持つのである。そういう意味では、今回は彼女と人間の違いは何か、ということさえ問題になるだろう。
Kにせよ、その「彼女」にせよ、そして人間にせよ、どこがどう違うというのか、答えの出ていない問が、約3時間のゆっくりとして濃密な映像の中で、何度も問われる。そのために、こういう長大な上映時間が必要だったのだろう。
Kが最後まで「特別な存在」なのではないかと思っていたが、ラストカットで、明らかになった。それはそれで疑問の余地は無いだろう。
レプリカントとは何なのか?今のところ、「エイリアンシリーズ」のアンドロイドとは、違う系統のようだ。でもまだ数十年間あるので、どうなるかはわからない。
STORY
2022年にアメリカ西海岸で大規模な停電が起きたのをきっかけに世界は食物供給が混乱するなど危機的状況を迎える。2025年、科学者ウォレス(ジャレッド・レトー)が遺伝子組み換え食品を開発し、人類の危機を救う。そして、元捜査官デッカード(ハリソン・フォード)が突然行方をくらませて以来30年の月日が流れた2049年には、レプリカント(人造人間)の寿命に制限がなくなっていた。
キャスト
ライアン・ゴズリング、ハリソン・フォード、アナ・デ・アルマス、シルヴィア・フークス、ロビン・ライト、マッケンジー・デイヴィス、カーラ・ジュリ、レニー・ジェームズ、デイヴ・バウティスタ、ジャレッド・レトー
スタッフ
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
脚本・原案:ハンプトン・ファンチャー
脚本:マイケル・グリーン
製作:アンドリュー・A・コソーヴ、ブロデリック・ジョンソン、バッド・ヨーキン、シンシア・サイクス・ヨーキン
製作総指揮:リドリー・スコット、ビル・カラッロ、ティム・ギャンブル、フランク・ギストラ、イェール・バディック、ヴァル・ヒル
共同製作総指揮:イアン・マッグローイン、オーサ・グリーンバーグ
共同プロデューサー:カール・O・ロジャース、ダナ・ベルカストロ、スティーヴン・P・ウェグナー
撮影:ロジャー・ディーキンス
プロダクションデザイン:デニス・ガスナー
視覚効果監修:ジョン・ネルソン
衣装デザイン:レネー・エイプリル
音楽:ベンジャミン・ウォルフィッシュ、ハンス・ジマー
上映時間
163分
2017年11月9日
Movix倉敷
★★★★

「マイティ・ソー バトルロイヤル」
最初はそうだったのかもしれないが、だんだんそうではなくなったと思っていたのだが、今回究極の「女神」が出てきたことで、やっぱりこれは壮大な姉兄弟の兄弟喧嘩なのだと思えてきた。人類の昔から、神様の兄弟喧嘩は、下界を巻き込むのである。
結局毎回毎回彼らは死なない。
ロキはもちろんのこと、ヘラの最期も描かれてはいないので、今度も出す気満々だろう。
それにしても、ナタリーポートマンとは別れてしまったんだ。「振られた」のか「お互い振った」のかは藪の中。残念だ。アンソニー・ホプキンスも退場させた代わりに、今度はケイト・ブランシェットをソー組に入れた。イドリス・エルバという神様の仲間入りにふさわしい女性も入った。もうしばらくは、何作かは作られるだろう。
テーマ音楽の壮大さが、とっても仰々しくて、マンガちっくな映像にあっていた。いいチョイスだったと思う。
STORY
アベンジャーズのメンバーであるソー(クリス・ヘムズワース)の前に、邪悪な敵ヘラ(ケイト・ブランシェット)が出現する。ヘラはソーの武器ムジョルニアを破壊し、ソーを宇宙の果てへと飛ばしてしまう。とらわれの身となったソーは、脱出を懸けてチャンピオンと対決することになり、彼の前に現れたのは……。
(キャスト)
クリス・ヘムズワース、トム・ヒドルストン、ケイト・ブランシェット、イドリス・エルバ、ジェフ・ゴールドブラム、テッサ・トンプソン、カール・アーバン、マーク・ラファロ、アンソニー・ホプキンス、
(スタッフ)
監督:タイカ・ワイティティ
脚本:エリック・ピアソン
ストーリー:クレイグ・カイル、クリストファー・ヨスト、エリック・ピアソン
2017年11月12日
Movix倉敷
★★★☆
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