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2021年10月11日
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「プラチナエンド」全十四巻 大葉つぐみ・作 小畑健・絵 集英社コミックス

「デスノート」で、人を自由に殺せる究極のノートを、犯罪者撲滅で世界平和を実現させる考えを持った独裁者に持たせたらどうなるかを実験したのが前作だった。今回はその反対を目指した。

死神ではなく、天使を登場させて、欲望薄い死にたがりの若者に、神になる能力を与えた。人を惚れさせてコントロールできる赤い矢、人を殺せる白い矢、一瞬で世界を飛び回れる翼。


誰が神になるのか、前半は神候補達の「バトル」を描いたけど、後半はそもそものテーマが出てくる。人間は結局はこの絶望的な世界で生きていていいのか?という問いかけである。

「自殺は人間にしかできない死に方だ」
「いや、人間にしかできない1番不幸な死に方だ」
このような問答がずっと続く漫画である。

今回は、正面から哲学的な問いをテーマにしてしまったので、詰将棋のようなデスノートとは違って、かなり粗が目立った気がする。(書けばネタバレになるので分かる人には分かる書き方で言えば)「指パッチン」はないでしょ。別の言葉で言えば、荒唐無稽になった。でも、デスノートを描いた以上、別の視点から「生きる意味」は描く必要があったのだろうと受け止めた。コレは大葉つぐみの誠実さだろう。

ストーリーの大葉つぐみは、一応哲学的な答えを出しているかのようではあるけれども、そもそも、そういう神様は「まだ現実には実在していない」のだから、この結論が「正しい」かどうかの検証は不可能である‥‥若い人たちには、そこのところを間違えないでもらいたいと切に望む。

まあ、面白かった。

神候補はなんと「体」で数えられていた。‥‥「柱」じゃないんだ。

星に願う時「世界が平和になりますように」
という有名サイボーグ漫画のパロディがあったり、
デスノートで出てきたさくらテレビが活躍していたり、
それなりに作者も楽しんでいるようです。

2016年第一巻発行、2021年十四巻完結。大葉つぐみ先生、次は妖怪でしょうか?





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最終更新日  2021年10月11日 22時35分09秒
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