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日本の小惑星探査機「はやぶさ2」がこの4月に地球近傍小惑星 「リュウグウ」に人工クレーターを造ったことは、宇宙探査史上、アメリカさえ成し遂げていない快挙だった。
◎「リュウグウ」よりはるかに小さな小惑星の落下でも大クレーター
リュウグウに出来た小さなクレーターをテレビで観て、昔、アリゾナの砂漠で偶然、立ち寄って観望したバリンジャー隕石孔の大きさを思い出した(07年12月24日付日記「大隕石、来年火星に衝突か、地球近傍小惑星の恐怖:ツングースカ、バリンジャー隕石孔」を参照)。
クレーターの縁に設けられた展望台から観ても、35ミリレンズに納まりきれない大きさに、深く感動したものだ。
5万年前頃、まだ北米に人類がいなかった前期更新世後期に隕石が衝突し、直径約1200メートル、深さ170メートル、周囲の砂漠から縁までの高さ45メートルの巨大なクレーターを造った( 写真
)。それは、10メガトンという巨大核爆弾の爆発に相当する衝突エネルギーだったというが、それを造った小惑星は直径30~50メートルで、「リュウグウ」よりもさらに小さかった。
◎恐竜絶滅させた6600万年前の大衝突は地球史上3番目
ただ僕が驚くのは、これでも地球史では、もっと大型の小惑星が衝突したことのあることが分かっていることだ。
例えば6600万年前の白亜期末、ユカタン半島に衝突し、恐竜やアンモナイトを絶滅させた小惑星は、直径10キロほどだった(「チクシュルーブ大隕石」という)。これは確認されている限り、地球史上第3位の小惑星衝突だ。
しかしこの上には、さらに2つある。第2位は、18.5億年前の小惑星衝突で、その後の地殻変動で今はほとんど失われてしまったがこの衝突で生成された「サドベリー隕石孔」は生成時には直径200~250キロもあったと推定されている(カナダ)。
◎南アフリカのフレデフォート衝突は破局的
それでは第1位は?
それが、「フレデフォート・ドーム(Vredefort dome)」で、南アフリカ共和国フリーステイト州にある。
今から20億2300万年前頃に、直径10~12キロの小惑星が衝突して、フレデフォート・ドームが生成された。衝突時のエネルギーは、87テラトンで、広島型原爆の58億個分である。
この小惑星が、海中にまだ原始的な生命しかなかった古生代に衝突したことは幸いだった。この衝突エネルギー規模だと、現代なら世界は終わりかもしれない。
ただこの衝突は、現代世界でも重要な意義を有している。膨大な衝突エネルギーで、地殻が溶解・攪拌されて金鉱床が形成されたというのだ。そうなのだ、南アフリカが世界に冠たる産金国であるのは、このフレデフォート衝突体のおかげなのである。
◎クレーター遺残は20億年後の今も残って世界遺産に
衝突以来、20億年以上もたっているが、衝突時に直径300キロほどもあったとされる巨大ドームの一部が今でも50キロほど残っている( 写真
)。



この現存する限り、世界最大・世界最古の小惑星衝突跡は、2005年に世界自然遺産に登録された。
しかし惜しいことであった。6年前、僕はツアーで近くまで行っていたのだから。僕の参加したツアーは、やはり世界遺産である猿人遺跡のステルクフォンテインに行っているが、フレデフォート・ドームは予定に入っていなかったのだ。
もう行けないかもしれないが、できれば観てみたかった。
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