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2026.09.08
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カテゴリ: 古生物学、進化
 アルゼンチンの古生物学チームが、約2億3700万年前のワニの仲間の化石を発見した。刃のように平たく、ノコギリのように縁がギザギザになった歯を持つこの動物は、大型恐竜が現れて王座につく前の三畳紀の陸上を支配していた。論文は6月8日付けで学術誌「Papers in Palaeontology」に掲載された。
◎2.37億年前の三畳紀の頂点捕食者シャカルラ・リオハネンシス
 鼻先から尾の先まで、新種シャカルラ・リオハネンシス( Shakajlura riojanensis 想像図 )。時には体長7~8メートルに達するものもある現生のイリエワニ( 写真 )と比べれば、さほど大型とも思われないが、三畳紀の動物相はかなり小さなものが大半を占めていた。だから当時の生態系に生息していた中では頂点に立つ捕食者だった。





 約2億5200万年前にペルム紀を終わらせた史上最大級の大量絶滅「グレート・ダイイング」( 想像図 =海洋生物の97%と陸上生物の70%を絶滅させた大量絶滅)の後に生物たちが回復してきた時代についてはまだほとんど解明されていない。今回の発見は、この時代に関して新たな知見をもたらすものだ。



◎命名は「祝福されたトカゲ」
 2017年、アルゼンチンのラ・リオハ州にあるチャニャレス層で三畳紀中期から後期にかけての化石堆積層を発掘していた研究者たちは、岩から突き出している上顎骨の一部に気がついた。彼らは他の数点の化石とともにそれを掘り出し、ラ・プラタ博物館に送った。
 研究チームが発見した化石は、頭蓋、上顎と下顎の一部、背骨、四肢の断片、骨盤の一部だった。彼らはこれらを総合的に検討し、自分たちが発見したのは、古代のワニの仲間であるパラクロコディロモルフ類だと考えた。
 彼らは学名を、化石が発見されたラ・リオハ州(La Rioja)と、この地域の先住民のディアギータ族がかつて話していたカカン語で「祝福されたトカゲ」を意味する言葉にちなみ、「シャカルラ・リオハネンシス」とした。

◎動きの鈍いディキノドン類を獲物に
 シャカルラは、短剣のような歯がずらりと並んだ顎を使って、ディキノドン類(哺乳類の遠い親戚にあたる単弓類で、大型の植物食種もいた)などを捕食していたと考えられる。ワニ類が半水棲の生活様式に適応したのはずっと後のことなので、シャカルラは現生のワニのように水辺で腹這いになって獲物を待ち伏せするのではなく、胴体の下に脚がまっすぐ伸びた姿勢で、陸上で獲物を追いかけ回していた可能性があるらしい。

◎理解の乏しい空白の時代
 2億5200万~2億3700万年前の三畳紀前期から中期にかけての生物多様性については、この時代の化石層があまり見つかっていないため、後の時代に比べて理解が進んでいない。けれどもこの期間は、地球全体の生態系に大規模な変化が起こった時代として、古生物学者にとって重要だ。
 「グレート・ダイイング」の間、大規模な火山噴火によって放出された二酸化炭素や二酸化硫黄が海に溶け込み、海洋の無酸素化や酸性化を引き起こした。これらの変化により、地球上の大半の種が絶滅し、生物多様性が回復し始めるまでには数百万年の時間を要したと考えられる。
 三畳紀が始まった時、いったんリセットされた動物相の中で、ほとんどの動物は、後のジュラ紀や白亜紀の生物とは比べものにならないほど小さかった。

◎新しい時代の「暴君」たち
 ただ、三畳紀は研究が難しい時代だ。ペルム紀末の大量絶滅があったため、その後の生態系に関する理解に空白が生じているからだ。
 シャカルラの支配の終焉は、そうした空白の1つなのだと研究者は言う。この動物が絶滅した原因が何だったのか、はっきりしていない。これらの巨大なワニの系統の多くがなぜ三畳紀の終わりに絶滅してしまったのかは、一種の謎なのだ。
 もしかすると、シャカルラは数が比較的少ないわりに生息域が広大で、環境の乱れに対して弱かったのかもしれない。初期の肉食恐竜との競合も絶滅の原因の1つになったかもしれない。
 シャカルラがどのようにして頂点捕食者の地位を追われたにせよ、その発見は、大型の恐竜が登場して陸の覇者となる前に、ワニのような生物が地球の一部を支配していたことを示す一例となる。そして彼らの遠い親戚、かつての偉大な王朝の末裔は生き残り、以来2億3700万年間、あらゆる獲物を噛み砕いてきたのだ。

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Last updated  2026.09.08 05:24:26


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