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2026.09.26
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カテゴリ: 天文学
 今回、NASAによって打ち上げられたローマン宇宙望遠鏡( 写真 =開発の最終段階の作業が進むローマン望遠鏡、2025年11月)のもう1つの重要な観測対象は、系外惑星だ。



◎見つかるか、「第2の地球」
 文字どおり太陽系以外の惑星のことで、中性子星の周りに1992年、恒星の周りにあるものでは95年に、初めて見つかった。既に6300個以上が発見済みだ。
 恒星の至近に木星のような巨大な惑星や、灼熱の岩石惑星が次々見つかるなど、太陽系とは大きく異なる様相が分かってきた。旧来の惑星形成の理解に修正を迫っている。酸素やメタン、水など、生命がいてもおかしくないサインがある「第2の地球」が見つかるかどうかが、大きな関心事となっている。系外惑星の研究は、「他者」を知ることで太陽系や地球、生命存在の理解を深めることに、大きく寄与している(系外惑星の 想像図 )。



◎系外惑星、広範な把握目指す
 ローマン望遠鏡は広視野撮像装置を使い、銀河系の中心付近にある系外惑星を1400個ほど発見すると期待されている。その手法は、惑星の重力がレンズのように働き、背後を通り過ぎる恒星の光を増幅する現象をとらえる「重力マイクロレンズ法」だ。地上の観測では主に、惑星が恒星の手前を通ることによる減光を観測する「トランジット法」や、惑星の重力で恒星が揺れ、光の波長が変わるのを捉える「ドップラー法」が採用されてきた。
 発見済みの系外惑星は恒星の近くにある熱い星や、重い星が多い。観測方法や精度に限界があり、まだ太陽系の「水金地火木土天海」のように広範にはとらえられてはいない。そこでローマン望遠鏡が重力マイクロレンズ法により、恒星から遠い星や、多様な重さの星の観測に挑む。系外惑星を幅広くとらえることになり、惑星形成などの理解が深まると期待されている。

◎系外惑星探索に日本も装置開発などで貢献
 もう1つの装置は「コロナグラフ直接撮像装置」。コロナグラフは元々、コロナと呼ばれる太陽の大気を観測するために開発された装置だ。太陽本体の光を円盤で遮り、周囲のコロナの光を見えるようにする。ローマン望遠鏡はこれを系外惑星観測に応用し、明るい恒星を隠し、至近にある暗い惑星を観測する。NASAは地球に似た惑星の観測を、次世代の大型宇宙望遠鏡構想「ハビタブル・ワールド・オブザーバトリー」で目指しており、その技術実証の位置づけで開発された。
 日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所でローマン望遠鏡のチーム長を務める山田亨教授は、打ち上げ前の会見で「コロナグラフ装置は広視野撮像装置とは逆に、主星(恒星)に近い所を、主星の光をできるだけ低減して見るものだ。ローマン望遠鏡では、まだ地球類似の惑星は観測できない。しかし、より大きな惑星などを観測できると期待している」と説明した。

◎日本も含めた国際的研究チームも参画
 日本の研究グループはコロナグラフ装置のマスク基板や光学素子を提供した他、JAXA美笹(みささ)深宇宙探査用地上局(長野県= 写真 )による超大容量の観測データの受信、国立天文台すばる望遠鏡(ハワイ州)や大阪大学などのプライム望遠鏡(南アフリカ)の協調観測などを通じて貢献する。



 このプロジェクトには、JAXA宇宙研を中心に大阪大、アストロバイオロジーセンター、国立天文台、福井工業大学、東京大学などの研究者が参画している。これまでも日本の研究者らは、ハッブルやジェームズ・ウェッブ望遠鏡の観測によって研究成果を上げてきたが、大型宇宙望遠鏡の開発や運用への組織的な参画は、これが初めてという(ローマン望遠鏡(左上)とジェームズ・ウェッブ望遠鏡(左下)の連携を示す 概念図 。ローマンが広視野を生かして興味深い天体や現象を発見すると、ウェッブがすぐに詳しい追跡観測を行えるという)。




◎亡きローマン博士の知的好奇心のバトンを受け継ぎ
 ローマン望遠鏡について、アストロバイオロジーセンターの田村元秀特命教授は「地球のような軽い惑星が、恒星からどのくらい離れたところにあるのだろうか。言い換えると、太陽系が特別な存在であるかどうか。このことに、ようやく統計的に答えられるようになる意義は大きい。生命の兆候を見ようとするハビタブル・ワールド・オブザーバトリーの技術実証も兼ねており、本当に印象的な望遠鏡だ」と期待感を語る。
 ローマン博士は生前、「ハッブル望遠鏡の最も興味深い発見は何か」と問われ、暗黒エネルギーと答えたという。ハッブル望遠鏡は宇宙の加速膨張の初期測定結果を裏付け、一大発見に貢献した。ローマン博士は、系外惑星の観測可能性に触れた論文も1959年に書いている。
 宇宙の謎は尽きない。知的好奇心のバトンを今、望遠鏡に「生まれ変わった」彼女が引き継いだ。
(完)

昨年の今日の日記





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Last updated  2026.09.26 05:44:28


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