まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2006.03.31
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テーマ: 風のハルカ(31)
カテゴリ: 風のハルカ
心を鬼にして、最後のレビュー。



とってつけたような、最後の結婚式シーン。

というより、
意図的に「とってつけた」ことを暗示するみたいに、
何の演出的創意も、目立ったセリフも無いまま、
お約束の手続きだけで構成した、あっさりしたウェディングシーン。

強いて言えば、
身内のいないケータローの側に、


それ以外は、本当に、
「とってつけただけ」と言っていい、おヤクソクな結婚式。

とりあえず結婚式だけはやってくれ、という番組上の都合に屈した?



猿丸ハルカ。

時代劇コミックに出てくる忍者の名前か、
はたまた狂言回しのちびっ子スターみたいな、
結婚するヒロインに似つかわしいとは考えにくい、
なんとも、気の毒な名前。

嫁入りするヒロインの、
その「幸福」という幻想にあてつけた、ささやかな皮肉??





もともとケータローには、
家族も無く、家も無く、
行動を共にする同僚も、結婚式に出てくる知り合いもいない。
結婚しても、
ケータローのこれまでの素性は、けっきょく分からないまま。



ハルカ: 信じられん、ふつうは塩やん。
啓太郎: なんでやねん、牛乳やん!!


それにケータローは、
もともと「食べること」に対する関心が低くて、
設定としては“味オンチ”ってことになってたはずなので、
この「トマト&ミルク」が美味しいという主張も、説得力は乏しい?



今日は、「最終回・大阪編」。

なので、
たこばあばの人々は出てくるけど、
最後にもかかわらず、
正巳も、奈々枝も、悟史も、登場ないままのドラマ終了。

過去の伏線の回収らしきエピソードも、
これといった情動をあおる仕掛けも無いまま、
重要キャラをも置き去りにして終わっていく最終回‥。

なんだか、
わたし自身が置き去りにされるような、とてつもない寂しさ。

そうですね・・。
いま、一通りのストーリーを終えた気がします。
レストランの夢も、
家族で食卓を囲む夢も叶った。
娘たちも幸せに暮らしている・・。

なんだか、すこし、寂しくて。


同感です。陽介さん。

この最終回に感動があるとすれば、ただ「終わること」の寂しさだけ。

村崎さんのことなど気にも留めずに、
まるで全部のストーリーが終わったみたいに言っちゃた陽介さんへ、
宗吉さんが語った、次のセリフ。

ちょっと、質問していいですかね。
この「料理の道」ってのに、“終わり” ありますか?
もし無いとしたらね・・、「人生」と似とると思うんです。


宗吉さんのこのセリフだけが、わたしにとって唯一の救いです。
つまり、これはまだ、「最終回じゃない」ってこと!

ワシね、まだまだこれからだと思っちょる。
陽介さんのレストランもこれから、第二楽章がはじまりますね。


本来、このセリフ、
直接は村崎さん登場のために語られるセリフなんだけど、
なんだか、それ以上の意味合いがあるように思わせてしまう。

宗吉さんによる、最終回のメッセージみたいです。

セリフの中身は前向きなものなのに、
それを語る宗吉さんの、静かで、どことなく寂しげな微笑み。
それが、わたしには、
物語の外側にうったえてくる何かを感じさせてくれた。



場面は変わって、
仁子が研究を続けているロンドン。
‥じゃなくて、木綿子が青木さんと暮らすロンドン。

木綿子と、アスカとの電話。

「今ごろ売れている」という、デビュー当時の問題作。
そして、「見たいような見たくないような」映画。
そんな、けっしてハッピーなだけではない世界が、
このドラマのどこかに存在することを、さりげなく知らせつつも、

いい感じのハッピーエンドになりそうよ。

・・うーん。
意味深なほど力強く、アスカから伝えられるメッセージ。

『ジーン』のときの美香ちゃんのトラウマは、ここまで引きずってるの?
脚本家が、まるで自分に言い聞かせてるようなセリフですね。

・・・

でも、このドラマ、
NHKの公共放送的な要請の中で、
「国民的連ドラ」を書くということの意味が、
わたしには、良くも悪くも端々から伝わってくるようではありました。



それでは最後に、番組のヒロインから一言。



はい。
NHKのおつとめ、ご苦労様でした。


☆  ☆  ☆


さ。

来週からのNHKは、
満をじして、浅野妙子&宮崎あおいちゃんのコンビ!

好みの問題はともかく、
これが文句の言いようの無い作品になるのは、ほぼ確実。
ある意味、いまや橋田壽賀子なみの“王道路線”と言えるかも。

浅野妙子は浅野妙子で、ああいう構築的な脚本だし、
宮崎あおいちゃんは宮崎あおいちゃんで、
もう、古典的とさえいえるような演技力(→良い意味で)ですから、
ここ数年の、お軽い現代劇を吹き飛ばすような、
ガッシリした内容になる予感は、たぶん、外れることがないでしょう。



そして、何より何より!

この『ハルカ』終了のタイミングを見はからってか、
NHKは、4月3日から、
BS放送にて『ニコニコ日記』を再放送!!! (あたしゃ、どこの回し者?)

って、
わたしはBSを視聴できる環境にないんですけど・・。


くやしいから、
放送時間にあわせて自分のDVDを見ることにしよう、
と考えてるわたしは、相当、どうにかしてるのかもしれませんが。(--;

いったい何回見れば気が済むのか。。。

あのドラマの魅力を語るのは難しい。

大森美香ちゃんの脚本ではあるけど、
彼女のオリジナル作品じゃないし、
脚本だけじゃ、あのドラマの魅力は説明つかない。

原作コミックと、
美香ちゃんの脚本と、
当時の「よるドラ」スタッフの才能の輝きと、
そして永井杏ちゃんという天才少女とが、
奇跡のようにめぐりあって出来た、宝石のようなドラマ。

そういう作品の魅力を、
言葉で説明したり、理解したりするのは、ちょっと無理。

なので、BSが見れる環境にある人は、絶対見てください。
BSを見る環境にない人は、DVDを買ってください。(命令)

☆  ☆  ☆





【お知らせ】
現在、​ 音楽惑星さん ​にお邪魔して、「斉藤由貴」問題について考えています。






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最終更新日  2017.09.16 16:20:36


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