まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2018.11.22
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テーマ: 新垣結衣(29)
けもなれ第7話。

このドラマのことが、
ちょっと分からなくなってきたかも…。

京谷の実家で、千春に加勢して、
息子たちに在宅介護を説得した流れも、

海岸で京谷に別れを告げた流れも、

5tapで、
タクラマカンから映画の話を聞き出して、
恒星の粉飾決済の事実を暴き出した流れも、


あまり丁寧な展開とは思えなかった。

とくに気になるのは、
話の全体的な流れが、
まるで 女が男に勝利する みたいになっていたこと。
もっといえば、
晶が《女の気持ちの分からない京谷》に決別する みたいな、
やや勧善懲悪的な展開になっていたこと。

もちろん、
これで京谷との関係が終わりになるとは、まだ思わないし、
京谷の実家のエピソードでさえ、まだ完結したようには見えない。


このドラマが、
たんに 京谷だけを悪者にして済む話 だとは思ってないし、
「獣になる」ということが、
たんに ジェンダー差別に打ち勝つこと

野木亜紀子が、そんな短絡的な物語を書こうとしてるでしょうか??

◇

ここで、あえて前回の第6話をふり返ってみたい。

第6話では、
松任谷夢子が言い放った次のセリフに、
視聴者の共感が集まりました。

 どうして女の浮気は「だらしない」と言われて、
 男の浮気は「甲斐性」みたいに言われんの?!


これに多くの視聴者は「そーだそーだ!大笑い」と共感し、
反対に、京谷が口にした次のセリフには、視聴者の怒りが集中。

 いまの晶、可愛くない

これにはすかさず、
「ふざけんな京谷!怒ってる」
「女はただ可愛くしてればいいのか!?」
との反感が沸き起こり、

ネットのフェイクニュースも、
これらの共感と反感をとりあげて、拡散させていました。

でも、これは、
かなり反射的で、感情的で、一方的な反応にすぎないと思う。

たしかに、
「女の浮気はだらしない/男の浮気は甲斐性」
「可愛くて従順な女だけが愛される」
みたいな世間の風潮は腹立たしいものだけれど、

それがそのまま登場人物への批判になるとは思わない。

◇

たしかに、一面では、
ニコニコ笑ってるガッキーを「気持ち悪い」という龍平と、
笑わなくなったガッキーを「可愛くない」という田中圭とを、
対比する意図もあるだろうし、

もしかすると、そこには、
「可愛いガッキー」というパブリックイメージに対する、
メタ批評的な意図さえあるのかもしれない。

男女が対等に扱われずに、
「イーブンか、女のほうが悪い、みたいになるのは納得いかない」
みたいなセリフを、あえてガッキーに言わせるのも、そのためかもしれない。

でも、
だからといって、
わたしは、このドラマが、
たんに 《女を見下している京谷=田中圭》 を悪者にする作品だとは思えない。

◇

◇

◇

わたしはむしろ、
晶が言った次のセリフが重要だったと思います。

 呉羽さんにも 、ひとつ分かってなかったことがある。
 呉羽さんが思うよりずっと、恒星さんは呉羽さんが好き。


なぜ晶は、こんなふうに思ったのでしょうか?

呉羽は、
橘カイジに病気のことを打ち明けていたのに、
恒星には、そのことを話していませんでした。

呉羽のこの判断は、
恒星のことを理解すればこそのものだったけれど、
札束を準備して呉羽を助けようとした恒星にしてみれば、
自分が頼られずに、他の男が頼られていたことは、
とても腹立たしかったようです。

そして、晶から見れば、
その怒りこそ「恒星が呉羽のことを愛している証」だというわけです。

好きだからこそ、腹を立てる。

それは京谷も同じでした。
晶のことが好きだからこそ、京谷は晶に腹を立てていた。

べつに他の男と寝たことやキスしたことを、
世間的な基準で「だらしない女だ」と責めてるわけじゃない。
ただ好きだからこそ、嫉妬で耐えられないのだと思います。

ちなみに筧=吉村界人は一般論として「路チュウ」を非難していましたが、
京谷の場合は、そうではありません。そこを混同してはいけません。
むしろ京谷と晶は、かつて雨の夜に「路チュウ」していた当事者なのです。


そして、晶だって、
その京谷の嫉妬の気持ちは、痛いほど分かっていると思います。

だからこそ、
極限まで葛藤に追い込まれて、
まるで八つ当たりするように、
呉羽のことをなじりに行くしかなかったのですね。

そして、ただ呉羽に抱かれて泣くしかなかったのです。

◇

京谷は言いました。

 相手の気持ちなんか分かんないよな。
 晶に俺の気持ちなんか分かんないよな。


恒星は言いました。

 分かってるも何も、知らないことだらけだよ。

でも、じつは、
晶も、京谷も、呉羽も、恒星も、
けっこう相手のことを分かっていると思う。

でも、
分かっていても、すれ違うのですね。
むしろ分かっているからこそ、
相手を思うがゆえに遠ざかってしまう。

かえって知らないほうが、意外と気楽に付き合えるのかもしれません。

恒星: 晶さんって、他人のことだとホント好きに言いますよね。
晶 : ハハ。 …まぁ、他人のことなんで。


もしもバカになれるのならば、
相手のことなど考えずに済むのかもしれません。

もしも獣になれるのならば、
相手のことを一方的に責めれば済む話かもしれません。

でも、
このドラマの登場人物たちは、
相手を分かりすぎるがゆえに、責めることができない人たちです。

その苦しさを全面的に描いたのが、第6話だったと思います。

だから、
たんに京谷ひとりを悪者にして済ますのではなく、
彼らの全員に、
何らかの展望を与えてほしいというのが、わたしの希望です。










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最終更新日  2018.12.06 00:56:47


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