まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2021.08.28
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NHK大河「青天を衝け」第25話の内容が凄すぎて、


経済人として知られる渋沢栄一の生きた時代が、
これほどの「乱世」だったのか、ってことの驚きもあるし、

大森美香の書くドラマが、
かつてないほど凄惨なものになった、ってことの驚きもある。



わたしは、いまから15年前、
朝ドラ「風のハルカ」のときに、
大森美香は、ただ不幸を遠ざけて回避してるだけじゃないか


主人公のハルカは、
妹のアスカの不幸にも、
親友の奈々枝や正巳の不幸にも向き合うことなく、
ただそれらを遠ざけて、回避しながら、
最後に自分の幸福だけを手に入れたからです。

それと同じようなことは、
朝ドラ「あさが来た」にも言えます。

たとえば、
加野屋に恨みを抱いた松造の不幸が忍び寄ったときも、
結果的にそれを遠ざけることで、白岡家の安泰は守られました。

つまり、不幸な登場人物たちは、

救いがもたらされることはないのです。



さすがに今回は、史実にもとづいているので、

主人公の実家である渋沢家は、
長七郎や平九郎の実家である尾高家の不幸 と無縁ではいられない。


叔母の嫁ぎ先であり、
妻の千代の実家であり、
渋沢家の見立て養子の実家であり、
妹のていの想い人の実家でもあるからです。



しかし、それでもなお、
大森美香の基本的な世界観は変わらないだろうと思う。

おそらく渋沢家の人々は、
尾高家の不幸が静かに収まっていくのを待ちながら、
あくまでも家内の安泰を守り続けるだろうと思います。



そのような物語の作り方は「逃げ」だと言うことも出来ます。

けれど、
それが大森美香の世界観だということが、今ではだいぶ理解できる。

実際、現実の人生を生きる人々にとって、
不幸なんて、そうそう容易に立ち向かえるものではないし、
まして、容易に乗り越えられるものではない。

大森美香の場合、
「不機嫌なジーン」の仁子が、
最終的に不幸を乗り越えられなかったトラウマもあります。

その竹内結子はほんとうに死んでしまったけれど、

大森ドラマのなかで、
竹内結子と水川あさみが例外的に不幸だったのは謎です。

いずれにしても、
不幸というものは、出来るだけ遠ざけながら、
静かに過ぎ去って、収まっていくのを待つしかない。



思えば「あさが来た」のときにも、
あさが嫁いだ白岡家はとても幸福だったけれど、
姉のはつが嫁いだ眉山家は、とても不幸でした。

両家と姉妹は、
ずっと付かず離れずの関係にあったけれど、
結局のところ、
眉山家の不幸は眉山家で乗り越えるしかありませんでした。

かりに視聴者からの要望がなければ、
大森美香は、はつを史実どおりに早逝させていたでしょう。

しかし、
宮崎あおいが演じたはつは、史実以上に強い女性でした。



今後、尾高家の運命がどうなるのか。
そして渋沢家と尾高家の関係がどう描かれるのか。

わたしにとっては、それがひとつの注目点になります。





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最終更新日  2021.08.28 10:50:05


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