まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2022.02.03
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先週のNHK俳句で、

講師は櫂未知子。

いわく、一物仕立てとは、
「季語そのもの (だけ) で一句を詠むこと」だそうです。



わたしはいままで、
 ワンカットの句:一物仕立て

だと形式的に理解していましたが、
(つまり「切れ」の有り無しだけで見分けていた)

そういう単純な認識では間違いなんですね!…(^^;

たとえワンカットの句であっても、
一物仕立てとは言えない句が沢山あるっぽい。



いままでの自分の記事を見直すと、
わたしは以下のような句を「一物仕立て」と見なしている。

1. 海苔篊 のりひび の等間隔に暮れかかる
(フルポン村上)
2.縦横に斜めに子らの 昼寝 かな
(梅沢富美男)
3. 遠足 のリュックの底にチョコの染み
(森口瑤子)
4. 春愁 をくしゃと丸めて可燃ごみ
(梅沢富美男)
5.永らえて 短夜 をなほ持て余す

6.しまったとじわり 汗ばむ 三尺寝
(中村ゆりか)
7. 扇風機 持つ手甘噛む仔猫たち
(しょこたん)
8. 夏立ちぬ バタークリーム強情で
(梅沢富美男)
9.とぅるとぅるの求肥に透けている
(千原ジュニア)
10.寅の尾へ迷路をたどる 年賀状
(フルポン村上をわたしが添削)


すくなくとも 3,6,7,8 などは、
季語 そのものを詠んだ「一物仕立て」とは言えないし、
そのほかの句も、ちょっと微妙かもしれません。



まあ、

こういう誤解によって、
句の評価や作り方まで変わるわけではないけれど、
とりあえず、これを機に過去の記事を訂正しておきます…。

ちなみに、

わたしは今のところ、
 2カットの句:取り合わせ/二物衝撃
だと形式的に認識してるのだけれど、

これが正しいのかどうかも、正直よく分かりません。

↓こちらのサイトによると、
https://weekly-haiku.blogspot.com/2009/05/10_10.html
形式上はツーカットだとしても、
実質的に一物仕立てといえる句があるらしい…


たとえば、以前のプレバトでも、
1位になった丘みどりの次の句がありました。
夏の雲 サイドミラーにひしめきぬ


これを見て、
上五でカットが切れていると思う人はいるはずです。

でも、この句は、
実質的にはワンカットの一物仕立てです。

《上五》と《中七・下五》は、
《主語》と《述語》の関係にあるわけなので、
上五はじつは名詞止めで切れているのではなく、
たんに主格の助詞「が/の」が省略されているにすぎない。

にもかかわらず、
こういうときに「夏雲や」と切れ字を使う人さえ見かけます。
そうなると、完全にカットは切れるわけですが、
それでも意外と違和感なく読めてしまったりする自分もいます。(^^;

そういう句がはたして容認されるのかどうか、
ちょっと判断がつきかねるのですが、

とりあえず、いまのわたしなら、
丘みどりの句は「夏雲の」と直します。



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最終更新日  2022.02.03 18:34:08


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