まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2026.07.21
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カテゴリ: NHK朝ドラ
朝ドラ「風薫る」やテレ朝「クロスロード」は、

今のところ視聴者にはほとんど理解されてません。

というより、
当面は意図的に誤解される作り方をしてるのかも?




バーンズ先生と桐生先生の言った、
「看護は仕事であって奉仕ではない」
「医療が扱うのは患者の人体であって人生ではない」

という2つのセリフは重なってるし、

一見すると、



それはじつは、
《専門職としての正解》の定義である反面、
《専門職としての限界》の定義ともいえるわけで、
かならずしもドラマとしての最終的な正義じゃない。

むしろドラマでは、
その正義が逆転する瞬間が来るんだと思います。

朝ドラ「風薫る」のりんも、
テレ朝「クロスロード」の春木ら3人も、
その《専門職の限界》を踏み越えるべく暴走して、
そのたびに周りを巻き込んでは混乱を招くものの、

彼らの暴走には必然性があるってことですね。



朝ドラの場合は、
りんのモデルの大関和さんが、
たんに日本の職業看護を確立しただけでなく、

彼女自身が、
結婚に失敗したシングルマザーであり、

…ってことを根拠にしてるはずです。

それから、
看護婦どうしのシスターフッドを描いてるのも、
ただ百合ネタに需要があるからだけでなく、
現代の同性婚までも視野に入れてるからよね。



りんと直美は同性愛者の設定じゃないし、
モデルの2人も同性愛者じゃありませんが、

先週の第76話は事実上、
広義の「同性婚の成立」を描いてた。

直美: 私、この家の本当の家族になります。環ちゃんの2人目のお母さんになる。
りん: え…?いや、でも、おかしいでしょ。普通じゃないでしょ。
美津: あなたが「再婚はしない、看護婦になる」と言ったときも、私はおかしいと思いましたよ。世間様に何と言われるかとも。今まで世間様の当たり前の道を、りんは歩んでは来なかったではないですか!
環:  直美さんがもうひとりのお母さんになってくれるのはうれしいよ!

これは事実上の同性婚の成立になってる。

そこに揺さぶりを仕掛けるのが、
「2人目のお母さんだって結婚はできますよね!」

…という薩摩軍人のセリフなのだけど、

わたしは史実から考えても、
直美が彼と結婚することはないと予想するし、
それは事実上の同性婚の選択を意味することになる。
(さすがに明治期なので「同性婚」と明示はしないでしょうが)





バーンズ先生や桐生先生の言葉にこそ、
職業看護や職業医療の正解があるのは事実だし、
看護婦や医者に社会問題が解決できないのも事実。

しかし、そうはいっても、

看護や医療が、
社会的な問題を背負わざるをえない局面はあって、
制度的な枠内で解決しきれない部分に突き当たる。

貧困や虐待などの背景があったり、
シングルマザーや家族のいない独り身患者、
明治期には娼婦の境遇の問題などがあるし、

BSの「勿忘草の咲く町で」では、
延命治療の資源的限界の問題を扱ってます。



かつて医道が「仁術」だった時代には、
家族や階級などの背景までを踏まえて、
より全人的な対応をしてた可能性もあるけれど、

よくもわるくも専門性に特化した現代では、
縦割りになった弊害も出てくるし、
情報の共有や資格の制限などで連携が難しくなる。

そういう限界域において、
りんや春木たちの暴走と、
バーンズ先生や桐生先生の制度的な正解が、
どこかで逆転する瞬間が出てくるはずなのです。



もちろん、
直美や桐生のような現実主義者から見ると、
りんや春木の逸脱や理想主義的な暴走は危ういし、
制度を破綻させかねない違反なのだけど、

その反面で、
りんや春木のような逸脱した視点がなければ、
制度の見落とした問題もあぶりだされない。

だから、
ときには制度や職業の限界を飛び超えて、
あるいは警察や救急隊側の限界も飛び超えて、
別の領域にまで踏み出した連携を模索しないと、
制度的な欠陥が可視化されないのよね。



りんは、
家族のためを思って結婚したのに、
火事のドサクサにまぎれて子供を連れて出奔し、
人助けのためと思って看護婦になったのに、
こんどは規則を破って看護婦も辞めてしまう。

そういう後先を考えない暴走キャラです。

クロスロードの春木も同じですが、
その暴走はほぼ失敗であり不正解だといえる。

しかし、それでもなお、
この暴走キャラにはドラマ的な必然性があります。



朝ドラ「風薫る」は、
日本の職業看護の確立を描く歴史ドラマであって、
テレ朝「クロスロード」は、
病院内の救急医療の現実を描写するドラマである、
…と思ってる視聴者にとっては、

あまりにも逸脱や暴走が多すぎて、
期待に反する内容になるはずなので、
早めに視聴をやめるほうがいいでしょうね。

でも、もともと、
どちらのドラマも、
そういう逸脱や暴走にこそ、
作品のテーマ的核心があるはずだし、

わたしの見立てが間違ってないとすれば、
それをノイズと感じる視聴者向けではない。
なので、脱落をおすすめするしかないです。



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最終更新日  2026.07.21 07:10:04


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