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ラウド:「全員配置につけ!!門を閉めて弓を構えろ!!」
ラウドの命令がリンケンの平和の空気を切り裂き、警鐘が絶えず鳴り響く。
ウィン:「一体誰が攻めて来てるんだ?蜘蛛の大群はもう勘弁だぞ。」
ラウド:「アリアンのクロマティーガードの連中だ、大富豪共の犬だよ。」
クロマティーガード、アリアンの大富豪が世界中から選りすぐりの傭兵を集めてできた集団。その戦力は一国の騎士団を上回ると言われている。
すると、門の前に20騎ほどの騎馬兵が綺麗に横一列に並んだ。すると真ん中の一際大きな騎馬兵の一人が門に向かって叫びだした。
騎馬兵:「リンケンの者達よ!!諦めてアリアンの第2都市になることを認めよ!!さもなくば毎日のように攻め入る!!ラウドはいるか!?」
ラウドはその声を聞くと門の上の物見塔に登り答える。
ラウド:「グエン!何度も言わせるな!!我々はアリアンの第2都市になどならない!!それに仕掛けてきたのはそちらからだろう!!何の罪もないキャラバンの人たちを襲った!それが許されると思うな!!」
するとグエンは腰の少し大きな袋から何かを取り出した。人の生首であった。
グエン:「この首はクロマティーガードのアリアンの門兵だった男だ!このような事をしておいて何をほざくか!!貴様らの正義はそんなものなのか!!」
ラウドは目を細めて言う。
ラウド:「そんな男は知らないし、私達は何もしていない!!武力行使はまだ命令すらしていない!!何かの間違いではないのか!!」
グエンは一度大きく馬の前身を起こす。「ヒヒーン」という馬の声と同時にクロマティーガード達が臨戦態勢に入る。
ラウド:「弓を構えろ!!グエン!!今戦っても結果は目に見えているぞ!!上からの攻撃に貴様達騎馬兵が耐えられるはずないだろう!!」
騎馬兵の後ろにいた兵士が前に出て杖を取り出し振りはじめた。するとどこからかその辺一体を埋め尽くす霧が現れた。
グエン:「どうだ!!この霧では弓でも当てるのは至難の技だぞ!!」
ラウド:「チッ、向こうにウィザードがいたか。」
迷うラウドの肩にポンと誰かが手を置いた。
ウィン:「あいつらをやっつけたらいいのか??ヒヒ、まかせろ!」
そういうとウィンは物見塔からジャンプをして門の外に出てしまった。
ラウド:「何をしている!!死にたいのか!!」
ドシンとウィンが着地をする音が響いた。
ウィン:「いっっっっっったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!さすがにたけぇぇぇ!!!かっこつけすぎた(つд・)」
グエン:「貴様・・・何者だ??邪魔するならリンケンの者でなくても斬り捨てるぞ。」
ウィンはニヤリと笑いながらグエンに返す、
ウィン:「ほほー!!ここまでくると霧もあんま意味ないな~、あんたの飛び出してる鼻毛までバッチリ見えるぜ。」
グエン:「なっなに!!」
グエンは慌てて鼻を隠す。
ウィン:「ウソだよん♪」
ウィンがグッと踏み込んでグエンめがけて剣を抜いた。キーンという音が響くとグエンの兜の半分が欠け落ちた。
ウィン:「お!!よく避けたな~!!やっる~♪」
グエン:「貴様!!舐めるのもいい加減にしろよ!!全員でかかれ!!」
するとウィンの体の周りに風が集まった。
ウィン:「俺は魔法剣士じゃないから全然威力はないけど、霧ぐらいは晴らせるっしょ。」
ウィンが大きく盾と剣を動かすと小さいが竜巻が霧を巻き込みながらクロマティーガードの周りを通り過ぎた。
グエン:「ぬ!!トワーか!!しかしこの程度でどうした!!痛くも痒くもないぞ!!」
ウィンがニヤニヤしながらリンケンの方を指差す。
ウィン:「でも霧が晴れたら弓に一斉射撃されるんじゃなかったっけ?」
グエンがバッと慌ててリンケンの門の上を見ると、ラウド達が弓を構えていた。
ラウド:「ナイスだウィン。さぁ?どうするグエン。ここで全滅するか、おとなしく帰るか。」
グエンは顔を真っ赤にして言い返す。
グエン:「くそ!!変な言いがかりをつけて戦争を起こそうとしているのはそっちだろう!!歴史を繰り返すのか!!」
ラウド:「言いがかりだと・・・」
グエンがサッと手を上げると騎馬兵達はアリアンの方向へと逃げ帰っていった。
グエン:「ラウド!次はうまくいくと思うな!!次こそは本当に全面戦争だぞ!!」
ラウドが慌ててグエンに質問し返す、
ラウド:「言いがかりとはなんだ!!なんのことだ!!」
グエンはラウドの質問に答えず砂漠の奥へと消えていった。
門がゆっくりと開くとウィンが戻ってきた。そこにラウドが少し怒った感じで降りてくる。
ラウド:「なんて無茶をするんだ。奴らは相当な戦士達だぞ。」
ウィンは少し眠そうに答える。
ウィン:「まぁまぁ結果オーライってことで!ちょっとばかし自信はあったしね。まぁでもエライことになりそうだな。」
ラウドは下を向いて何かを考えていた。
ラウド:(何かがおかしい・・・私は武力行使の命令は誰にも出していない。それにグエンの言っていた言いがかりとはなんなんだ・・・)
ウィン:「何をそんな難しい顔をして、便秘か?月に一度の日か??」
ラウドの拳がおもいっきりウィンの顔にめり込む。そして、ラウドが一人の兵士を呼んで言う。
ラウド:「リンケンのみんなに伝えるんだ。私は少しアリアンに潜入して調べてくる。何かもっと重大なことが起きそうなんでな。」
兵士:「分かりました!しかし、一人で大丈夫ですか?」
ウィンは相当な量の鼻血を出しながら言う。
ウィン:「俺も行ってやる!!雲は風がないと動けないだろ?」
ニヤニヤしているウィンが少し気持ち悪かったがラウドは、
ラウド:「好きにしろ、明日の朝一番にアリアンに潜入する。」
二つの謎が闇となりアリアンとリンケンを包む。この風が闇を取り除く風となるか、また大きな闇を生む風になるか、ラウドは決められずにいた。
続く・・・・・・
さぁさぁ!!!!佳境に入ってきたよ!!!
やっと半分くらいなのでもう少しお付き合い下さいm( __ __ )m
それでは(* ^ー゚)ノバイバイ